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第54回東京都卸売市場審議会議事録

第五十四回東京都卸売市場審議会

午前十時六分 開会

一、開会

細野書記
ただいまから、東京都卸売市場審議会を始めさせていただきます。
本日は委員の皆様方には大変お忙しいところご出席いただきまして、まことにありがとうございました。申し遅れましたが、私は書記の細野でございます。よろしくお願いいたします。
会議に先立ちまして、定足数の確認をさせていただきます。本審議会は、東京都卸売市場審議会条例により、委員の半数以上の出席により成立することになっております。審議会委員の定足数十五名中、ただいま十二名の方々の出席をいただいております。したがいまして、定足数を超えておりますので、審議会を始めさせていただきます。
なお、本日は、土屋委員が所用のため欠席されております。また、橋本委員は、後ほどいらっしゃるという連絡が先ほどございました。渡辺委員もご同様でございます。
議事に入ります前に、都の幹部職員の異動がありましたので、新幹事の紹介をさせていただきます。
長尾経営管理部長でございます。
石川業務企画担当部長でございます。
中澤生活文化局消費生活部長でございます。
以上で紹介を終わります。
続きまして、配付資料についてですが、本日の審議会の資料は既にお手元に配付してございます。なお、矢田委員よりたってのご希望で築地市場現在地再整備促進基礎調査報告書(概要版)をお手元にお配りしてございます。
それでは、これからは髙橋会長のほうに議事進行をお願いいたします。会長、どうぞよろしくお願いいたします。

髙橋会長
髙橋でございます。どうぞよろしくお願いします。
それでは、ただいまから第五十四回東京都卸売市場審議会を開会いたします。委員の皆様方には年末の大変お忙しい中にご出席を賜りまして、まことにありがとうございました。

二、新委員の紹介

髙橋会長
まず、議事に入ります前に、前回の審議会以降、新しく委員になられました方がいらっしゃいますのでご紹介を申し上げたいと思います。
まず、大山委員でございます。

大山委員
大山です。よろしく。

髙橋会長
比留間委員でございます。

比留間委員
比留間です。よろしくどうぞ。

三、議題「東京都卸売市場整備基本方針案(中間報告)」について

髙橋会長
それでは、お手元に配付してあります審議会会議次第に従いまして、会議を進めたいと存じます。
本日は、東京都卸売市場整備基本方針案(中間報告)について審議をする運びになっております。これからご報告いただきます東京都卸売市場整備基本方針案の策定につきましては、先の審議会において設置されました計画部会におきまして、精力的に審議、ご調査をいただきました。大森部会長をはじめ、部会の委員の皆様には大変ご苦労をおかけいたしました。この場をお借りしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
本日の審議会では、基本方針案につきまして中間報告をいただきまして、各委員の皆様のご意見をお伺いしたいと存じます。活発な委員の皆様のご意見をお伺いいたしたいと存じます。
なお、本日の審議会は、これまで十一回にわたって検討を積み重ねられた計画部会の中間報告でございます。
それでは、大森部会長からご報告をお願いいたします。

藤田委員
会長、その前に議事進行。

髙橋会長
はい、どうぞ。議事進行。

藤田委員
はい。ちょっと気がかりなので、矢田さんのたっての希望でというコメントがございまして、配られました資料は貴重な資料と思いますので、これは後ほど十分拝見させていただきたいと思うんですが、このことから、当然、築地市場の問題が、私は持ち出されるだろうと思うんです。それは持ち出されることはとやかく申し上げる気はございません。そうすると、この中間報告に対する意見をやりとりするのと、当然、予想される築地市場の問題というのは一緒くたにやるんでしょうか。それとも離してやるんでしょうか。それを伺っておきませんと、この論議を私の感じでは、築地市場の問題だけで、私自身は全部の時間を費やすという気持ちはございませんもので、そこのところをやっていただくことは結構なんですが、分けていただけますか。この問題はこの問題、築地市場の問題は築地市場の問題というふうに分けて、そこでは年来の矢田委員の意見も粛々にお伺いしたいという気持ちを持っていますので、そこはどうなりましょう。

