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第10回新市場建設協議会議事録

平成16年7月21日(水)13:00~13:50
築地市場講堂

(森本幹事)
ただいま委員15名中13人の出席を確認いたしましたので、これより第10回新市場建設協議会を開催いたします。
会議に先立ちまして委員の交代をお知らせいたします。前東京都水産物卸売業者協会会長・関本幸也委員にかわりまして、伊藤裕康氏が委員に就任されましたのでご紹介いたします。東京都水産物卸売業者協会会長の伊藤裕康委員でございます。

(伊藤(裕)委員)
伊藤でございます。

(森本幹事)
それでは早速でございますが、開催に当たりまして、森澤会長より一言ごあいさつがございます。
会長、よろしくお願いします。

(あいさつ)

(森澤会長)
それでは私が進行役で、早速会議を進めさせていただきます。
まず、本日の協議会の議題といたしまして、2点ございます。お手元に配付の資料のとおり、1つ目は「豊洲新市場基本計画(案)」について、2つ目は「今後の検討体制について」でございます。これらの議題につきましてあわせて説明をいただき、質疑を行いたいと存じます。
それでは、事務局から御説明をお願いいたします。

(日比谷幹事)
基本計画について御説明させていただきます。
資料1「基本計画の概要と基本計画(案)」をお手元に配付させていただいております。この基本計画については7月1日の懇談会で、懇談会で行った協議の主要なまとめを確認させていただきました。
そのまとめを基本といたしまして、基本計画(案)として取りまとめたものでございますので、今回はこの計画に沿いまして、ポイントで説明させていただきたいと思っております。
まず、基本計画の方で御説明させていただきます。
表紙をお開きいただきたいと思います。「はじめに」でございますが、基本計画の性格及び今後の進め方ということで、この「はじめに」をまとめさせていただいております。
基本計画の性格といたしましては、基本的には民間活力を積極的に導入する手法を採用して、公共と民間が一体となって進めるための基本的枠組みを、今回の基本計画で定めさせていただきました。
また、今後の進め方でございますけれども、東京都環境影響評価条例に基づきまして、計画段階で環境影響評価の手続を経て、新市場建設に向けて公共と民間が共同して、より具体的な実施計画を策定していくということで、初めに記載してございます。
次のA3の資料を、お開きいただきたいと思います。新市場のイメージでございますけれども、これにつきましては本計画に記載されている事項のあらましをわかりやすくまとめまして、新市場を一般の方々にもイメージしていただくという目的のために、ここに掲載させていただいてございます。後でごらんいただければと思います。
1ページからお開きいただきたいと思います。まず、第1章「新市場の整備にあたって」でございます。この「整備にあたって」は1ページから7ページまでの記載でございます。
1ページから5ページまで、「新市場を取り巻く環境」といたしまして、一般小売店の減少傾向であるとか、ライフスタイルの多様化であるとか、食の安全・安心の確保が強く求められていることなど、市場を取り巻く環境の変化を記載してございます。
次に6ページから7ページでございますが、ここには「新市場の果たすべき機能」といたしまして、「首都圏のハブ機能の充実」、「効率的な流通システムの構築」、「安全・安心の市場づくり」、「顧客サービスの充実」、「環境への配慮」、「にぎわいの創出などまちづくりへの貢献」、6つの機能を新市場の果たす機能としてまとめてございます。
次に、第2章でございます。これは8ページから54ページにわたりまして、「基本計画」の内容の記載をしてございます。
この「基本計画」の内容につきましては、大小でまとめました新市場が果たすべき機能を発揮していくための施設計画や、個別システムの方向性などについて記載をしているものでございます。
まず、8ページから18ページまで、「施設計画」についてでございます。8ページ、9ページにつきましては、建設予定地の周辺環境、立地特性などをまとめてございます。
それから10ページ、「ゾーニング」でございます。今回、懇談会で取りまとめさせていただきましたゾーニングでございますが、5街区を青果部卸・仲卸、6街区を水産物部卸、7街区を水産物部仲卸の各機能を配置することを基本としております。
