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第1回新市場建設協議会議事録

平成14年5月21日(火)12:58~14:08
築地市場第4会議室

(田中幹事)
定刻前ですが、ただいま委員13名全員の出席を確認しましたので、第1回目の新市場建設協議会を始めます。
議事進行に先立ちまして、新市場建設協議会としては、今回、初会合となりますので、改めて協議会委員の皆様方の紹介を行いたいと思います。

(委員紹介)

(碇山会長)
それでは、早速議事を進行したいと思います。お手元の資料に議事として(1)から(3)と表記しています。本協議会設置及び運営について、次に新市場コンセプト懇談会報告について、3番目に新市場基本計画づくりの手順と手法についてということで順次協議をしていきたいと考えています。まず(1)番目の新市場建設協議会の設置及び運営について、小山委員から説明をお願いします。

(小山委員)
本新市場建設協議会の設置根拠ですが、資料1新市場建設協議会設置要綱のとおりです。設置の目的ですが、新市場の建設事業、及び現築地市場の暫定整備事業の円滑な推進を図るため、東京都と築地市場業界との協議機関として中央卸売市場に新市場建設協議会を設置するということです。組織及び担当事項ですが、建設協議会は都の職員及び業界代表者をもって構成をします。新市場建設及び現築地市場の暫定整備に係る事項について協議を行って必要な事項を定めることを担当事務とします。会長は市場長をもってあてることとしております。招集も会長が行います。構成ですけれども、委員は都の方が市場長以下5名、業界につきましては、それぞれの業種別に代表1名ということでして、全部で8名、計13名をもって構成をしています。
この新市場建設協議会の基に検討会を設けます。第6ですが、建設協議会に基本問題検討会を設置するというふうにしています。この基本問題検討会は、建設協議会に指示された事項を検討し、その結果を協議会に報告するということにしています。検討会は、会長が指名する都の職員及び市場長が委嘱する業界関係者で構成することにしておりまして、ご配布の名簿、二枚目の方に、委員の委嘱をしています。委員長は、私、小山がその任にあたります。検討会の構成ですけれども、ご覧いただいてます名簿のとおりですが、都の職員及び業界各団体からの2名ずつの職員をもって構成をします。さらに、この検討会の下部機関としまして、必要に応じまして専門部会を置くことができるというふうにしています。以上をもちまして新市場建設協議会の設置についての説明を終了します。

(碇山会長)
ただ今の説明について、ご意見ご要望がありましたらお聞かせいただきたいと思います。この内容については前回開催したところです。よろしければ議事のとおりとさせていただきます。

(異議なしの声あり)