髙橋会長
矢田委員からご提出いただきました資料は、後ほどごらんいただくことにいたしますが、今の議事進行に対するご意見について、事務局、どうですか。

浅倉幹事
お手元に配付しております中間報告基本方針案、一から五までございますが、一から四までが総論的な部分です。五が各市場の方針でございます。一から四までを一つのくくりとしてご議論いただいて、その後に五についてご議論いただければというふうに思いますが。

髙橋会長
そういうことでいいですか。
それでは、部会長報告をお願いしますが、大森部会長、どうぞお願いします。

大森会長代理
計画部会長を務めております大森でございます。
既にご案内のように、計画部会は第七次東京都卸売市場整備計画の基本方針について検討するために、去る六月に開催をされました第五十三回の審議会において設置をされたものであります。部会委員は、私のほかに、ここにご列席の上原委員、鴇田委員、そして福田委員のお三方です。部会では、六月二十八日の第一回開催以来、これまで延べ十一回にわたりまして検討を重ねてまいりました。この間、流通環境の変化や卸売市場の現状と課題などについて議論をいたしまして、市場関係業界の皆様方からのヒアリング、あるいは卸売市場の視察などを行ってまいりました。本日、これまでの検討内容を取りまとめ、東京都卸売市場整備基本方針案として中間報告をさせていただくことになりました。審議会の委員の皆様方の忌憚のないご意見を頂戴をしたいと思っております。基本方針の詳細につきましては、後ほど事務局から、私にかわって説明をしてもらうことにいたしまして、私からは概要についてご説明を申し上げます。
それでは、お手元にお配りしてございます東京都卸売市場整備基本方針案の中間報告の概要をご参照いただければと思います。IIの基本方針案の概要でございますが、第一章では転換期にある卸売市場といたしまして、社会経済環境の変化に卸売市場が迅速、的確に対応できていないこと、卸売市場の取扱高が減少していること及び市場間に格差が生じているという問題点を挙げまして、卸売市場がこれまでにない重大な転換期にあるということを指摘をいたしております。
次に第二章では、卸売市場を取り巻く社会経済環境の変化や生産から消費までの流通環境の変化がいかに激しいか、そして、これらの急激な変化が卸売市場に大きな影響を与え、これに対応した市場運営が求められているということを述べております。
第三章は、東京都の卸売市場の現状と課題といたしまして、分析を行っております。第一章で述べた問題は、まさに東京都の卸売市場の問題であるということがわかります。
このような現状を踏まえ、さまざまな課題に対処するために、第四章では二十一世紀における卸売市場のあり方といたしまして、第七次東京都卸売市場整備計画における施策の方向性について述べております。今後の卸売市場を考える際に、私どもが特に強調して申し上げたかったのは次の二点であります。
第一は、競争原理の一層の導入と小売店や消費者など川下の発想を重視する必要がある。すなわち、これまでの卸売市場を支えてきた仕組みの見直しを進めるということであります。
第二は、適正な受益者負担に基づく計画的、効率的な施設整備、新しい技術やシステムの積極的な導入を図る必要があるということであります。施策の方向性は、このような視点に立って、一として流通の効率化と市場の活性化。二、流通環境に対応した施設整備の推進。三、卸売市場の再編・統合というような形で取りまとめをしてございます。
この第四章で示した施策の方向性に基づきまして、市場別に整備方針をまとめたものが最後の第五章でございます。現行の第六次整備計画と比べて大きく方針を変更すべきと考えた市場は、次の三市場であります。
その第一は、築地市場です。築地市場は二十一世紀の生鮮食料品流通の中核を担う市場へ再生するため、抜本的整備が必要とされております。しかし、現在地では情報化、物流の効率化、衛生、あるいは環境対策の強化を実現するためには、あるいはまた将来の流通構造の変化にも対応していくことは困難であるということから、早急に移転整備について検討をする必要があると考えます。
第二は、練馬分場でございます。これまで練馬分場は杉並分場を統合して、中央卸売市場として整備するとされておりましたが、今後は民間活力を導入をして、地方卸売市場として整備をすることが望ましいと考えます。
第三は、多摩地域における青果中央卸売市場についてです。地方卸売市場の中にも集荷力のある市場が育っていることなどから、新たな地方卸売市場の設置については長期的な課題とし、第七次整備計画では整備を凍結をすることが適当と考えます。また、多摩地域の青果中央卸売市場につきましては、施設整備事業費の補助制度の活用などによって支援を行っていくことが適当であると考えます。
以上で私からの説明は終わらせていただきますが、計画部会の三委員から補足説明をお願いしたいと存じます。
それでは、上原委員から順次お願いをしたいと思います。

