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第10回新市場基本コンセプト懇談会議事録〈要旨〉

(要旨)

日時:平成14年3月8日(金)午後1時30分~

会場:築地市場 東京都第4会議室

1.議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    議題
    新市場のコンセプトについて
    • <配布資料>
    • 資料1 今後の討議テーマについて
      <第9回新市場基本コンセプト懇談会配布資料 資料1一部抜粋>
    • 資料2 新市場のコンセプトについて
      <第9回新市場基本コンセプト懇談会配付資料>
    • 新市場づくりの考え方(21世紀を拓く豊洲新市場)(検討素材)
      <第9回新市場基本コンセプト懇談会配付資料>
    • 事務局より資料に基づき、本日の議事について説明
  3. 質疑・討論
    上原座長の司会進行により、資料に基づいて各委員による質疑・討論

(座長)
今、事務局からいくつかの提案がありましたが、基本的には、今までの市場とは異なり、顧客に使いやすい市場とはどういうことなのかということだと思います。買出にきたときに、野菜と魚が別な部門を回るのがいいのかどうか、一緒に対面する場があっていいのではないかということが1点、もう一つの考え方として、場内と場外との基本的な連動性ということだと思います。一つは今までの場内での考え方で、業務は今までのとおりでも、デザインは、野菜と魚が一緒に対面する場があっていいのではないかということです。もう一つは、従来、場内ではなかったものは別の場所に集中させるということも、新しい案ではないだろうかと思います。これで、場内と場外とが流通する。その他は場内流通ではいいのではないかということだと思います。

(事務局)
現行法体制をあまり気にしないで議論をしてみると、そういう画も描けると思います。業界の皆さんがそれをどう考えられているのかということです。

(座長)
10年後のことを考えますと、現行法がそのまま生きているというようなことを考えて行かざるを得ないと思います。今の市場は売り手の論理で売場ができています。本当のキャッシュアンドキャリーをやっていくためには、スーパーと同じような品揃えを展開することと場外をいかに取り込んでいくかということをイメージすることが必要です。それをふまえながら、本日は、議論を進めていきたいと思います。

(座長)
各委員の皆さん、今、出された内容に対してご議論等ございませんか。まず重要なことは、公共団体がサポートしているということは社会性を持たなくてはならないということです。社会性で一番重要なことは、安全性や衛生です。卸売市場を通じていれば、安心であるということをいかにポジショニングしていくのかということを考えていくことです。
それがスーパーマーケットに直に入るよりも卸売市場を通じた方が安心だということをどういう形でシステムとしていくのかということです。また全量引き受けるということも社会性であると思いますが、悪い物は外すということも将来考えられないこともないと思います。何でも引き受けるということについても、そういう観点から制約付けられるというような新しい考え方も入れて、コンセプトを造れないものだろうかと思います。
もう1点としては、人々を自由に市場に入れる考えはないのかということです。集客力を増さないと、いかに品揃えだといっても、スーパーマーケットの直接流通は定番型ですから、定番型をしつつ、都合の良い時に卸売市場を利用するわけです。全部取り揃えられれば、集客力は市場外流通へ行ってしまいます。ここだけでいくら品揃えといっても、良いように使われるだけで、集客力は落ちてしまうと思います。一つ考え方は、場外の流通も取り入れるということです。集客力を増すためにはみんな入れるような空間にしていくことも、コンセプトとして考えていく必要があると思います。

(委員)
市場の中を整理するのであれば、物流部分とは切り離しをした中で考えた方が整理しやすいと思います。そこで問題になるのは当然、横持ちの経費がかかりますので、そのコストをどう削減していけるのかということです。今の場内物流は、かなり輻輳しておりますので、無駄な部分はたくさん出てくると思います。一カ所の集約というと、トラック自体も混載になっておりますので、今後も変わらないと思います。これからますます細かくなってくると思います。

(座長)
別にトラックターミナル一カ所ということではなくて、現状は、一カ所といっていいのかどうか、全体が駐車場であると思います。この仕組みを専門委員会を創って変えていかないといけないと思います。

(事務局)
その具体的な部分をこの絵図面で落として、物流の話をすれば、具体的に描いております。
新しい物流システム、豊洲で検討してみる価値があると思っているシステムとしては、駐車場での荷積みを無くすような物流システムに変えるということです。要するに、卸・仲卸売場から大量のターレや小車を駐車場に運んでいき、そこで買出人のために積むというようなことは止めようという提案です。

(座長)
従来より6haくらい大きい所で、上手く物流ができるかどうかということです。重層化も考えて検討していく必要があると思います。今、ここで決めるわけではありませんが、一つの流通の変化に対応する市場です。

(委員)
転送物関係がございますので、市場への入りの部分と出の部分を分けざるを得ないと思います。コストを下げるためには、セリ場に直接下ろせれば、それが理想だと思います。セリ場への部分と転送、中継も含めた部分をどういう形で分けられるのかということです。一つの建物の中では厳しいかと思いますので、どこかで一つ、仕分けをするスペースはある程度必要になってくるかと思います。そこが一番重要であり、スペース的にも必要になってくる部分だと思います。