次に、飛びますが13ページをお開きいただきたいと思います。13ページには、市場流通とにぎわいの機能の関連に着目した3つの施設計画案を記載してございますが、先ほど申し上げましたが、この案をもとに、東京都環境影響評価条例に基づく計画段階影響評価の手続を経て、幅広い視野から検討を進めて、施設計画を策定していくこととしております。
14ページから18ページは「施設規模」についてでございます。まず、14ページから16ページまでごらんいただきたいと思います。ここにつきましては、施設規模の前提となる新市場の物流量について記載をしてございます。この物流量につきましては、過去の取り扱いの推移や首都における将来の人口と食料需要を考慮した上で、将来の取扱量の増減であるとか、物流の増減の要素を総合的に勘案して推定してございます。
その結果でございますけれども、現状とほぼ同程度の水産物部では2900t、青果部では1300tという形で物流量を推計したものでございます。
18ページをお開きいただきたいと思います。この物流量を基本といたしまして、主要施設等につきまして算定をしたものでございます。その結果でございますけれども、施設規模の総枠といたしまして、39万4000平米を新たな施設の規模の枠として、今回設定をしてございます。
また、この新しい施設の中には、ここで主要な対象施設ということで四角で囲ってございますけれども、新市場では拠点市場としての機能を果たすための転配送センター、それから大口取引等に対応するための荷さばきスペース、顧客ニーズに対応するための加工パッケージ施設などの新設・充実を図ることとしてございます。
また、この施設につきましては、各施設の施設規模、施設配置につきましては、今後、民間事業者の建築計画などを踏まえて、具体化を図ることとしております。
またさらに、市場制度の改革や市場業界の取り組み等により、新市場で取り扱う物流量が著しく変化した場合には、取扱規模について弾力的な対応を行うことにしてございます。
それから19ページから31ページまで、「効率的な流通システム」でございます。この効率的な流通システムにつきましては、一貫した流通システムの効率、確立ということで、首都圏のハブ機能の強化のための転配送センターの新設、それから取り引きの多様化に対応する新たな荷さばきスペースの設置、また物流システムの効率化といたしまして、場内搬送体制の一元化・共同化、自動搬送装置の導入、搬入・搬出のバース方式を導入するというようなことを記載してまとめさせていただいてございます。
25ページは、新市場の物流システムをイメージ化したものでございますので、ごらんいただければと思います。
27ページから31ページは、「流通を支える情報システム」でございます。新市場におきましは、流通システムの核である車両誘導・駐車場管理システム、物流管理、商取引を中心に情報システムを整備するという形でまとめさせていただいてございます。
なお、このシステムごとの整備主体につきましては、車両誘導・駐車場管理システムは開設者が主体となって行う。それから物流管理、商取引については、市場業者が主体となって整備をするという形でまとめさせていただいております。
31ページでございますが、これは車両誘導・駐車場管理システムのイメージでございます。ごらんいただければと思います。
33ページから35ページにかけましては、「安全・安心の市場づくり」ということでまとめてございます。新市場におきましては、消費者の信頼にこたえて市場の競争力の強化を図るために、HACCP的視点に立った施設整備や体制づくりを行うこととしております。
そのために、閉鎖型施設の整備、さらに商品特性に応じた適切な温度管理のできる施設整備、また情報システムを整備いたしまして、トレーサビリティ・システムの確立などを図ることを記載してございます。
36ページから40ページにかけましては、「顧客サービスの充実」ということでまとめをさせていただいてございます。1つには、新市場を顧客にとって魅力のあるものとするために、買い回りしやすい動線の確保など、顧客にとって利用しやすい市場づくりを行いますということ。
さらには、新市場の付加価値機能として、加工・パッケージ施設の整備、また冷蔵庫、定温倉庫の整備について、その機能のあり方などを記載してございます。ごらんいただければと思います。