上原委員
部会長がただいま報告したとおりでございますが、私から二つの点だけを申し上げたいと思います。
卸売市場を取り巻く流通に一番大きな影響を与えるのは、おそらくグローバル化と情報化だと思います。もう既にご承知のように、日本国内に世界から大型店が出店して、その中で卸売市場が生きるとしたら、一番重要なことは競争力をいかに強化していくのか。この競争力を強化していくためには、市場メカニズムの中で強く生きていく、そういうことが重要だ。これを踏まえた報告として私は位置づけて参加させていただきました。
以上です。

鴇田委員
先ほど部会長からご説明があったように、私は主として二点ほどこの中間報告について強調いたしまして、一応、採択されたと思っております。
その一つは、今後は競争原理の一層の導入ということでありまして、もう一つは適正な受益者負担をきっちりと確立していただきたい。
まず、競争原理については、市場というのはもともと最終消費者ができるだけ品質の高いものを非常に安い価格で手に入れられるというために存在しているわけですけれども、そういうふうにして生産者、あるいは消費者の間に非常に強い競争が発生して、そういうことが実現するわけですけれども、しかし、市場自体は、そういう競争条理から隔離されているというか、そういう場に安住している。それこそが現在の市場が直面している多数の問題を、つまり、流通の変遷等々に対してうまく適合できなかった原因であろうと思っています。
それからもう一つ、現在の中央市場というのは、これは何よりも都民の財産なんですね。ですから、その都民の財産を適切に利用するということが大原則なのであって、その点を強調いたしまして、ご理解いただきたいと思っております。
以上です。よろしく。

福田委員
既にお二人の委員、それから、大森部会長のお話でほとんど集約されておりますが、一番大きな問題としては、市場経由率が下がっている。それは一つには環境変化への対応がもしかしたら遅れているのかもしれない。上原委員から、グローバル化、情報化という話がございました。それへの対応と、加えて今、鴇田委員からもございました川下の消費者の変化、この三つがものすごく大きな卸売市場への影響を与えているのではないかと思っておりまして、特に消費者の変化の部分については、もう少し卸売市場でも考えていただきたいというお話は申し上げました。
さらに市場メカニズムに委ねる、もしくは競争原理の導入、これも私も全く同一意見でございますが、加えて言いますならば、イノベーションというのがどのように行われるか、行われてきたというところを問われなければいけないだろう。イノベーションは内部からは起こり得ないので、競争原理を導入して外部の知恵みたいなものを入れていくということは必要なのではないかという考え方で参加させていただきました。
以上です。