それでは次に、昨年度から検討しておりました新市場基本コンセプト懇談会の報告が今回まとまりましたので、同じく小山委員が説明をします。

(小山委員)
この新市場基本コンセプト懇談会の報告書を作りあげました経緯について説明をさせていただきます。平成13年の7月にご案内のとおり、築地市場の豊洲移転については、東京ガスとの基本合意ということがありました。そういったようなところから土地についての手当ての見込みもついたという流れの中で、いよいよ基本構想に向けて検討を開始しようということで、その前段階としまして、平成13年9月に新市場基本コンセプト懇談会というものを立ち上げました。座長を上原征彦明治学院大学教授にお願いをしました。委員の方々の名簿にいては、巻末に綴じ込みをしています。座長は、上原征彦明治学院大学教授、学識経験者はそのほかに福田順子先生、廣吉勝治先生、渡辺達朗先生、4名の学識経験者、それに業界から推薦をいただきました委員8名、計12名をもちまして新市場コンセプト懇談会を構成しました。平成13年から今年3月末まで全11回、やはり巻末に綴じ込んでありますそれぞれの会のテーマに応じまして自由な立場から討論をしてきたということでございます。その議論の進行の方法ですけれども、前半、第5回まではそれぞれの学識経験者、あるいは外部からお呼びしました学識経験者から30分ないし1時間のミニ講演といったようなものをやっていただきまして、それをベースに自由な立場で討議をするということをやってまいりました。6回以降ですが、5回までのものを踏まえまして、またテーマに応じて、自由な立場から論を展開しました。これの取りまとめですけれども、各回議事録として、ホームページで公表をしておりますのでご覧なられた方もおありかと存じます。それら集大成しまして、あらためて、東京都の責任においてこれを整理、章立てをしましてこのような形の懇談会報告書にしたものです。この懇談会報告書の性格、あるいは位置づけですが、表紙の正面に四角で囲っています。東京都は、平成14年度からの新市場基本構想策定の参考とするために平成13年9月、学識経験者、若手業界委員からなる「新市場基本コンセプト懇談会」を設置し、新市場づくりのための論点となる事項について、提言を求めました。本報告書は、懇談会で出された自由な立場からの提言を、テーマ別に東京都が整理したものです。今後、本報告書を論点提供の素材のひとつとしつつ、約2年間をかけて新市場の計画を策定して参ります。ということでして、自由な立場で討議を行ったものを整理しまして、今後の基本構想策定に向けて、議論の素材の提供、論点の提供という性格のものとして発行したものです。これでコンセプトを結論づけるという性格のものではございません。
それでは、内容の説明に入りたいと思います。大部の報告書ですので、一々についてどういうような記載があるといったようなことを説明する時間的余裕がございませんので、目次に沿いまして説明をさせていただきたいと思います。第1章は、消費・流通・供給構造の変化の見通しに関する議論です。これは新市場を語る場合に前提となる市場を巡る環境の変化、これをどういうふうにとらえていくか、消費・流通・供給構造そういったようなものをどういうふうに考えていったらいいかといったようなことを中心に議論をしていったものです。年代別の食に対する価値観の相違、それがもたらす今後の変化、これに対して市場としてはどういうふうに対応していったらいいのか、あるいは末端流通、中間流通業者こういったような業者の対応の変化、これに対して市場がどうふうに対応をしていったらいいのか、それから川上の変化、こういったようなものに対してどのように市場は対応していくべきなのか。こういったようなことで意見交換を行いました。その中で特色的に申し上げられますことは、いわゆる中食、外食、これが増加をしている傾向が顕著であるということ。それから、健康、安全、安心を求める消費者が多い。これが今後の消費を考えるうえでのキーワードになっていくだろう。それからITのもたらす影響が、やはり、食品、生鮮食品流通の中にも色濃く出てきている。更に、高齢社会の進行に伴い消費の形態、流通の形態も変わって来るであろう。更に、市場外流通の動きとそれへの対応、例えば、多様の商品を一括納入するとこういったような動きが顕著に出てきているというようなことをこの中で議論をしています。
第2章ですが、新市場の将来像検討の為の論点整理というふうにしています。新市場の将来像を検討するために、様々な論点をここで整理をしています。消費者側の変化とそれを受けての形、例えばワンストップ・ショッピング等の小売りの変化等、そういったようなものに対して、市場としてはどういった対応をしていったらいいのだろうか、といったような論点の提起をさせていただいております。特色的な考え方主張等でございますけれども、売り手市場から買い手市場への変化といったようなものが大きく見られてくるのではないかと、それから鮮度維持技術がここのところ急速に進歩をしてきておりまして、それによる流通の変化といったようなことを考えていかなければならないのではないか。更に、小売構造の変化、スーパーやコンビニが増加してきている。こういったようなことを無視するわけには行かない。また、ワンストップ・ショッピングというようなものが拡大をしてきている。これは消費者のライフスタイルの変化と呼応してそういったことが出てきている、というようなことでして、それも無視できない。