次に、41ページから48ページで「環境への配慮」でございます。環境対策といたしまして、41ページから43ページにかけましては、いわゆる排気ガス対策について記載をしてございます。アイドリング・ストップの徹底や、場内搬送車両の削減、全車両の無公害化、船舶の活用など、排気ガス対策について記載をさせていただいてございます。
44ページから46ページにかけましては、「地域環境への配慮」といたしまして、周辺の騒音や振動の遮断、屋上緑化など地域環境に配慮した市場づくりを行うということ。さらに、省資源、省エネルギー対策の実施について記載をしてございます。
46ページからは、生ごみなど、市場から出る廃棄物についての具体的対策を記載してございます。
なお、新市場におきましては、東京都スーパーエコタウン事業者を初めとするエネルギー事業者等と連携を図って、リサイクル率の向上を図っていくということでまとめさせていただいてございます。
次に、49ページから51ページにかけまして、「景観への配慮」ということで記載をさせていただいてございます。まず、新市場につきましては、都市景観に配慮した魅力ある市場とするために、都民の憩いや景観などを臨む水際線の整備や、積極的な屋上緑化、道路境界の緑化などの推進を行うとさせていただいてございます。
51ページでございますが、これら景観の配慮につきまして図式化したものでございますので、ごらんいただければと思います。
次に、52ページ「千客万来の市場づくり」でございますが、これは先ほどのゾーンのところにございましたが、市場ならではのにぎわいを創出するということで、千客万来の市場づくりを目指していくということでございます。
千客万来の開発に当たりましては、食の文化の継承、都民・消費者に『憩いと安らぎの場』の提供、「東京の新しい観光拠点」、食に関する情報の受発信機能を持たせることで、市場業者等の活性化を図ることを基本的な考え方として、開発を進めていきたいと考えてございます。
なお、この開発につきましては、民間活力の導入によって行うこととしてございます。
次に、54ページから56ページにかけて、「民間活力の導入」でございます。新市場の整備に当たりましては、限られた財源を有効に配分して市場の活性化を図るため、民間活力を積極的に導入することとしております。導入手法としてPFI方式、市場用地貸付制度について民間活力を導入していくこと。
なお、市場用地貸付制度につきましては、56ページの表に記載してございますが、転配送センターから通勤車両用駐車場の施設につきまして、市場用地貸付制度を適用して整備を行っていく。
なお、卸売場、仲卸売場等の基幹施設につきましては、PFI方式の導入について、今後検討を進めてまいるという形でまとめさせていただいてございます。
次に57ページ、「事業の財政フレーム」でございますが、まず、市場財政の考え方といたしまして、新市場の運営に当たっては、独自の財政収支計画に基づき、健全な財政運営を確保すること。
今後、事業内容や経費等について検討して、新しい使用料体系を明らかにすること。
さらに、事業費の枠でございますが、建設工事費として、民間事業者が整備主体となる分も含め、おおむね1300億円と計算をさせていただいております。
なお、この建設工事費につきましては、民間事業者による建設計画を踏まえて、今後なお精査をすることとしてございます。
最後の章になりますが、58ページ、「新市場整備スケジュール」でございます。先ほど「はじめに」のところでも申し上げましたけれども、今後16年、基本計画公表後から実施計画の策定に取り組むと。今後取り組む実施計画につきましては、各施設の規模、配置、物流システム、安全・安心のシステムなど、個別項目ごとに計画が確定していくものと考えております。
なお、実施計画、建設工事、会場のスケジュールについては、基本構想で公表させていただいた内容と変更はございません。
次に参考でございますけれども、これまでお取りまとめをいただきました期間といたしまして、建設協議会の協議経過、それから懇談会の検討経過、7月1日まで19回でございますが、それぞれの検討経過について参考としてまとめさせていただいております。
なお、今回基本計画ということで、大分一般都民の方も御関心があると思われます。そういう意味で今回、なるべく皆さんにわかりやすくということで、用語集を後ろにつけさせていただいてございます。
雑駁でございますが、基本計画につきましては以上、御説明を終わらせていただきます。