髙橋会長
以上、部会長をはじめ、委員さんから説明がありました。事務局に報告書の概要について説明をしていただきます。

浅倉幹事
調整担当部長の浅倉です。
早速ですが、お手元の基本方針案(中間報告)の一ページをお開きください。第一は、転換期にある卸売市場です。卸売市場を取り巻く社会経済環境は急速に変化しており、先ほど部会長からご紹介がありました三つの大きな問題に直面している。卸売市場は生鮮食料品流通における地位が低下しつつある中、二十一世紀を迎え、これまでにない重大な転換期にあるとしております。
第二では、卸売市場流通をめぐる変化についてです。一、社会経済状況の変化。その一つはグローバリゼーションであり、生鮮食料品の輸入の増加や、流通業においても国際化が進んでおります。二つ目は、二ページになりますが、情報通信技術(IT)の進歩です。生鮮食料品においても、例えばインターネットモールにおいて、水産物などの取引が始められており、また、市場関係業界にあっても、花きインターネット取引システムのような新しいビジネスモデルを構築する例が見られます。
二、生鮮食料品の国内生産・供給の変化。農業における生産基盤の揺るぎと生産者団体が出荷体制の大型化による価格形成への発言力を強めています。
三、流通チャネルの多元化と市場外流通の増大です。大口需要者による生産者からの直接買い付け、産直、インターネットを用いた取引など、流通チャネルが多元化しております。このため卸売市場経由率は図二─一のとおり、全般に低下傾向にあります。最近十年間において、青果、水産物で約五から十ポイント低下しております。
四、小売業界の変化。専業小売店は後継者難などにより減少傾向にあり、反面、量販店は厳しい競争の中で出店拡大に取り組んでおります。そして、量販店のような大口需要者は定時、定量等確実で安定的な取引を望んでおり、そのため市場業者が休業日対応や品揃え、小口単位の荷捌き、さらには支払いサイトが長期化するなど、厳しい対応を迫られております。また、ディスカウントショップが業績を伸ばし、新しいタイプの小売業も誕生しております。
四ページをお開きください。消費構造の変化です。近年の少子・高齢化の進展、女性の社会進出や単身世帯の増加、ライフスタイルの多様化など、食料消費の形態に大きな変化が生じて、中食や外食の需要が増えています。また、食の安全性に対する消費者の関心の高まりから、流通段階においても品質表示や産地表示、温度管理など安全・衛生面での配慮が課題となっております。
第三、東京都における卸売市場の現状と課題についてです。一は、取扱数量及び取扱金額の現状です。東京都の卸売市場の取扱金額は、中央卸売市場、地方卸売市場を合わせまして、水産物、青果、食肉、花き、それぞれ記載のとおりとなっておりますが、このうち中央卸売市場の占める割合は、平成十一年において水産物が九九%、青果が八二%、食肉が一〇〇%、花きが七二%とその大宗を占めております。
図三─一で示すように、東京都の中央卸売市場は、取扱数量の三割前後を隣接する三県等に供給し、首都圏における集散機能の役割を果たしております。
六ページをお開きください。中央卸売市場の取扱状況ですが、水産物について見ますと、全国の取扱数量に占める東京都のシェアは約二〇%であります。市場別に見ますと、築地市場が東京都全体の九〇%を占めておりますが、図三─二に示すとおり、取扱数量は昭和六十二年をピークに、また、金額についても平成二年をピークに減少傾向にあります。青果について見ますと、図三─五のとおり、取扱数量は昭和六十二年をピークに、取扱金額は平成三年をピークに減少しております。
八ページをお開きください。市場別に見ますと、平成元年から十一年までの十年間で、取扱数量を増加させたのは大田市場だけです。その他の市場はすべて減少させております。ちなみに、世田谷市場は十年間で四五%減少、葛西、豊島、多摩ニュータウン市場においても約二〇%以上の減少となっております。図三─七のとおり、取扱数量における各場のシェアは、大田市場が三六・四%となっており、これに築地、淀橋、北足立市場の上位四位までを加えると、八〇%近くに達しております。
食肉について見ますと、牛肉は輸入自由化によって一たん減少しましたが、平成七年を境に増加傾向に転じております。また、豚肉は図三─九のように減少傾向にあります。
十ページをお開きください。花きについて見ますと、大田市場の伸びが大きく、平成十一年におけるシェアは四市場取扱金額の五八・四%となっております。
地方卸売市場ですが、平成十二年八月現在で三十一市場あります。水産物の取扱数量・金額の増減推移は、図三─十一のとおりです。
十二ページをお開きください。青果部の取扱数量・金額の推移は、図三─十二のとおりでございます。
花き部取扱金額の推移は、図三─十三が示すとおりです。大きく落ち込んでいるのは中央卸売市場への統合の影響でございます。
二といたしまして、流通上の課題でございます。(一)情報化と物流の効率化についてです。卸売市場は市場外流通に比べ情報化への対応が十分と言えず、また、情報化を組み込んだ効率的な物流システムとはほど遠い状況にあるということを述べております。