(委員)
積む時の産地での仕組みから一貫して考えて、産地の仕組みを改めて、仕分けのスペースをなるべく縮小できるような積み方や集荷の仕方というのはできないのですか。

(委員)
北海道あたりにおいては、北海道の輸送業者は道内無料で集荷しています。札幌へ一度集めて、東京向けや関西向けに仕分けをして、来た荷を順番に積んでいるというのが現状です。
この混載が解決できれば、負担は軽くなりますので、以前から産地へは申し入れはしていますが、以前よりは良くなっている部分はありますが、荷物を集荷しないと荷物を預けてもらえないという傾向がますます強くなっているということもあります。そうなると余計にという懸念もあるかと思います。

(座長)
一つの考え方として、有効に利用するために、できる限り面積があった方が上手くできると思います。ここを生かす方法として、従来とは異なり、現物取引はここで上手くやっていくと思いますが、将来のことを考えていくと、東京都は築地市場、○○市場と分けて管理する時代ではなくなると思います。例えば、物的流通は他で都が手当する等、見本取引できるものはどこかで考えざるを得ないと思います。

(事務局)
大阪本場の場合には、本場の一角に配送ターミナルを敷地は同じだが、塀で仕切って、場外に造って、大阪市場に上場しないもの等は場外でやって下さいというものを造るという話がありますが、その場所が全然、離れた場所にあると、トラックの輸送距離も伸びる等非効率であり、物流コストかかるわけですから、隣に置いて置かざるを得ないのではないかと思っておりますが、卸・仲卸扱いの荷が約2,200トンの時に、それ以外が約1,000トンがありますという時に、約1,000トンの部分は成田等でやればいいということにはならないと思います。約2,200トンと約1,000トンが同じトラックに組み合わされて運ばれてくる以上、一回そこで行わざるを得ないと思います。青果では、数年前から実験が行われてきていますけれど、それは産地が10トントラックを仕立てて、各農協を回るときに、築地と大田の荷が入っているときに、手前に大田分、奥に築地分と方面別に分けて、先に大田へ行って荷下ろしして、築地へくれば、スムーズにいくかという実験をしています。それを産地で積み込む時にやっておいてくれれば、簡単だということです。また実験事業ではもっと進んでおりまして、そのトラックの荷の売り先も既に決まっておりまして、その場合に市場の仲卸ではその荷の取引を既に前日に終わっています。荷の引き渡しは、その注文が産地に行って、その単位でトラックに積み込まれます。市場で下ろせば、各仲卸別にスムーズに引き渡すことをできるということですが、なかなか上手くいっていないようです。水産の方で、果たして青果と同様にできるのかどうかという問題があります。一台の大型トラックが産地市場を回って、積み合わせてくるという動きに変わっているというように聞いていますが、そこからシステムを変えていけば、非常に効率化できると思っています。しかし、それは卸が産地へ頼むとできる話なのかできない話なのか、どうですか。

(委員)
大量の流通であれば、それは可能だと思いますが、少量多品種のものを小規模な生産者がそれを混載で仕分けするとなるとなかなか難しいと思います。むしろ、産地にそれを集約する産地の大きなセンターを設けるというのであれば可能性は出てくると思います。産地が一つの県、一つの漁協というような大きな動きの中で、集約化されてくれば、そういうセンターを造るという可能性は出てくると思います。

(委員)
産地の現状はかなりそういうことを意識されたシステムになってきています。青果と水産でも、毎日、集荷と送りがあるわけで、その時にローカルな近在の運送会社と日々、荷役の状況に濃密にコンタクトを取っていますから、帰りの荷まで含めて、どういう積み込みと積み下ろしをするかということがインプットされています。全国レベルで、組織的になるともっと異なったことになるかもしれないが、現在の力量では不効率な問題があるようになっていないと思います。かなりギリギリのところでやっているわけです。結果的には、形は混載であり、不効率に見えるが、産地側の論理として、最も効率の良いやり方をやっています。
水産では漁協の合併も進むということがありますが、それは経理上のことで、物の動きは獲れるものと獲れる場所、時期によって統合するわけではありませんので、ますます物流の仕組みをどう整備していくかという問題が重要視されることはあっても、ここ数年で状況が変わるということは考えにくいと思います。

(委員)
今の築地の場外の敷地は、東京都と関係していないのですが、市場業者も関わらないものですか。

(事務局)
場外の敷地は、借りて営業されている方も多いのですが、東京都としては土地も持っておりません。全て民有地でございます。

(事務局)
市場の物販の関連事業者は、コストコやメトロのようなキャッシュアンドキャリーをできるのですかということをお尋ねしたことがございます。盛岡の市場の中に、キャッシュアンドキャリーを市場外から誘致して造りました。その隣で、従来の関連事業者が似たようなものを販売しています。もう一つとして、コストコやメトロのようなキャッシュアンドキャリーが場合によっては日本を席巻するかもしれません。そういうところと戦えますかということを投げかけています。良い物を少量扱ってそれで良いというコンセプトでもいいのですが、ご商売としてその辺がこれから難しくなると思います。

(座長)
別の考え方として、一挙に思い切って、キャッシュアンドキャリーを生鮮も入れて、仲卸を中心として、アメリカのショッピングセンターと同様に、専門街という位置づけでつくれないのだろうかと思います。もう少し付加価値を高めながら。