(森澤会長)
引き続き、今後の検討体制も一括でお願いします。

(日比谷幹事)
続きまして、今後の検討体制につきまして御説明を申し上げたいと思います。A3の資料3をごらんいただきたいと思います。
これまで基本計画の策定に当たりまして、先ほど参考のところでもお話し申し上げましたように、基本計画の策定の懇談会を開いておりました。その上位機関として、新市場建設協議会がございました。
今回、実施計画を策定するに当たりまして、新市場の基本計画懇談会を、「新市場実施計画懇談会」という形で名称を改称させていただいて、その下に検討会として、物流、衛生管理、情報化、廃棄物対策、加工・パッケージ、冷蔵庫を設置いたします。
物流と衛生管理については、それぞれ水産と青果と分けて8つの検討会を業界の皆様と一緒に、施設規模や配置、個別システム等のあり方について具体的な検討を行っていただく。
この検討を行っていただいた内容につきまして、新市場実施計画懇談会で協議をいただきまして、協議の内容を新市場建設協議会に意見具申をするという形で、実施計画の策定を進めさせていただければと思っております。
なお、これから新市場建設をつくるに当たりまして、これら以外の市場業者のあり方、民間活力の活用、使用料、施設の規模、配置につきましても、トータルで協議をする必要がございます。それらにつきましては、この懇談会を活用して協議を進めさせていただければと考えてございます。
それから、新市場実施計画懇談会でございますが、今まで基本計画懇談会は各業界の代表の方ということで、委員を3名という形で御推薦をいただいておりましたけれども、検討会を相当回数やっていく必要もあるだろうということでございまして、この懇談会の委員の人数につきましては、各業界団体ごとで推薦された業界委員という形になっておりますので、検討会の委員等と整合を図りながら、また各業界の皆様に、委員の御推薦は改めてお願いしたいと思っております。
以上、検討体制についてでございます。

(森澤会長)
ただいま「豊洲新市場基本計画(案)」と、「今後の検討体制について」説明がありました。早速御協議をいただきたいと思いますが、何か御質問や御意見がありましたら御発言をお願いしたいと思います。

(伊藤(裕)委員)
幾つか意見、その他あります。まず、取扱量についてでございますが、冒頭に書いてございますように、ハブ機能とか、あるいは顧客サービスの充実といったプラス的な要素が加味されていった場合には、施設規模はさらに拡大されることが考えられます。
したがいまして、将来の増設用地を考慮した施設規模、配置を御考慮いただきたいと思います。
やたらに拡大だけを考えて施設をつくったのでは、維持管理経費等がかなり増嵩いたしますので、その辺もよく検討の上、そうした将来のことも考えてやっていただきたい。
それから2番目は、ゾーニングのことでございますが、10ページの下の表でございますね。ここでは6街区、7街区が水産の卸と仲卸が上と下に配置してございますけれども、実はこの場所は逆コの字型の土地になっておるものでございますから、使い方をかなり工夫しなければならないと思うのですね。
したがいまして、これらについては水産の総合的な、効率的な物流を考えていくということで、原則はこうであっても、かなり固定した概念にとらわれないで、6、7街区を一体としてとらえた施設配置を検討すべきであろうと思います。
それから3番目ですが、この新市場における施設というのは、あくまでも効率的な流通、物流が最大の目標だと思うのです。したがって、ただ単に建物を大きくつくるということだけではなくて、全体的な効率的な物の流れ方、動き方が一番大事だと思いますので、その点の配慮をこれからの設計に当たって、十分に御配慮いただきたいと思います。
それからもう1つは、安全・安心のことを考えて、例えば全館空調施設であるとか、維持管理に対する経費であるとか、情報化に対する経費であるとか、いろんな点でかなり費用が増嵩することが考えられます。
しかしながら、私どもの施設使用料等の負担が増加することのないように、ここでも何回もお話しございましたけれども、PFI、あるいは民間資金の活用など、そういった整備方法も十分に活用されて、過大な設備投資を抑制するようにお願いしたいのでございます。
それから第4点でございますが、私どもこの土地の利用について、特に水産関係としましては、315号線からの出入り口を、今のプランですと正門が1カ所となっているだけでございますけれども、南西端から6、6街区へ出入りする道路を御検討願えないか。これをぜひつけていただきたい。
そうしないと、物の動きが詰まってしまうことをおそれております。
おおむね、以上が意見でございます。