(二)卸売市場制度について見ますと、平成十一年度の卸売市場法改正を受け、各場で品目ごとに実態に応じた取引方法の設定や規制緩和が図られたところですが、さらに国においては卸売手数料制度についても見直しの方向で検討することになりました。手数料制度の見直しは卸売市場制度全体に大きな影響を及ぼすものと考えられます。
十四ページをお開きください。(三)市場業者の経営状況は年々厳しくなっており、大変厳しい経営、財務状況にあります。仲卸業者について見ますと、千六百ある仲卸業者の約半数近くが経常赤字に陥っているとしています。
(四)決済制度についてですが、卸売市場における取引の決済は、市場全体の信用を支える根幹的機能を果たしております。しかし、仲卸業者等の売掛金の回収日数は長期化する傾向にあり、業者の経営を圧迫し、ひいては決済機能の低下につながることも否定できません。
三といたしまして、施設整備上の課題です。(一)施設整備の状況について。基本的な施設は各場ともおおむね整備されておりますが、老朽化が進み更新が必要な施設や耐震補強が必要な施設が増えております。また、コールドチェーン対応など市場機能を高めるための施設整備も求められております。これらのいわば付加価値的施設は、流通環境の変化に対応するためのものであり、迅速かつ効率的な整備が求められています。しかし、東京都による施設整備は、変化に迅速に対応することが困難な面があるとしております。一方、現行法制度上では、市場用地の上に業者が建物を建築し、所有することが認められていないため、一般的には市場業者自らが必要とする施設を整備できない状況になっております。
(二)衛生問題への対応ですが、HACCP(ハセップ)の導入など、より高度な衛生管理を目指す動きが増えておりますが、市場の現状では時代に対応した衛生管理が確保されておらず、施設面でも不十分となってきています。
(三)環境問題への対応。生ごみや排気ガス対策など環境問題への取り組みが十分ではないとしております。
十六ページをお開きください。(四)中央卸売市場の財政についてです。東京都中央卸売市場は、独立採算制を原則としています。営業収支は昭和四十二年度以降、連続して赤字を計上しております。また、累積欠損金は平成十一年度末において、過去最高の百六十一億円に達しています。支出面では、既存施設の維持や新たな流通環境に対応するための施設整備にも膨大な経費が必要であり、施設整備が市場財政に与える影響は極めて大きい。今後、中長期的な視点からの抜本的な取り組みが必要であるとしています。
(五)地方卸売市場の経営の格差。東京都の地方卸売市場はすべて民営であり、ほとんどの市場で卸売業者が開設者を兼ねています。青果部を見ますと、経営状況に大きな格差が生じており、一部を除き経営基盤が弱く、施設の維持、拡充の資金が十分確保できていないことが課題となっています。
このような現状を踏まえ、第四では二十一世紀における卸売市場のあり方、今後の卸売市場をどのように活性化するかといったことが述べてあります。
二十一世紀の卸売市場のあり方を展望するに当たっては、仕組みの見直し、競争原理の一層の導入、川下の発想、適正な受益者負担、新しい技術システムの導入などにより、市場を活性化する方策を確実に実行していくことが肝要である。卸売市場がこうした挑戦を続けていくことが競争力を強化し、二十一世紀に卸売市場が生き残っていくための処方せんであるとしております。
その一は、流通の効率化と市場の活性化です。(一)情報化と物流効率化の推進、卸売市場の情報化を推進するため、LAN等の基盤整備を進めることが必要であり、都はそのための基本条件の整備などを図る必要がある。また、十八ページになりますが、情報受発信機能の強化とITを活用した物流の効率化への取り組みが必要であるとしております。
(二)取引規制や市場業者の許可制度の見直し。卸売市場の活性化を図るためには、取引規制、市場業者の許可制度などの従来の仕組みを見直し、外部の業者が新規参入が図られるよう、より一層の規制緩和を検討する必要があるとしています。
(三)市場業者の経営基盤の強化。市場業者の経営基盤を強化するためには、それぞれの市場業者や業界団体が役割と責任を再認識した上で主体的に取り組むことが重要である。卸売業者、仲卸業者、関連事業者及び東京都がそれぞれに取り組むべき事項を整理し、十九ページになりますが、提案しております。
(四)決済制度の改善。長期化する未払い債権の解消や不良債権化を防止する手法等を検討し、決済制度の改善に向けた取り組みが必要であり、新たな決済システムの構築も検討すべきであるとしております。
二十ページをお開きください。(五)都民に親しまれる市場づくり。今後、東京都と業界の協力によるPR体制を強化し、都民に親しまれる市場づくりを目指していくことも必要としております。
二、流通環境に対応した施設整備の推進を図ることです。適切な施設整備の推進。まず、既存施設の適切な維持・管理を図ること。次に四つほどポチで例示しておりますけれども、そうした流通環境の変化に対応するための施設整備を進めること。そして、危機管理のための施設整備を図ることとしております。