更に、消費される方々が他品種、少量化の消費の傾向を表してきている、ということです。こういったようなものに対して、どういった対応策が考えられるかというようなことですが、キャッシュ・アンド・キャリーと言われるような形態のものへ脱皮をしていく、それから多品目小売業態に対応できる卸、仲卸の関係を構築していく必要があるだろう。さらには、サプライ・チェーンを考えていく必要がある。卸は販売代行から仕入代行へその立場を変えていくべきだ。こんなような議論がされています。特に、そのサプライ・チェーンの構築、あるいは、販売代行から仕入代行へ、こういったような論点については委員の中から様々な意見が出されてまして、サプライ・チェーンというのは工業製品について言えることであって、自然産業である生鮮食料品、その市場、こういったものにはサプライ・チェーンが成り立たないのではないか、といったような反論も出されたりしてます。圧倒的集荷力が築地市場の優位性を保っていると、そういったところから考えていくと、卸が仕入代行に転換をして仲卸の利益の出ないような荷は買い付けないというようなことになってくると、市場としての集荷量がどんどん落ちていくのではないかと、そういうような観点から販売代行から仕入代行へという考え方への反論といったようなものもされている、というところです。そのほか論点としまして、築地市場の強みはいったい何だろうか、弱みは何だろうか、市場の評価機能についてどう考えるべきだろうかと、鮮度保持技術が進歩している中では、産地で価格形成をしてしまえば後は輸送にかかるコストを上乗せしていけばいいので、消費地であらためて価格形成をする必要はないのではないかと、こういったような議論もされたところです。さらに、卸、仲卸の機能分担、これは競争関係に立つべきなのか、協調関係に立つべきなのか、それから商物分離はいったい進んでいくのか、どこまで進むのか。商物分離が進むと市場は物流センターになってしまうのではないか。やはり、物流センター的な機能も必要なのではないのか。そういった議論もされました。さらに、市場の公共性、社会性、こういったようなものについてどう考えていくべきか。食の安全が、今、大変に求められているところですが、その食の安全保障をどう考えるのか、受託拒否との関連の関係からも議論をされたところです。
次に第3章ですが、第3章は新市場づくりへの懇談会委員の提案でして、今までの1章、2章を受けるような形で新市場が目指すもの。いわば、コンセプトと言えるかもしれませんが、これを整理したものです。各委員から出されたコンセプト案ですけれども、21世紀の生鮮食料品流通の基幹市場を目指すべきであるといったようなもの、世界が築地を見ている。大きな需要を効率的に物流させるシステムは絶対必要であって、新市場はその基地としてしっかりつくっておく必要があると、こういったような意見。2番目に、安全・衛生・環境に優れた市場をつくる必要がある。トレサビリティーが出来る市場、それから、ガソリン車、ディーゼル車等は排除する市場、そういったような意見が出されたりしています。3番目に、地域と都民に開かれた市場ということでございまして、日本の食生活、食文化を伝える、それらを残す、新しい食の発見、創造の場としての市場としていく。また、市場をつくるにあたっては、まちづくりの視点が必要だ。テーマパーク性みたいなものが市場にあってもいいのではないか。市場業者と消費者の出会いの場として市場を考える。そういったような視点から市場を考えるべきだと、こういったような意見がございました。そのほかですが、東京の産業を支える市場とか、市場内物流が短時間でスムーズに行える市場とか、品質管理、集荷機能の充実で時代をリードする市場と、様々な意見がここに出されています。今、言いましたような市場をつくっていくにあたって、どういった機能を今後強化していくべきか、新しい市場で強化すべき機能として考えるべきか、ということの整理がこの最後です。顧客にとって使いやすい市場とは、いったいどういうようなものだろうか、といったようなことから多様化の進む顧客に対応できる多様性のある市場にすべきである、といったようなこと。仲卸、関連が一体となってキャッシュ・アンド・キャリーを行っていく。野菜と魚が別々の部門にあって買い回っていく、といったような今の市場がいったい機能的にいいのだろうか、そういったような意見。加工・仕分け・配送サービスの機能をもっと強化をしていくべきだといったような意見。集散機能を強化していくべきだと、混載されてきて現在市場の中で上場されずに処理をされているようなそういった荷物についての考え方をどういうふうにしていくか、そういったようなことについての意見等々が出されてます。様々な意見が自由な立場からここで討議をされたということでございまして、今、私が申し上げましたようなことはほんの一部の例でございます。またこういった意見というふうに申し上げましたことも、これでコンセプトを固定するということでは決してございません。冒頭申し上げましたとおりこれはあくまでも次の基本構想策定のための素材の提供、論点の提供として出された様々な意見ということです。それぞれの業界に置かれましては、今日、こちらの方でこういった形で説明をさせていただきましたので、今後の基本構想策定に向けて、ひとつこれから業界の中で議論を活発に展開をしていただいて、今後の基本構想が充実したものとして策定できるようにお願いをできればありがたいと思います。