(委員)
コストコやメトロの品揃えは、量販ですから、専門店化ほどではありませんが、ある程度のマーケティングの基に、絞り込んだ品揃えになるだろうと思います。従前の関連事業者の物品販売業においては、専門店性の持ったところが多く、品揃えに関してはもっと細かい対応ができると思いますが、それが実際の時代のニーズにあっているのかどうか、ニーズの多様化によって、専門店性は必要になってくるとは思います。これから10年間の流れを見ていかないとわかりませんが、品揃えに関しては、今まで以上に専門的な知識を身につけていかないとそういうマーケティングによる大きな流れには戦えないのではないかと思います。
また、資本力の面で、大きな資本が、薄利多売で非常に大量な仕入をすることにより、コストダウンができますが、小売の零細企業においては、大量仕入れがなかなかできませんので、それに対して特徴をどう出していくのか、価格だけではなくて、いかに付加価値を付けていくのかを今、研究しております。

(委員)
コンセプトを考える中で、部門を3部門にする等がありますが、これには賛成ではありますが、その中で、どうしても必要であるというようなものがあると思います。セリ部門は当然残らざるを得ないと思います。キャッシュアンドキャリーのようなものがランジスのようなものをイメージしているとすれば、今の仲卸売場をもっと整備していこうとしているのか、あるいは小売も含めたショッピングセンターのようなものも考えていくのか、今の仲卸売場のイメージのリニューアル等の関係でどう考えていますか。

(事務局)
東京都側の考え方としては、ここでのキャッシュアンドキャリーというものは、一般消費者も入れてということは全く考えておりません。元々、昔の中央卸売市場の仲卸売場は、キャッシュアンドキャリーだと今でも思っております。素人お断りの仲卸売場を青果、水産という総合的な品揃えで置いてしまおうという考え方です。

(座長)
今までのように、ブース毎に区切るのではなくて、もう少し品揃えをする卸のキャッシュアンドキャリーをイメージしていると思います。

(事務局)
仲卸の中には、お客である小売商がますます減少しているので、末端の消費者の方に、いい食材があるということを理解していただくためには、仲卸売場を開放して、そこで消費者に売れるようにした方がいいのではないかというご意見もあります。他の中央卸売市場では、土曜日の午前10時以降、一般消費者に開放しているようなことをしているところもございます。今後、一般消費者に販売する場所を市場外に限定するのか、あるいは、仲卸売場まで一般消費者を入れてしまうように考えるのかという議論をする必要があると思います。そのところを委員の方々はいかがお考えですか。

(委員)
市場は、業務筋を相手にするところで、あまり消費者に入ってきていただくよりは、業務関係と取引を行った方がいいと思います。魚食普及という意味で、市場が情報発信していくことは必要なことだと思っておりますが、仲卸売場や卸売場に一般の方々がたくさん入っていただくことがいいかどうかということは、別の問題と思っておりますので、そういうことは別の場所に設けるという意見を私は思っております。しかし、他の仲卸には、細かい商売をしている方もいらっしゃいますので、その方にとっては、素人に買われることと業務筋の1軒の寿司屋等が買う量は量的にも多いわけでもないですから、誰が来ても対応としては同じです。中でそういうことをやる必要があり、それが市場を理解していただくことであるという意見的にはかなりそういう方もいらっしゃいます。

(座長)
これは本当に分けたら、取引法上はだめだと思います。ですから、一つはロットで決めるということです。メトロでは、今でも個体では売らないで、箱売りをしています。箱売りをすれば、これは消費者も買ってもいいということです。ロットで区切っていくことが、世界の流れでありますから、その辺りも考えていかないと、できる限り集客を多くしておいた方がいいと思います。

(委員)
現実にそうならざるを得ないと思います。素人お断りにはなっているけれども、現実には、家族経営プラスアルファの仲卸もいらして、本当に小売的な荷姿と分量で、購入されるのを許している方もいらっしゃいます。そういう形で、今まで機能分化が進んできていたわけです。仲卸部門は、キャッシュアンドキャリー部門として、もう1度、今の青果と水産も含めて、仲卸売場の部門がこれでできるのがどうかということをよく議論してほしいと思います。
私はできないのではないかと思いますが、この部門は、もし、キャッシュアンドキャリー部門とするのであれば、卸も仲卸も関連事業者も小売や売参の方々もランジスのような売場として入れますし、いろいろなタイプの問屋市場部門があるという形に再編していくようなことに、事実上なってしまうのではないかと思います。むしろ、それを意識的に追求していく方が、危険も少ないし、分かりやすいと思います。
また、物流センター部門について、加工やデリバリー等は、市場外の資本のある方たちは、積極的に進めています。ここで必要なものは、中間卸のデリバリー、物流、加工施設の整備であると思います。しかし、スーパーがアウトソーシングで行っているような加工やデリバリーを取り込んで、築地が持つ必要はないと思います。議論してもしなくても、ますます増えていくと思います。今、流行のリパックやカットパーツ商品等の加工一般を取り込む努力は無謀だと思います。それは、産地やアウトソーシングでも行っていますし、一番効率のいい地価の安いところでいろいろな業者が行っています。自然とこういう市場できれば、周辺にこういうものができると思いますので、中に入れることはないのではないかと思います。