(二)健全な財政計画に基づいた施設整備。今後の施設整備においては、都が業界要望に基づきすべてを整備するという考え方ではなく、開設者として整備すべき領域を明確にし、選択的・重点的な整備を方針とすべきとしております。さらに、使用料による投下資本の回収を前提として、計画段階から整備の水準や費用負担のあり方等について検討した上で整備を図っていかなければならないとしております。
(三)多様な整備手法の導入。新たなニーズに対応するため、施設を利用する市場業者の資金やノウハウを活用し、迅速、効率的に整備するため、業者自らが整備できる手法やPFIなどの手法を導入すべきである。このため必要な条例規則等の整備を図る必要がある。
(四)衛生対策の強化。将来のHACCP的手法の導入も視野に入れた取り組みを行っていく必要があるとしております。
(五)環境対策の促進、二十二ページをお開きください。食品リサイクル法施行の趣旨を徹底し、食品廃棄物、包装廃棄物の発生抑制、再利用率向上の取り組みが求められている。このため、生ごみの減量化・コンポスト化等の調査研究を行っていくことが重要である。また、ディーゼル車対策や小型特殊車両の低公害化を一層推進するため、電動車、LPG車の導入等を引き続き進めることが重要である。
三、卸売市場の再編・統合についてです。交通網の整備の進捗や市場間格差の拡大している現状、さらには都市計画的な観点などから、現在の配置については再検討が必要となっている。また、流通の効率化や経営の健全化の視点から、市場間の物流の連携やその再編・統合が避けられない状況になっており、今後具体的な検討が必要である。分場については、実施可能なところから再編・統合を進めていくことが必要である。
第五は、市場別整備方針について述べております。各市場の整備は第四で述べた考え方に基づき進めていくべきであるが、特に流通環境の変化や競争の進展が市場に及ぼす影響に留意し、柔軟に対応していく必要があるとしております。
一、中央卸売市場。(一)築地市場です。先ほど部会長からご紹介がありましたので省略いたします。
(二)食肉市場。老朽化した施設の集約化、近代化を図りながら、特に衛生対策及び周辺環境に配慮した整備を進める必要がある。分場は北側棟の完成後、本場に統合すべきである。
(三)大田市場。中核的な市場として、その機能を十分に発揮していくことが求められている。このため、流通環境の変化に対応した整備を行っていく必要がある。また、隣接する旧従業員住宅用地については、花き部の駐車場問題への対応等を図るため、市場用地として活用する方向で検討すべきである。
(四)豊島市場。市場の各施設の利用状況を踏まえながら、国道十七号線拡幅による市場敷地削減の影響を最小限にする方向で、施設配置及び整備について検討をしていく必要がある。
(五)淀橋市場。本場は、新たに整備したスロープなどの活用によって、場内動線の改善を図りつつ、狭隘な市場の改善策について検討する必要がある。
練馬分場は省略させていただきます。
松原分場については、安全対策を講じる一方、将来のあり方を検討する必要がある。
(六)足立市場。卸売市場の活性化の観点から、足立区で策定を進めている市場周辺を含めた街づくり計画と連携した市場のあり方を検討すべきである。
(七)板橋市場。流通環境の変化に対応するための整備を行うことが適当である。
花き部は、卸売会社の合併の効果を生かし、動線の改善等を図りながら整備を行っていく必要がある。
(八)北足立市場。これまで効率的に施設整備を進めてきたが、これらの施設の有効活用を図るとともに、流通環境の変化に対応した整備を進める必要がある。
(九)世田谷市場。花き部の新設を含む大規模整備が平成十三年度に完成するが、今後はその整備の効果を最大限発揮するよう適切に活用していく必要がある。
(十)多摩ニュータウン市場。取扱数量が計画数量と比較して著しく少なく、利用効率が低いため、市場業者の新規参入などによって活性化を図るとともに、流通環境の変化に対応するための整備を進める必要がある。
(十一)葛西市場。流通環境の変化に対応するための整備を行う必要がある。花き部は卸売業者の合併効果を生かし、施設の効率的活用を図りながら整備を進めていく必要がある。
(十二)多摩地域中央卸売市場。先ほど部会長からご紹介がありましたので割愛させていただきます。
二、地方卸売市場。食品流通構造改善促進法の改正により創設された「中核的地方卸売市場」制度の積極的な活用などによって、地方卸売市場に対する支援を行う必要がある。
(一)水産市場。多摩地域の水産市場については、今後とも施設整備事業費補助制度の活用などによって支援を行っていくことが適当である。
(二)青果市場。多摩地域の青果市場については、「中核的地方卸売市場」制度や施設整備事業費補助制度の活用によって支援を行っていくことが適当である。
(三)花き市場。多摩地域の花き市場については、適地の確保や取扱規模等の問題を考慮し、中央卸売市場としての整備は行わないことが適当である。今後は地方卸売市場の活性化が図られるよう支援を行っていく必要がある。
以上、駆け足になりましたけれども、説明を終わらせていただきます。