(井戸委員)
ただいま5点ほど、伊藤(裕)委員から御意見等がございました。
1点目の計画の取扱量でございますけれども、基本的には将来のこととか、あるいは現状を踏まえて、施設規模を算定するための取扱量につきましては、現状規模でやっていくような想定を行いました。それが今後とも、24年度目途としては妥当な数量ではないかと考えてございます。
しかしながら、将来、拠点市場としての機能が急激に伸びてくるとか、新市場としての効果ですとか、あるいは市場改革に伴いまして、新市場の位置づけが急に高くなるという部分がございます。
そういったことを踏まえまして、将来の増設用地に関しましては開設者としても重要なファクターだと思っています。
17ページの中段の文言でございますが、基本的には将来の増設用地等を考慮して、また文言でいきますと、「市場制度の改革ですとか市場業界の再編等により、新市場で取り扱う物流量等が著しく変化した場合には、施設規模について、弾力的な対応を行う」といったようなことで、現在の設計の中でも、そういったような増設事業を考慮したような設計をするように、検討を進めたいと思っております。
2点目はゾーニングでございます。10ページでございますけれども、伊藤(裕)委員がおっしゃいましたように、流通ゾーンにつきましては逆コの字型でございますので、その中で卸売場、仲卸売場をどんなふうに確保するのかという点がございます。
ただ、基本的にはずっと懇談会の中で議論しまして、桟橋等もありますし、全体の交通量の5街区、6街区、7街区の方で分散等考慮すると、6街区が水産の卸、7街区が仲卸が基本的なものだと思っています。
ただ、実際の施設の配置につきましては、卸、水産、仲卸の部分に関しての、具体の個別の配置について十分に検討して、使い勝手のいい施設をつくりたいと思っております。
また、この基本的な配置につきましては、基本はこうでございますけれども、青果、水産両方とも個別の枠組みを設定したというよりは、ある程度弾力的に考えていって、ある程度流通環境の変化に対応できるような機能的な配置を、今後検討していきたいと思っております。3番目でございます。全体としての流れにつきまして、効率的な物流を考えてほしいということでございますので、当然これにつきましても、今後の施設配置等の部分も踏まえまして、全体の流れとして効率的な物流に関して協議していきたいと思っております。
4番目の安全・安心でございますけれども、基本的には市場の取扱いに関しまして、今後の流れを考えますと、安全・安心を担保できるような施設でないと、将来的な立ち行きが成り立たないと思っております。基本的にはこれが大原則だと思っております。
しかしながら、設備とか、あるいは施設に関しましては、当然効率的なものとして考えていきたいと思っております。当然、過大な設備投資に関しては抑制すべきだと思っています。
ただ、原理・原則としましては、安全・安心な部分を前面に押し出していきませんと、今後の仕事としては成り立っていかないと思っております。
5番目の土地の利用でございます。これにつきましては、松村委員からお答えします。