(事務局)
その時に、量販店のアウトソーシングを受けて行っている配送センターや冷蔵庫にプロセスセンターとパッケージセンターがついているようなものがたくさんできています。
こういうものを視察に行きました結果、これを持たないといけないという反応と築地という基幹市場、拠点市場というものは、こういう外にある諸々のセンターのスーパーセンターでいいのではないか、そこに素材をきちんと供給することをすればいいのであって、市場外流通のまねをすることはないのではないかという反応の2とおりの反応がございます。しかし、小規模のスーパーではロットが小さいために、市場外流通のセンターでは受けないので、そういう人たちのための部分は必要ではないかと思います。

(委員)
それは本質的な問題ではないと思います。やれるのであればやってみたらいいとは思います。ただし、市場外の業者から見ると、市場でできるのであれば、我々も安くていいから、税金で中でやってもらった方がいいと思いますし、そうであるものとそうでないものが、なぜそんなところまで整備しなければならないのかとというように納税者が思うような議論になりませんか。基本は、卸の市場との関連で、必要な加工施設であり、デリバリー施設であり、末端スーパーがアウトソーシングで要求しているような加工やデリバリー施設を取り込んでいくというのであれば、いろいろと問題が起こる面があると思います。
千客万来部門については、従来の関連事業者も含めて、小売は市場には当然、必要なものと認識されるかもしれませんが、いわゆる小売一般というのではなく、世界の食や世界の卸売市場等、見えるようなエキシビジョン機能みたいなものを持ったものや産地側のアンテナショップ的なニーズが今は高いわけです。ブランド化の商品開発の努力がどう見えるかというようなことを含めて、新製品開発や紹介等がここでは重要な機能とされるのではないかと思います。当然、見学、見物、エクスカーションなど学習施設のようなものは、別のデッキがあったりするのかもしれません。また直販であるが、求められている今の機能性との関係で小売、消費者にダイレクトに結びつく機能というのが、築地だけではなくて大事な問題であると思います。ですから、単に物を売ればいいんだと言うことではなくて、にぎわう部門というものが必要だと思います。

(事務局)
毎日のおかずを買いに来るような場所でもありませんので、それでは多分来ないと思うのですが。

(委員)
来ないというよりも、それでは納得されないと思います。しかし、これだけ人口が減少していますので、1万分の1の市民が来たとしても、日々相当な混雑になる可能性があるので、それはもう一つの部門として、きちんとした部門として位置づけるほうがいいと私は思います。それから品目区分の問題ですけれども、競り部門ではどうしても区分は必要になると思います。しかし、それ以外のキャッシュアンドキャリー部門や今後の問屋市場、ランジス的なものの専門街店的な部門について言えば、もうその区分はやめたほうがいいと思います。今、トラブルが起こるもとになる商品がいっぱい増えています。例えば鍋材料やパッキングしたものというのは農産物なのか、あるいは水産物なのかということや扱う手数料率が異なるものですから、出荷者側から見てもトラブルのもとになっているということがあります。そういう商品はこれからさらに出ると思います。生鮮でも、生鮮加工などという言葉が業界にはありますけれども、これはこういうものについていくという形で、プラスで受けとめるのであれば、その区分はもう少し考えたほうがいいと思います。

(座長)
あれは思い切って考えなかったから。中途半端にやってしまったからではないかと思います。それで1つ、流通センターの件ですけれども、私、築地でイメージしている流通センターはリージョナルセンターに近いものです。フロントセンターというのは、直接お店毎に荷をロットで積めますから、1つの段ボール箱はどのお店に行くか決まっているわけです。築地でやるべきことは、これをスーパーマーケットの流通センターに持っていくときに、流通センターで各店毎に分けないようにして、ここで店毎に分けていく。それをやればいいと思います。築地の役割は多分そうだと思います。その意味では、卸売機能対卸売部門、流通センター、まずそれを充実させることが築地の使命です。
それから、もし効率的にお店に回っていくことが必要であれば、これはスーパーマーケットで必要な物を近くのこの辺に置いて、それで共同してやるということも考えてみるということです。ですから、利益があればやってもいいのですが、築地の場合、まず考えるのはリージョナルタイプのセンターかという気がしています。しかし、競りは必要だと思いますが、もうそろそろ業種は取り払った見せ場を造った方がいいと思います。

(委員)
実際、扱いにくいからどうなっているかというと相対です料率が異なるため、出荷者からとると片一方は5.5で、片一方は高い野菜の方に持っていたりしていますから、これは相対しか取り扱いできないことになってしまったと思います。

(座長)
また手数料の問題が出ていますが、それは抜きにして、消費者にアソートメントでできる限り買いやすいようにしないと、これは結構弱みになります。せっかく品揃えがあるのに、これが買いにくくなったら大変な問題だと思います。

(委員)
それから、物流のシステムを取り込むという中で、トラックから降ろして、また積み込むというのは、一度おろして、地面に平面に並べてみないとこれは無理ですか。それが悪いと言っているわけではないのですが、そうではなくて、現在の取引の中で取引が成立しなければ困るわけですから、それが確かな方法で、なかなかそれが改善できないというものなのですか。どうもかなり速いスピードでクローズドな形で行ってしまい、もっと方向は変わるという感じなのか。もし必要であるならば、それはそういう部門が1つ、邪魔にならないようにして、機能として1つの閉鎖体系のような格好にしておかないといけないと思います。