髙橋会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの報告につきまして、ご意見、ご質問などをいただきたいと思います。進行の都合上、第一の転換期にある卸売市場から、第四の二十一世紀における卸売市場のあり方までの、いわゆる総論部分と第五の市場別整備方針に分けさせていただきたいと思います。まず、総論部分からのご意見、ご質問がございましたら、どうぞお願いいたします。
藤田委員、どうぞ。

藤田委員
発言の冒頭に大変くだらんことを申し上げて恐縮でございますが、この中間報告をまとめるに当たって、大森会長代理をはじめ、三人の学識経験の先生方には大変ご苦労さまでございました。ここまではくだらん発言ではございませんで、ここから先ですが、私事に当たりますが、来年の七月で健康上の理由で都議を引退いたしますが、そのドクターストップも含めて主治医になっておりますのが上原先生でございまして、今後とも市場の健康管理のために、上原先生はもとよりでございますが、鴇田先生、福田先生のご教義のほど心からお願いを申し上げたいと思います。
そこで、限られた時間でございますから、できるだけ簡単に三つの質問と一つの意見を申し上げます。一つは、おそらくこの中間方針全体を流れる一つの基調とでも言えましょうし、一ページに転換期にある卸売市場ということで特筆対処しているわけであります。私は、市場は転換期にあり、市場機能が低下しているということは、私なりにも見取ることができますが、しかし、一方で、一体卸売市場制度の優位性は何かということをこの際改めて見据えれば、卸売市場制度が生鮮食料品を迅速大量に集荷して価格を決めて分化する役割は十分果たしていると。特に小売店が効果的に品揃えをするという面で、他の流通機構にない大いなる優位性を持っているということも見据えるべきであろう、こういうふうに実は思っております。
二十一世紀においても、市場は転換期にあることは理解できますけれども、この市場の機能と役割は変わらないと考えますときに、大変な苦労の末の中間報告とは思いますが、ただ、市場の今後について、私なりの表現で、あるいは耳障りでしたらおわびをいたしますが、危機感が出過ぎてネガティブにとらえ過ぎているような点があるような感じもするわけなんですが、この点は私の受けとめ方も含めて、都当局はどう受けとめているのかまず伺います。