(松村委員)
出入口の件でございますけれども、市場としての機能の面での取りやすさということもまずありますが、それと同時に、道路そのものの幹線道路としての性格、あるいは道路の構造、高さ関係だとか、そういうようなものから、現在の位置が、今までお示ししていた位置ならば何とか確保ができると思っておりまして、それで今までも計画しておりましたし、今後も計画していきたいと思います。
ただ、それ以外のところにも、ぜひ、ここからとりたいというところがあれば、これは今後の検討課題として取り組んでいきたい。今までの形の出入口が今後約束できる入り口で、それを前提に計画をしてまいりますけれども、今後そういう可能性があるところがあれば、それはそれで検討していきたい。
ただ、これは市場だけで実現できる問題ではございませんで、全体の土地利用の問題でありますとか、全体のところの構造の問題でありますとか、幹線道路としての交通量の問題でありますとか、そういう道路側の事情でどうしても縛られてまいりますので、我々の方の意向だけでは決まりませんですけれども、そういう意向がうちの方があれば、それをもとに今後の検討課題としていきたいと思います。

(伊藤(裕)委員)
今の道路の問題でございますが、いろんな制約があると思うんですが、私どもとしては市場の立場で、市場内の物流、それから外への出入りがうまくいかないと、中でもって止まってしまう。要するに、我々は生鮮食品ですからスピードが一番大事なのですよね。そういう点で、出入口が極めて大事だと思います。これら、さらに前向きに御検討いただきたいと思います。

(森澤会長)
今の発言、前向きに検討はいたします。ただ、入り口を複数つくると、今回のこの計画案にもありますように、入退場の管理が二重にならなくちゃいけないとかいろいろあるかと思います。また、構造的なものもあるかと思いますので、今言いましたように、今後、検討課題として十分に協議しながら、納得のいくような形で決定をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

(伊藤(宏)委員)
今、伊藤委員がおっしゃったとおり、ゾーニングについては私も全く同意見でございます。ですから、今後流通ゾーン、卸、仲卸と、今ここで10ページには区別がついています。
今後の6、7街区の使い方についてはあまりとらわれずに、ユーティリティーに使えるようなゾーンを考えていただきたいというのが1点。
それから、今の動線の問題は、出入口についてはかなり制約がされているみたいですね。ですから、「ゾーニングをある程度認識するときにも、出入口の交通量のさばき方によっても、ほぼゾーンは決まっちゃいますね」という発言をしたことがあるんですけれども、そういう制約された中での市場用地ですから、入った後の市場をめぐる動線は第一優先に考えていただいて、これをまずスムーズに動く、流れる構造を第一に考えていただきたいと思います。
それから、環境の部分で、桟橋のところに緑地帯が非常に目立つ計画になっているようですが、やはり景観は景観として、市場機能を第一に考えていただかないと、それによって本来機能が阻害されるようでは、ちょっとまずいかなという気がしております。
例えば、環境のところの解説の中で、43ページの(ウ)桟橋形状等は、歩行者等の動線を阻害しないようにということに注意を払っておられるようですけれども、逆に私は、物流の動線を阻害しないように環境整備をやっていただきたい。あくまでもここは市場だということ。
それから、今回の豊洲新市場の大きな目玉の一つが海上輸送にあったと思うのですね。ですから、今の築地程度の海上輸送を想定するのではなくて、将来につながるような海上輸送を考えるならば、この桟橋の利用が市場内とのアクセスが非常に悪いような気がしてならないのですね。
確かに景観も大事ですが、そういった点も今後十分に注意をして、各論に入っていただきたいと思います。

(井戸委員)
今、3点ほど御意見がございました。1点目は、先ほどの意見と同じように、ゾーニングについての話でございました。確かに、水産物部につきましては逆コの字型でございますので、そういったような卸、仲卸さんの方の個々の施設配置については、十分に検討はいたします。
またあわせて、5街区が青果部でございますので、青果さんとの関係についても十分に討論をしなきゃいけないと、従前から考えてきておりますので、それについては引き続きそういったようなことを総合的に勘案していきながら、具体の所在地について検討していきたいと思っております。
2点目の動線の出入りにつきましては、入ったときの大きな動線、流れを大重点として、それを踏まえていきながら、個々の施設への枝動線を考えたいと思っております。
3つ目の環境と流通機能との関係でございますけれども、これは難しい部分がございます。ただ、おっしゃるように、物流の施設でございますので、それを殺してしまってはどうにもなりませんし、また環境に関しても十分配慮していかなきゃいけない地域でございますので、それについてはどういうふうに調和をさせていくのかについて十分に検討していきます。
最後に桟橋につきましては、今後の物の流れの中で、車の台数を減らすという観点からも重要なファクターでございますので、これにつきましては開設者、卸さん等とも協力いたしまして、青果、水産合わせた水運の物流量の確保について、逆に努めなきゃいけないと思っております。