(座長)
入ってきたときにストックしておいて、そこから今度は別な手押し車で持っていって売りに結びつけて、そこからトラックも来てやるということです。やはり車が動かないシステムを造らないとだめだと思います。

(事務局)
これは花ですけれども、アールスメールの場合は建物だけで48ヘクタールあります。中ではどのようになっているかというと、搬入ゾーンがあって、何でもそこに下ろしてしまうわけです。何を下ろしているのかというと、エクスポートタワーというのが別に道路を隔てた向こう側にあって、輸出向けの物や国内向けの物等、いろいろあります。そこで、1回全部下ろして、競りに持っていく物とそうでない物は、仕分けをして、そうでない物は、タワーへ1回持っていってしまいます。卸売場に1回移して、そこに並べて、競りが終わると買受人別にそこで全部仕分けをして、それを仲卸店舗へ持っていく、あるいは売買参加者が引き取るなどとそういうオペレーションをやっています。整然とやっていますが、そうするとハードウェアとして3倍要ると思います。1回全部搬入バースに下ろして、そのうちの何割はこちらへ、何割はこちらへとやります

(委員)
それは、手作業でやるのですか。

(事務局)
手作業ですけれども、全部フォークリフトでやっています。それを時間あたりの作業効率を上げて、短い形で入っていくというシステムもやっています。

(座長)
面積は、それでも要りますか。

(事務局)
ここで扱う物だけをここに下ろして、ここで扱わない物はトラックからおろさないで、そのままこちらへ行ってそこでおろすというようになれば、2つの建物を造ることができれば3倍要らないと思います。

(座長)
ですから、産地の方で競りや相対にして下さいというように、指定できるようになれば分けて出荷することはできないのですか。

(委員)
市場に送られてくる荷物は、エンドユーザーが決まっている物ではないのですか。一度ここへ来てエンドユーザーが決まるとAから来たのがこれだけあって、B、C、Dとあって、一応開いてみて、もう一度こちらから少しずつ出して、これがまた違うところへ行って、また異なるそろいで違うところへ行くというような、それは最初から決まっていないのですか。

(委員)
決まっているものもあります。また、大きな荷主さんですと、トラック1台仕立てられるようなところであれば、当然、東京まで走ってくる時間が、多いところは10時間、12時間あるわけですから、その間にファックスを流して、これはこう、これはこうと指示がきます。しかし、着いてファックスが来ないことには、どこへ何がというのがわからないというのも中にはあります。

(委員)
それこそSCMの力が必要だと思います。

(委員)
1つの荷主さんから出る荷物でも魚種は多様ですので、青果のようにミカンならミカン、白菜なら白菜というロットものが来ればいいんですけれども、入りの数も違いますし、目方も違います。

(委員)
混載されてきたものを、だれが、どの荷物を、どこに、何個デリバリーするかというそれをデリバリーする業者さんがまたいるということですか。

(委員)
そうです。また加工品などは、1個ずつ、行き先が10件というものも中にはあります。

(委員)
そういうことがますます激しさを増す傾向にないのですか。

(委員)
ここ3,4年で、その辺の傾向は強まりました。

(座長)
増えてきてもシステムを考えないで、そのまま早く送ってしまおうといって混載で送るということです。これはすごく輸送効率はいいのだけれども、今度は荷扱い効率がマイナスになってきます。

(委員)
取り扱う個数は少なくなりましたけれども、手間は昔に比べれば倍以上に増えています。

(委員)
産地側で送り出す時に、10トンまでの梱包単位にはならないから、それを持っていないと送れないというわけには行かないので送り返すわけです。それで、いろいろ運送会社が工面してくれて送り出します。そのデリバリーコストなり時間ロスを、そこでかなり吸収してくれていると思います。仕分けの機能がないとこれはパンクしてしまうわけです。

(事務職)
その辺は、混載で全部下ろさないと処理ができない車は、オペレーション費用として1台10万円いただきますと、方面別にきちんと積んであり、30分で処理ができる車は1万円のオペレーション費で結構ですというインセンティブでやるしか方法がないのではないかと思いますが。

(座長)
物流費の計算などいろいろ考えますと、収入をどう見積もるかにもよりますが、その辺が変わってくるということを前提とした方がいいと思います。
それからもう一点、予定と事実は異なるかもしれません。環境の変化がこれからますます激しくなる。ですから、その時に建物を比較的自由に取り壊しができるような柔軟性のある建物にしていくことが重要ではないのですか。立派な建物は造らないで、例えばここはいままで配送センターでありましたが、いろいろ考えたらここは今度売場にしようということが簡単に変われるような、何かそういう新しい建物の形態があってもいいのではないかと私は思います。

(事務局)
業界の皆さんの方では、例えば一般の方を含めて、仲卸売場で売ってしまおうという議論と、そうではなくて仲卸売場はクローズドであるという議論はありますか。また、青果を売っても、あまり一般消費者は買いに来ないのでしょうか。