(碇山会長)
続きましてこの関係で、資料が2点ございます。新市場マーケティング調査資料と物流動態調査、田中幹事の方からお願いします。

(田中幹事)
物流動態調査の方から説明をいたします。今回4つの調査を行いました。いずれもこれまで市場流通については様々な資料が既にございますけれども、懇談会での議論、それから、基本構想をつくっていくにあたってのベースとなる必要なデータの中で、これまでわたくしどもが把握をできなかった部分について、今回追加的に調査をしたというものです。この物流調査につきましては、水産物の搬入量及び水産物の、場内で水産物がどう動いているか、それから、水産物と青果仲卸業者の物流経費がどれくらいかかっているのか、こういったことを中心に調査を行いました。いずれも、平成13年10月25日から26日にかけての築地市場における取扱い及び物流の実態を調査したものです。1日だけの調査です。2ページですが、水産物の搬入量の調査です。ここにフローチャートが出ています。当日築地市場に搬入された水産物が3,030t出荷者等から入ってきました。これが小揚会社による取扱量が約2,000t、関連事業者である輸送会社による取扱量が約1,400t、それぞれこのチャートのフローに沿いまして流れまして、最終的には一番右側、量販店あるいは飲食店さん、それから魚屋さん等の買出人の皆様方が持って行かれたものが2,017tです。それ以外に、卸売場、仲卸売場に並ばなくて、夜中の内に正門、あるいは広場で積み替えが行われ、そのまま搬出されていったもの、それが約1,000tございます。ただし、その中身については追加調査をまだ続けておりますけれども、首都圏の築地市場の系列市場、地方卸売市場及び中央卸売市場関係に流れていった荷物が大半であるというふうに理解をしています。この中身については下の1から次ページにかけて記していますけれども、今回の調査で明らかになった部分2点だけ説明をします。このチャートの下の3番、小揚会社の取扱量のところの(4)と(5)ですけれども、この2,017tの場内物流の大半は実は小揚会社が関与をしております。従いまして、今後の新市場づくりにあたりましては、この小揚会社の機能を如何に効率化をしていけるのかということが物流の効率化の観点で極めて重要である。また、輸送会社で荷下ろしをして小揚会社が運搬をする。いわゆる横持ち、この物流経路を簡素化していくことは新しい市場づくりにとって大きなテーマである。ということが数字のうえからも裏付けられたというふうに考えています。
3ページをお開きください。6番の積替品等、先ほどの表の中では通過物等という表示になってましたけれども、これは当日の取扱量、入ってきたものの3,000tのうち、実は1,000tがそのまま積み替えられて外へ出ていっている。このボリュームを、一つは集散拠点であるということから必然的に出てくるボリュームだというふうに思っていますけれども、この1,000tを新市場をつくるときにどのように位置づけて、どう取り扱っていくのか、これが一つの大きな課題であろうというふうに考えています。次に、関連する水産物部の搬入車両調査、4ページ以降です。これは、出荷者による搬入のみを対象としております。買出人の方々の車は対象としておりません。実はこれまで産地及び加工業者等の出荷者の車がどれくらい入っているかという正確な数字を私ども持っていませんでしたので、今回調査を行いました。調査の方法あるいは項目については(1)(2)(3)にお示しをしているとおりです。今回分かりましたことは、1日の調査ですけれども、合計1,884台、水産関係のいわゆる出荷者からの車が入ってきている。これは今後の物流を考えるうえで基礎になる数字が今回得られたと、なおかつ、22時以前それから22時から24時、要するに前日の夜中12時までに66.5%の車がその時間までに既に入り終わっているということも判明をしました。これらの基礎数字を基に、今後皆様方と基本構想の協議の参考にしていただければというふうに思っています。5ページ、6ページについては、車両重量別のウエイトですとか、出発する地別のウエイトですとか、どういう商品がどれぐらい積まれてきているかといったことを調査結果を記載していますので後ほどご覧をいただければと思っています。