(小俣委員)
確認というか、教えていただきたいのですけれども、今後の検討体制についての案はお示しいただいて、これについては、従来からこの方向でいこうということの行政と業界とのコンセンサスは得ていると思うんですが、前々から私も何回かお願いしているんですが、今後の新市場の目玉と言っていいか新機軸になると思いますが、千客万来ですね、これについて、検討のことが何ら触れてないんですよね。
前のコメントでは、専門家、いろいろ意見を聞いて、その案をたたき台として検討していくというふうに受けとめておるのですけれども、それならそれとして、何らかの形で検討のことについて触れていただかないと、この問題についてはなおざりにされちゃうのかという心配といいますか、関係者にとっては心配の種になるんじゃないかと思いますので、何らかの形の、これも同時並行的に検討していくんだということについて、ちょっとでも触れられておいた方が、全体のバランスがとれてよろしいんじゃないかという気がしますので、念のために申し上げておきます。

(井戸委員)
千客万来につきましては、本文の52、53ページということで、千客万来についての考え方ですとか、あるいは開発スケジュールをお示ししております。その中で、当面は開発状況の調査ということで、実際に事業の採算性を含めた調査をやっていかないと、基本的にそこにある全体の像が見えて来ないだろうということで、基本的なベースになってきますので、今実際やっております検討体制の中身からは外してございます。
ただ、中身としては小俣委員がおっしゃいましたように、重要な部分でございますので、適宜、実施計画のこういう段階の中で調査の状況ですとか、あるいは考え方について御協議していきたいと思っております。

(森澤会長)
何かこれに触れておくという手はあるかもしれないですよね。いずれ検討する課題であるという形を、明確に出しておくことは必要かもしれない。
今の件につきましては、今後の実施計画をどういうふうに検討していくかという方法論にもつながると思うのですけれども、先ほどの本文の58ページに整備スケジュールが出ていますが、実施計画を検討している間に、同時並行して基本設計に部分的に入るもの、また環境アセスはほぼ基本計画が出て、実施計画とほぼ同時に環境アセスの手続があります。また、都市計画手続も入ってくるということで、できるところからどんどん進めていくという状況になっております。
したがいまして、実施計画という形で全体がまとまったものを、1年後にまた、基本計画みたいに出すかどうかという形には、多分ならないのじゃないかと思っています。
そういう意味で、実施計画は今後、新市場整備に関するあらゆる事項について個別に検討していく形になりますので、そういう意味でも、ここに項目的には入れておいた方が確かにいいかもしれませんので、今の意見踏まえて、ちょっと検討させていただきたいと思います。

(鰍沢委員)
食の安全・安心というのは今日的なテーマでございますので、新市場の一つの大きな柱として推進をしていっていただきたいと思っています。
33ページ以降、「安全・安心の市場づくり」で書かれていることは、至極当たり前のことであって、現状の中で実施できないところを今後の市場づくりに向けた視点として書かれていることでございますので、これについては積極的に推進をしていただきたいと思っています。先ほど、過大な設備投資云々というようなお話がありましたけれども、いたずらに経費が増加することが目的ではないわけですが、費用というものを考えたつくり方だとか、そういったものを考えた上でこういうことが満足できるように、さらに具体的に計画を練っていっていただきたいと、意見として思っております。

(井戸委員)
基本的に食の安全・安心の確保につきましては、都民のみならず国民全体の重要な関心事でございますので、それを踏まえまして、なおかつ効率的な施設整備を始めていくという視点でいきたいと思っております。