(委員)
ロットの問題であると思います。

(委員)
ロットの決め方と、それから今おっしゃっているのは魚と一緒にやるということですか。

(委員)
現状の話は、ある程度一線を引くということになっていると思います。

(事務局)
物流の話ですけれども、青果の方の混載というのはそれほどはないわけです。水産ほどはないと思います。むしろ、20トン1台、ミカンを3日分持ってくるという話なのですか。それとも水産と同じように混載形態が増えてきて、1回全部出さないとオペレーションできないというものではないわけですか。

(委員)
混載で来ますけれども、水産とは大分異なると思います。

(事務局)
そうすると、基本的に青果の産地から来るトラックは全部卸売場に揚げ切れて、そこで受けきれる、そういうものばかりだということでよろしいのでしょうか。

(委員)
すべてということではないですけれども、水産はかなり異なると思います。

(事務局)
全然異なるということは、今のところ、物流のシステムやオペレーションシステムは、水産と青果で同じシステムにはならないということです。

(座長)
ですから、おそらく一定レベルまではかなり異なっているだろうと思います。ただ、販売のレベルで今後一体化することも、一応視野に入れておくという形になるのではないかと思います。

(委員)
ただ、場外で確かに、1カ所に荷物が来て、引き取りに行ってという部分はあります。ですから、そういう部分をどうするのかとかということは今後、当然話になりますし、それは今、話していることとある部分共通なことかもしれませんけれども、物量的なものが全然異なると思います。

(座長)
品揃えで、顧客に対する関連購買を少し促していくこと。それからもう一つは、物流で重要なのは、スーパーの流通センターで取り扱いやすいようなセンターをまず考えようということです。そうすると卸売市場で使った方が便利だということになるわけです。そういうことを考えることです。それからもう一つは、集客力を高めていくためには、消費者への販売も考慮に入れたものを考えざるを得ないことです。
それからもう一つは、専門店街をどう位置づけるのかということです。いわゆるキャッシュアンドキャリーと合わせた専門店街を造るのかの2つがあります。業務用の卸をやる部分と、そこから思い切って消費者も入れる部門と、一度分けた上で、専門店とくっつけるかということです。それから物流の効率化は、入ると出るのシステムを何かうまく考えるということが1つ重要な考え方として出てきます。

(委員)
そういう消費者のことで言いますと、事務局から投げかけられていますコストコやメトロのようなキャッシュアンドキャリーを市場でできるのかという、これはあまりにも酷な話で、しかもはじめから不可能なことを要求しているわけですから。

(委員)
しかし、「コストコやメトロのキャッシュアンドキャリーに対抗できるような新しい業態を作れるのか」というふうにしないと、対応しきれないと思います。

(座長)
むしろ、コストコやメトロは生鮮が弱いわけです。ですから、仲卸が、共同してこれをできるかどうかということです。

(委員)
そういう方法によると思います。

(座長)
ですから、仲卸にもいろいろありますので、仲卸もこういうキャッシュアンドキャリーをやっていき、小売部門に仲卸が出ていくやり方も随分あると思います。その時に重要なのは、品揃えを多様化するために、築地の仲卸は商品別に専門化され過ぎていますから、そこでうまく集団化して野菜の仲卸をやっていく。むしろこれは仲卸の問題かもしれません。

(委員)
今の市場の構造は扇形になっています。昔は、貨車が一番外側に入ってきて、そこで荷物を下ろして、当時は競りであったと思いますけれども、全部競りに下ろしたものを荷受から仲卸に搬入してきて、徐々に狭まってくるわけです。当時はその物流で良かったと思います。そういう自然な流れが当時からできているわけですから、新しい市場においては逆に考えて、今後は逆の扇形になると思います。荷物が入ってきて、細かく細分化して、引き取り業者も多くなります。スーパーでは行き先が決まっているわけですから、各店1台ぐらいで入ってきていますから、出口がより細分化されていくと思います。今と同じで入ったところから出ていく、出たところから入るという感じでは混乱してしまうと思いますので、出口がそのくらいあると言うことを見越しておかないと、中が混乱するだけだと思います。

(委員)
戦後でも隅田川の岸壁から揚げる時期もありましたし、貨車も入っていました。ですから扇形、アーチ型と言いますか、向こうから流れてくるようになっていたわけです。
しかし、その機能が失われたのは結構早い時期だと思います。どうして混乱が起こらないで、日々、毎日毎日のことなのに、よくできたと思っています。

(事務局)
今でもその方がいいという意見があります。

(委員)
ですから、それをもう少しプラス思考で、素人が考えると動線が絶対ショートして、輻輳してどうしようもないと思いますが、それでもうまくやっている動線の、ここの専門家集団の人たちが何か上手い具合に動いてやれているような感じがするのはなぜなのか、どうしてそうなっているか。むしろそれを意識的にやるシステムを造ればいいのではないかと思います。

(事務局)
今は非効率化です。

(委員)
人海戦術ですから。

(事務局)
その代わり、赤字業者が6割にもなってしまうわけです。そんなことをやるからもうからないわけです。

(委員)
一人当たりの取扱数量を考えたら非常に効率は悪いと思います。

(事務局)
ですから、最終の利益率が1%を切ってしまうわけです。

(委員)
大物業界、特殊物業界等、様々な業種の仲卸さんがいるわけです。卸は1台の車で行けばいいのだが、業界ごとの仲卸は全部やらなくてはならず、それを大手5社の卸が全部やるわけですから、非常に非効率になっています。