もう一つ物流経費に関する調査を行いました。まず、水産物部の仲卸業者ですが、これは仲卸業者923業者さんのうち288社からの回答を得た、そのデータです。アンケート項目については(2)に①から⑧に記載をしています。まず平均的な仲卸業者さんの数を1社あたりに直しましてそれで分析を行いました。仕入金額と仕入先ですが、1日あたりのこの288社のサンプルの中では概ね150万円規模ということになります。販売先につきましては、8ページの上の(2)でございますけれども、左側から一般小売店、量販店、スーパーと、ここまでが小売業者の皆様ですけれども、その方々に対して約50%、それから料飲チェーンから右側、その他料飲店を含めまして合わせまして45%、というお客様の構造になっています。それから、物の動きですけれども、卸売場から仲卸売場への引き取りの方法につきましては、仲卸が自ら店舗へお運びになっている物というのは59.5%。卸が配達をされている物が35.4%あるということも判明しました。次の、仲卸がお売りになった販売物品の場内の配達先ですが、店頭で持ち帰られる方は10%にすぎませんけれども、買荷保管所へ運ばれる物が約30%、それから、共同搬送も利用されてます。それから、駐車場へ運ばれる物も相当程度ございます。水産の仲卸売業者の販売物品の配送先は実に多岐に渡っています。どれか一つのルートに集中しているというものではございません。次に、5番については在庫の保管状況も参考とするために調べました。(6)以降は、配達、仲卸の物流経費の推計のための調査です。まず、配達にかかる人件費ということで、1店あたりの数値ですけれども、主に配達に従事されている従業員の方とアルバイトの方何名お使いですかということと、その人件費、これは9月の月額を伺っています。それによりますと、合計で1店舗あたり2.7人の従業者の方をお使いになって、月額人件費が815,000円強であるという数字を把握しました。9ページでございますが、もう一つ仲卸の保有している車両、保有車両についてその経費をあわせて伺いました。車種別にいろいろ出ていますけれども、1店舗あたり3.9台の車両を保有され、そのコストは月額64,000円ということでございます。ただそのほかに仲卸が負担をしている物流経費としまして下の表にありますような共同配送、宅配に係る、いわば、配送の委託にかかる経費、それから駐車場にかかる経費、その他というふうなものをあわせまして、226,000円程度という非常に大きなウエイトを占めています。これまでの人件費、車両費、駐車場等の経費を合計しまして、1社1日あたり46,000円という推計値を出しました。この平均で46,000円に今度は仲卸業者総数923社をかけますと、あくまでも推計ですけれども、1日4,200万円、これに開市日数をかけますと年間125億円という膨大な物流経費が出てきています。これをどう削減をしていくのか、これは仲卸業者の経営の健全化の問題ともからめて、新市場づくりにあたっては大きなテーマになろうというふうに考えています。2に仲卸業者の取扱高上位10社との比較という項目でいろいろ書いていますが、これは規模によって物流経費に違いが出るのではないかということで分析をしたものです。これは回答288社のうち取扱い、仕入金額が大きい上位10社の仲卸業者さんと先ほどの平均とを比較したものです。(1)から(7)、(8)まで述べています。その結論ですが、12ページをご覧いただきたいと思います。グラフと表が出ております。上位の10社の仲卸業者と平均の、それぞれ1社辺りの比較で見ていますけれども、仕入額では上位10社は平均の10倍の仕入をしています。配送経費については5倍です。そういう意味では、仕入配送経費率というものがございますけれども、これは3.1%と1.6%ということで、仲卸業者のスケールメリットが相当働いているのではないかというふうに考えています。続きまして13,14ページですが、ただいまご説明しました水産物仲卸業者と同様に、今度は青果物の仲卸売業者についても同様の物流経費調査を行いました。124社中56社からご回答をいただきまして、その数字です。まず仲卸業者の平均的な仕入額、56社の平均ですが、約160万円、販売先につきましては、一般小売店から中小スーパーまでの小売が55%、水産物の仲卸と違いまして料飲店のウエイトは20%と低くなっています。次の14ページですが、これは物流の実態を反映して質問項目を変えています。詳細は後ほどご覧をいただきたいと思いますが、配達に関する経費につきましても、(5)以下水産と同じような形で分析をしまして、最終的に仕入額に占める物流コストは、6.1%。水産に比べるとむしろ物流コストはかかっているというような結果が出ています。以下、水産と同様、上位10社との比較が18ページまでありますので後ほどご覧いただきたいと思います。なお、19ページ以降に参考としまして青果部の搬入車両がどれぐらいあるのか、あるいは、水産で説明しましたように、場内の品物の動きがどうなっているのか、これにつきましては平成12年に築地市場青果事業連合が行った業界の調査が既にございますので、この調査結果を使わせていただくということでその中の一部を抜粋してお示しました。