(森澤会長)
建設工事費もおおむね1300億と示していますけれども、この建設費が増高しますと使用料に跳ね返るとかいろいろ出てきますので、我々はこの1300億というのを上限だと思っていまして、これをいかに下げていくかというのが、今後のいろんな検討になろうかと思います。
ただ、今言いましたような、安全・安心のための問題、あるいは効率的な物流を実現するために、何を優先していくかというのがこれからの課題になろうかと思いますので、いかに経費をかけずにいい市場をつくっていくかということを、この実施計画の中で協議をしていきたいと思っております。

(伊藤(宏)委員)
施設使用料の問題に絡んでのことですけれども、基本計画が策定、承認された以降、例えば廃棄物処理によるエネルギーを、例えば閉鎖型の施設の中の空調その他に利用するとか、前にもちょっと申し上げましたが、市場の中の空き施設、あるいはにぎわいゾーン等から市場としての収入を上げるような行為、そういったものをトータルして市場会計を少しでも緩めていってもらう。すべて施設使用料、使用する者にその負荷が全部回ってきてしまうということを避けていただきたいという発言をしたことがあるのですけれども、今回の基本計画の中には、それについての具体的な記述はないような気がいたしますが、今後例えば実施計画等の検討の中で、そんなことを発言する余地はまだ十分にあると考えてよろしいんでしょうか。

(井戸委員)
57ページに「事業の財政フレーム」というページがございまして、その中で、基本的に新市場につきましては、24年度にでき上がってからも、50年、100年と続いて、首都圏における基幹市場として適切に対応していくためには、財政基盤といったものをちゃんと工夫していかなければいけないと思っております。
そのために、健全な財政運営をしっかりとすることは重要だと思っておりまして、今の段階から、どれだけの経費がかかって、逆にどれだけの収入の確保ができるのかとか、そういったものを多角的に検討していく必要があると考えております。
それで、57ページの1の「市場財政の考え方」の中で、「新市場の運営にあたっては、多角的な経費の削減ですとか収入の確保に努めて、独自の財政収支計画に基づき、健全な財政運営を確保していこう」という文言になってございます。

(森澤会長)
発言が特にないようでしたら、今回お示ししました「豊洲新市場計画基本(案)」につきましては、今説明しましたような、この冊子の内容で取りまとめをさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

〔「異議なし」の声あり〕

(森澤会長)
よろしいでしょうか。では、そういうふうに決めさせていただきます。
また、今後の検討体制につきましても、今御意見がありました形を検討会にするのか、あるいは実施計画懇談会の中でテーマとして取り上げていくのか、いろいろあろうかと思いますが、そういうようなことを含めて、御了承を得たものというふうに考えさせていただきます。
それでは次に、「その他」といたしまして事務局より、「新市場建設に関する基盤整備について」の報告がございます。
このことにつきまして、事務局から説明をお願いします。

(日比谷幹事)
では、資料として参考資料をつけてございますけれども、「新市場建設に関する基盤整備」ということで、豊洲地区、新市場の予定地の基盤整備について、御報告をさせていただきます。
まず1つには、豊洲地区に新市場を建設するための防潮護岸の整備は17年度末終了ということで、特に新市場の前面については新市場の負担となります。ここの護岸と宅地内緑地ができますと、6.5haの取得という形になります。
それからもう1つが、新市場の用地取得でございますけれども、新市場は5街区、6街区、7街区に建設することとしておりますが、換地前の前段といたしまして、今現在4街区にございます東京の鉄鋼埠頭用地を、同社の用地を8.5haのうち4.6haを今年度取得いたしました。
御報告をさせていただきたいと思います。

(森澤会長)
ただいま報告がありました件につきまして、御意見、御質問ございますでしょうか。
ほかに、今までの議論、御協議の関連で御発言があればお承りしますが、何かありますでしょうか。
特にないようでしたら、これをもちまして閉会とさせていただきます。

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