(座長)
共同して配送体系を作るという考え方はないのですか。

(委員)
現在はまだないですが、将来はやっていかなくてはならないと思います。

(座長)
一緒にいて何をするのですか。

(委員)
ですから、入口はある程度狭くてということになると、今の卸が、水産で言えば7社が極端に3社になれば、窓口が狭くなってこういう可能性が出てきます。また、仲卸も、今の950軒が極端として3分の1になれば当然そういう形にはなってきます。

(座長)
共同配送の提案はしていないのですか。それともしない方が儲かるのですか。

(委員)
もう今は完全に変わりました。今は共配をしないと生きていけないですから、その辺は変わってきています。ですから、ロットで動けば、ロットの単位が大きくなればなるほどコストは当然下がります。そのかわり人件費は一番かかります。

(座長)
転送用の積みかえについては、これを筑地の特長として、こういう場を設けることは難しいのですか。

(事務局)
私どもが言っていますのは、転送ターミナルと築地向けのオペレーションセンターと2つ造りたいと言うことです。

(座長)
2つ置いて、転送の物は転送のところに置いておいて、こちらに入ってきます。しかし、転送の物がある程度まとまったら持っていくということは、非効率といいますか、難しい面があると思います。

(事務局)
ところが、1回全部出さないと転送用と市場用に分けられないということですので、困っているわけです。ですから、そのことをやるのに3つ要ると思います。

(座長)
しかし、これからはインテリジェントタッグなどが出てきますから。

(委員)
物理的にトラックが混載できますから、1回整理しないといけないと思います。

(事務局)
ですから、単純にいえば、トラックの横にベルトコンベアーがありまして、荷にバーコードを張ってベルトコンベアーに乗せてしまいます。そこで、上に上がって、転送用、卸売場用とやってしまうということです。しかし、塩水に耐えられるそのような機械は今はありませんが。

(座長)
逆フォード効果です。つまり、川上の方から、自分の作業をできる限り楽にしようと考えがあって、押し込むわけです。そこで、最終的に末端のところで膨大な作業量が出てくるというシステムです。生産者も悪いとは思いますが。

(事務局)
悪いというよりも、物流コストの料金体系といいますか、負担区分等がきちんと明確にしていないことに原因があるようにも思いますが。

(座長)
要するに、生産が流通を考えないシステムです。ただし、卸売市場の内部としては物流の共同化をどうするのかということを考えざるを得ない問題だと思います。場合によっては、仕入れルートの共同化も積極的に考えていかざるを得ないかもしれません。

(委員)
また衛生という問題についてですが、水産の場合、産地市場などでは、今や補助事業の造り方でもHACCP型の産地市場でないと、もはや整備の名に値しないというようなことを言われています。生鮮の扱いは今のままでは、一度問題が起こったら取り返しがつかないという可能性がありますから、そういう意味で場内の物の流れのあらゆる段階において、レビュー可能なシステムを組み込んでしまうことが必要です。
ですから、消費地市場でどのような部門にも、全てのあらゆる部門に言われているHACCP型の管理システムを導入するとどうなるのかというような、コスト計算も含めて必要でないかと思います。また産地の場合、浜によって揚がってくる物は大体限られていますし、そうすると考える整備も大体わかってきます。ですから、こんなにあらゆる物が集合するところでどうするのかという問題です。フランスでは90年初期に、産地市場はかなりの部分、農林予算ではなくて厚生、衛生関係の予算措置でコンテナまで統一してしまっています。

(座長)
それがヨーロッパ全域に、今、普及過程に入っています。

(委員)
今のところに関連して、ISO9000番台や14000番台は絶対取る、あるいは場内は電気自動車で、ガソリンやディーゼルも走らせない、あるいは食品リサイクルの拠点を造るといった、何か旗印を揚げて、予算も国から取りつつやっていく必要があります。
やはり安全、衛生、環境という問題は、この問題に今、取り組んでいますという旗を高く掲げるほどいいと思いますが、それができるかどうか、10年後、どうなっているかわからない部分もありますけれども。

(座長)
やはり目標として、そういう物を揚げておくということは重要です。

(事務局)
ただし、衛生・品質管理について、食品そのものの安全性をどう保証するかという話は別のシステムだろうと思っております。衛生管理や品質管理に関しては、今のところ私ども業界の方々も、コールドチェーン対応、温度帯別で管理して商品を流すと、そういう考え方が中心です。それは全然、築地市場はできていないわけですから。
その時に、HACCPがそれになじむのか、あるいは切り身加工をするのか、マグロをブロックに下ろしたり、切るという製造工程の概念だろうと思います。ですから、鮮魚を氷詰めにして右から左へ運んでいる物そのものに、HACCPという概念を当てはめることが成り立つかどうかという議論もありまして、その部分も含めてコールドチェーン対応という考え方ではおります。
一番問題なのは、駐車場での荷積みはしないということは、常温化にさらして駐車場へ持っていって積むことをやめ、全部温度管理をされた、コントロールをされた建物の中で荷物を捌いて、買出人の車に積むときはドッグシェルターをあけて、そこで積みましょうということです。ただし、それをすると、ランニングコストがかかり、四季を持つ日本で、真冬も温度管理するのですかという問題もあります。食品の安全保障や品質管理、衛生管理をきちんとするためにはコストはかかってきます。では、その資金はどこから捻出するのかということですが、これはビジネスの話で、東京都は出せないわけです。そうしますと、今の収益構造、費用構造を全部見直して、物流コストを下げて、こちらにお金がかかる以上、今、かけている無駄なコストを徹底的に切り詰めて、こちらの原資にしないといけない構造になっていくしかないだろうと思っています。