続きまして、マーケティング調査について簡単に説明いたします。1枚おめくりいただきまして、出荷者の皆さんに対する調査と買出人の方に対する調査と2つさせていただきました。いずれも築地市場に現に出荷をしている方、築地市場から現に買っている買出人の皆さん、この方々が対象です。調査の項目については、その目次にお示しをしているとおりです。このなかで、わたくしどもが重要だと考えていることについてのみ報告を行います。4ページをお開きいただきたいと思います。右側の3ですが、出荷者の皆さんが市場に望んでいること、あるいは、問題に思っていることについて、上段の表が青果、下が水産ということで出しています。いずれも消費者、小売店の情報が欲しいということがトップに出てきています。それから、2位、3位は若干順番は違っていますけれども、販売方法ですとか、商品管理ですとかが出荷者の皆さんが気を遣っている部分だと思います。それから水産に関しては、3番目に出荷経費を極めて重要視しているということが特徴的と思っています。5ページをお開きいただきたいのですが、今後の出荷者の経営動向について、お伺いをしました。青果水産とも品質向上により商品の単価をアップしたい。ブランド品の確立を今以上に行いたいというふうなことが上位に出ていますが、水産の場合は流通経路を新たに開拓したいというのが3位に出てきているというのが特徴かと思います。それから、出荷者の皆さんにも輸送経費、物流経費について伺っています。6ページの5ですが、他の市場や出荷先に対して築地市場への出荷経費は高いと、割高と思っているか、割安に思っているかという質問ですが、青果については余り変わらないという方が70%ぐらいですが、水産に関しては5割しかいない、割高に感じているという方が23%もいる、この辺はやはり物流コスト問題は水産にとっては大きな問題だと思っております。もう一つ伺っています。次の7ページですが、先ほどの質問は、いわば、築地市場に運ぶまでですが、今回は、場内の物流経費についてどう考えているのか。これは、青果の方は74%はそれほどよその市場とは変わらないというふうにお答えいただいていますが、水産に関しては、他の市場に比べて高いのではないかという意見が30%もあるということです。それから、8ページですが、豊洲に新市場をつくることを、都として計画をしていることを明らかにしたうえで質問をしていますが、求める施設機能についてどういうものを出荷者が要望しているのか、青果、水産ともほとんど上位4つについては順番は違っていますが同じです。コールドチェーンの充実、情報提供機能の充実、それから広い駐車場と物流の効率化というあたりが出荷者のニーズであるということが今回捕まえられたというふうに考えています。10ページをご覧いただきたいと思います。10ページ以降は買出人の皆さんについての同じく調査でございます。13ページ、14ページをご覧いただきたいと思います。現在の築地市場の優れている点、劣っている点についてどうお考えなのかをお伺いしました。品揃え、仕入れやすさ、鮮度が優れているとお答えいただいてますが、仕入れやすさと鮮度の評価が低すぎるのではないか、これは品揃えと同じ程度の評価をもらわないといい市場では言えないのではないかというふうな意見が懇談会でも出ました。以下、同様に新市場に求める施設機能、サービスが15,16ページに出ています。ほぼ同じような出荷者の皆さんと同じような問題意識が出ています。従いまして、出荷者のニーズ調査、買出人の皆さんのニーズ調査を含めて、新市場づくりはこのへんをポイントにいい市場にしていく必要があるのだろうというふうに考えています。18ページ以降、自由意見がございましたので、主な意見について代表的なものを記載しています。後ほどご覧いただきたいと思います。

(碇山会長)
以上が懇談会、コンセプト懇談会報告書の内容と2つの資料のご説明を申し上げました。ただいまの件についてご意見、ご疑問等がありましたら何なりとおっしゃってください。かなり多岐に渡っております。それでまた、各委員に置かれましては業界内でご案内いただきまして、今後の基本問題検討会につなげていただければと思います。それでは最後の点になりますが、新市場の基本計画づくりの手順と手法について、若干説明をさせていただきます。

(小山委員)
資料3をご覧いただきたいと思います。新市場の基本計画づくりの手順と手法、こちらの方をご覧いただきたいと思います。1番目に基本方針を記載しています。平成14年度末に基本構想、平成15年度末に基本計画を策定することを目標とする。2番目に基本構想、基本計画づくりにあたっては、都が協議のための原案を提示し、新市場建設協議会で協議を行う。これが基本方針です。次に計画づくりの手順です。左側のほうにそれぞれの計画に関わるセクションを記載しています。東京都、協議機関、業界というふうにしています。東京都は新市場建設室、コンセプト懇談会、新市場建設協議会、検討会、部会、各団体こういったように記載をしていまして、上段の方に年次に従ってそれぞれの目標とする項目を書いてございます。平成13年度ですけれども、新市場のコンセプト、基本方向ということでして、これについては、先ほど報告をさせていただきました懇談会報告です。現在ちょうどこの時点に我々はいるということです。平成14年度ですけれども基本構想を策定していくと、主としてソフトウェアに中心に考えをおいた考え方の取りまとめになろうかというふうに思っています。ただいま懇談会の報告については終わらせていただきましたわけですが、それらに基づいて業界に置かれましては新市場のビジョン等について、事前の検討を開始していただきまして、そういったようなものを持ち上げていただくような形で進めてまいりたいと思いますが、次回、東京都の方では基本構想のための協議項目、その内容について取りまとめをいたしまして提示をさせていただきたいというふうに考えてます。これを基本構想策定のための出発点というふうにさせていただきたいと思います。これを受けましてこの協議会、そしてその下部機関であります基本問題検討会、あるいは専門部会を設けることになりましたら、専門部会、そこでそれらについて検討をする、もちろん業界との間では内部検討という形で業界の方でやっていただきましたものについて、それぞれやりとりをしながら、フィードバックをさせながら進めていきたいというふうに思ってます。14年度末はこれらをまとめ上げまして基本構想という形で作りあげたいというふうに思ってます。平成15年度の方に移りまして、基本計画でございます。これは主としてハードウェアを中心の取りまとめになろうかというふうに思っています。協議の手順につきましては14年度とほぼ同様です。それ以降、16年度以降ですが、これらを踏まえまして基本計画、基本設計、それからそれ以降につきまして詳細設計という順に進めてまいると、このように考えています。1枚めくっていただきます。新市場基本計画策定のための検討項目というふうにしています。それぞれの前のペーパーの年度別にボックスで記載しています。一番左側、新市場コンセプト懇談会。これが平成13年度に行ったものです。このボックスの中に書かれてます事項については先ほど説明したものと同様です。真ん中のボックスですが、基本構想の構成要素、基本構想を今後策定するにあたりまして、基本構想を構成する要素、こんなものが考えられるのではないかいうものを提示しています。新市場の取扱規模の想定、それから、市場のつくり方の基本的考え方、従来型の水産、青果、関連の業種別の市場づくりか、あるいは、賑わい、物流、加工部門などの機能別の市場づくりの考えか、こういったようなことも考えていくべき一つになっていくのかなという気がします。地域のまちづくりとの連携、都民に開かれた市場づくりのあり方ということもこれから考えていく重要な要素になってくるというふうに思っております。それから、新市場が持つべき各機能の基本的な考え方としまして、場内物流システムの構築の考え方、温度帯別商品管理と衛生機能等々、施設整備の充実等を考えまして8点、例示として採用しています。これらについては先ほど申し上げましたとおり、次回、協議項目内容といった形であらためて東京都の方で取りまとめまして、提示をする予定です。ちなみに、右側は、平成15年度基本計画策定といったようなことで、基本計画の構成について項目、施設計画、市場システム、設備計画等々でございます。このような検討項目を取りまして、手順でわたくしども検討を進めていきたいというふうに考えていますので説明申し上げました。

(碇山会長)
何かありましたら、発言をお願いします。

(伊藤委員)
どのへんの時点でですね、例えば、豊洲地区の面積ですとか、あるいはゾーンの問題ですとか、道路の問題ですとか、土地の取得状況ですとかということについての、基本的な考え方の提示はいつ頃と想像すればいいのでしょうか。

(小山委員)
全体の検討状況ですけれども、築地市場は、東京ガス、鉄鋼埠頭の場所に移転をするということで決定しましたが、その後、地権者と最終合意に向けて現在調整中でして、非常に微妙な段階です。その中でただいまご提議がありました事項について協議をしているという段階です。この基本構想の場での協議に支障をきたさないような事実を、我々しましては、地権者との協議の終了宣言を出しましてこれにあたりたいというふうに考えています。

(碇山会長)
豊洲に行くということは、これは既定の路線でして、我々も関係各局と行っております。その結果、昨年、移転を決定した。それから、豊晴計画についても築地市場が豊洲に行くのが前提で改定されている、ということです。