(委員)
みんなそんなこと言われなくても、自社でクーラーを買ってきて、扇風機を回したりということも含め、個々で対応しているわけです。そうではなくて、全部トータルとして考えていくべきではないのでしょうか。

(座長)
共同化です。

(委員)
そういうメリットが出てこないのかどうかということです。北海道では、暖房において完全に出ることがわかっています。今はいろんな技術が出てきてやれるということがありまして、北海道の場合、逆に凍結防止のために冷蔵庫が必要でして、それはまた別のコストが出るのですが、地域冷暖房みたいなものをやりつつあります。

(座長)
建物を造る時に個々に独立して何か施設をつくっていくことを前提としたら絶対にコストは高くつきます。ですから、建物やコストを安くする中で、卸売市場を政府がサポートして何らかの社会性を帯びる時に重要なのは、集団化の強制はやらざるを得ないと思います。そうしないと、ほとんど個別企業という意味がないということが第1点です。
第2点は、これからは衛生や健康というのは個別企業は負担していくことです。ただし、それを負担しつつ、より効果を上げていかないと社会性がなくなるわけでしょう。それは何らかの共同化の中でやっていくということは、重要ではないかと思います。

(事務局)
その辺は、青果市場を幾つも造ってきていますから、築地の青果の仲卸も仲卸売場の冷房をどうするかという話がありまして、共同冷房、要するに全館一括空調でやるか、あるいは各店毎にクーラーをつけて、室外機でやるかという話があり、今は各店毎に室外機を付けてやっています。そうすると、その排気でかえって温度が高くなっているわけです。
ところが、大田では、大屋根がありますから、そこは自然換気でしておいて、個々のテナント毎に個別冷房で行こうという話になっていますので、そこは過去の例から計算はできるだろうと思っております。
ただし、水産に関しては、仲卸の方は今、何もこういった設備が入っていませんから、何も入っていないコストゼロの人たちに何らかのコストはかかりますという話になりますと、ベースが異なります。しかし、その辺はやらざるを得ないだろうと思っております。

(座長)
しかし、卸売市場全体としてもそういうコストは負担せざるを得ないですし、場合によっては個別企業の受益者負担の考え方を持たざるを得ないかもしれません。

(事務局)
現在、冷房に関しては個別負担、受益者負担の原則で、ご自身でやっていただくということやっていますから。

(座長)
しかし、共同でできるものは共同でやって負担金を安くしてもらうというような組み合わせを考えた方がいいと思います。

(委員)
個別にやって、その排気熱で逆効果ということは卸売市場では絶対にやるべきではないことですから、そこは都のイニシアチブで何か共同でやらなければならないと思います。

(事務局)
実は、そこが一番頭が痛い問題です。ランニングコストにおいて、安全性、衛生、品質といった今まで市場としてかけなくてもすんでいたコストが、これからは要求されてきます。

(座長)
これは市場だけではなくて、すべてのことに要求されますから、それをいかに効率的に、他よりも優れた社会的な使命としてやるかということが問題です。

(事務局)
しかし、基本的に鮮魚では、氷詰めで流すのが一番いいのではないかというところはないですか。

(委員)
夏場の暑いときだけは何かあった方がいいとは思いますけれども、ただ流れが異なりますし、ふたも開けないで右から左に動いてしまう物が多いですから、低温化といっても夏場の一時期だけ何とかした方がいいかという程度の考え方です。また商品によっては非常に難しい物もあります。

(座長)
その辺は、商品毎にこれからきちんと分析してみる必要はあるかもしれません。

(委員)
コールドチェーンが維持できるかどうかですから、建物を冷やすかどうかの問題ではないと思います。それぞれのケース毎にコールドチェーンの維持の方法を考えることが重要です。

(委員)
それぞれのレベルがありますから、ただ箱が流れているみたいな商売と、実際に魚が下ろされるような商売等全然タイプが違いますから、同じ衛生と行っても概念が異なると思います。そのところを合わせていくことは非常に難しいのではないかと思います。
市場全体が、大規模物流を取り入れることは必要だと思っていますけれども、現状の多彩のニーズという物は確実に持っていけるようなコンセプトを、今回で決まるわけではないですけれども、これから考えていきたいと思っています。

(座長)
委員の皆さん、何か言い残したことないでしょうか。それでは、これで今日のところは終わりにしたいと思います。

2.第11回懇談会の開催について

事務局より次回の懇談会内容と開催日程について各委員に説明

午後3時25分 閉会

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