(小山委員)
追加をさせていただきますが、土地の手当てについてですが、これは確実なものとして、東ガスと話は付いております。

(碇山会長)
ほかにいらっしゃいませんか。

(関本委員)
今日、この会議で受けた印象といいますか、我々の考え方をちょっと申し上げたいと思います。先ほど冒頭において、碇山市場長が新市場元年とこうおっしゃられておりましたが、我々もそのような考えを持っておりますし、新しく新市場建設協議会も発足しましたし、豊洲に新市場を建設するにあたってどのようにしたらいいかということで、ハードの面からソフトの面まで大変結構なことだと思っています。われわれも今後とも都民のための、日本の中核市場として、特に流通、供給、全ての面において基本構造変化にも十分応えていけるような市場構造であって欲しいと思っています。今まで以上に出荷者が出荷しやすい、また、買出人の方が買いやすい市場であって、市場改革が結実された、開かれた市場であってもらいたいと、そういう市場ができるように、我々も大いに議論させていただきますとともに、ご協力を惜しまない、こういうつもりでおりますのでよろしくお願いしたいと思います。

(碇山会長)
今、関本委員がおっしゃったとおりだと私も思います。この卸売市場システムというものが、生鮮食料品の供給という基幹システムであるということを何よりも強く認識していますし、これは我々の先達が生み出したシステムであるということは歴史的事実であるし、疑いようの余地がないと考えています。ただ、冒頭申し上げましたとおり、市場を取り巻く環境が今変化していますので、開設者、市場業界、関連業界自身がそれに見合った形での理解をしていこうということです。とりわけ、当築地市場は全国の建値市場でもありますし、3,300万首都圏の台所としての大市場でもある。この築地市場がどういう形で豊洲で生まれ変わるのかということは、これは地元の方でも、最大の関心事を持って見守っていますので、我々も応えていく必要があると思いますし、国も、全国の開設者もどういう新市場ができるのかというのは気にしていると思いますので、それを何よりも進めていくのは、今日改めてスタートしました今日の建設協議会ではないかと思っておりますので、そういうふうに申し上げました。

(泉委員)
この段階では早いとは思いますが、基本構想の協議項目が出ているのですが、そのなかに大事な要素の一つが欠落をしておりますので、あえて触れていただくようにお願いをしたい。それは将来の海上輸送へのシフト。この問題は入っておりません。あえて固有名詞を上げれば、テクノスーパーライナーという、現在、客船でしか走ってませんけれども将来的には高速運搬船としても、多分、使用すると、使用される見込みだと。しかし、そういったものの十分な設備を、あえて言えばバースをつくるというような観点がなければ、とても桟橋程度の設備では対応ができないと思うんですね。是非、そういう部分を、基本的な構成要素の中に盛り込んでいただきたいと思います。

(小山委員)
これは、泉委員から前からお話をいただいておりますし、今日、卸売組合からも同じ話をいただいて、基本的にモーダルシフトというのは多々検討しなくてはならないとは思っています。

(中川委員)
先ほどの伊藤委員の確認ですが、小山委員の方から地権者協議の締結によってもう少し具体的になるとお話を伺いましたけれども、都市計画の改定とこの関連でまいりますと、協議がまとまらないと都市計画が行政的には終了しないとこういう内容になっておるのかどうか、教えていただきたい。

(松村委員)
今、やっております地権者の協議が整った段階で、これを踏まえまして、豊洲晴海の開発整備計画、これの再改定を行います。これは行政としての再改定ですので、都市計画ということではございません。また市場を建てるにあたりましては、市場も都市計画法上の施設になりますので、アセスメントの手続きですとか、都市計画の手続きですとかそういうものが出てまいりますけれども、今回の地権者協議、豊洲晴海開発計画、これについては、再改定終了後行政手続きを経て改定するということでございます。

(伊藤委員)
今までの築地市場再整備推進協議会とは違ってですね、今回、検討会という組織ができましたね。この検討会と我々の協議会との関係ですね。例えば検討する内容は、先に検討会である程度たたいてまとまったものが上がってくるのか。我々として何か新たなものを更にこの協議会でとして考えていくのか、その辺の関係をちょっと説明いただきたい。

(小山委員)
先ほど、基本構想のところで資料1としてご説明をしましたけれども、検討会におきましては協議会の指示によって検討する事項を検討し、協議会の方に報告するという内容になっています。従いまして、検討会の方は協議会の下部組織ですので、協議会で自由に検討項目を発想するということで、これを検討会のなかで決めていけばよろしいと考えます。

(碇山会長)
ほかによろしいですか。無ければ時間も過ぎておりますので、以上をもって第1回の新市場建設協議会を終わらせていただきます。趣旨は、先ほど私が申し上げたとおりでございます。改めて最後に申し上げることはございません。今後ともよろしくお願いしたいと思います。長時間、ご多忙中ありがとうございました。以上を持ちまして閉会といたします。

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