浅倉幹事
市場当局といたしましても、市場が今後とも生鮮食料品流通の中心的役割を維持し、その機能を十分発揮することを期待し、今後とも努力していくつもりでございます。しかし、流通環境は大きく変化しております。中間報告では、市場が今後ともその地位を維持していくためにも、市場外の流通も視野に入れて、これまでの制度に安住することなく、変化に柔軟に対応していくことが必要であるということを強く打ち出したものであると受けとめております。

藤田委員
言い分はないわけじゃないんですよ。やりとりしていますと時間が足りませんから、きょうは承っておきます。
今度の中間報告を読みまして、私が大変印象づけられたといいますか、あるいは目を凝らして注視しましたのは、経済のグローバル化について切り込んでいらっしゃる。これは従来にない点で、言葉が過ぎるかもしれませんが、ある意味の感銘すら受けました。
そこで、経済のグローバル化が生鮮食料品流通にも及んでいることはわかりますが、これを受けて市場にも競争原理の導入を図るべきだと。むしろ、市場活性化のためには、保護よりは競争原理が必要だということが基調になっているのではないかという印象すら受けるわけです。これは私は理解できますし、納得できますけれども、しかし、一方で、都議会議員などという因果な商売でもう二十年間市場を、そう多くはありませんけれども、わりと歩いたり話を聞いたり、実態に触れている議員の一人でございますけれども、その中では、今、零細業者が抱えている問題点はたくさんございますが、共通して出てくる問題は後継者難なんです。
これは、後継者難ということで表現される奥行きは大変深刻であり、切実だということを常に受けとめるわけですが、この競争原理が飽くなく追求されるということになりますと、これは裏返しは弱肉強食でございますから、下手をすると零細業者に、まあ、言葉は適切じゃないかもしれませんけれども、死ねということにつながりかねないのではないかという点が多少神経質になっているわけなんですが、これをどう受けとめているかという点が一つ。
それからもう一つは、新規参入の必要性が強調されておりますけれども、これは関本さんや岡田さんがいらっしゃるところで私が傍目八目みたいなことを言ってどうかは多少ためらいがありますが、私の感じでは、卸や仲卸の数は、それでなくともいささか多いのではないかという感じすら受けるわけですが、新規参入の必要性と卸や仲卸の数の問題のみならず、その数が持っている営業活動などの実情とピシャッと合わせたときに、どういう考えを持つことが適切かという点は一つ思案のしどころだろうと思っているわけですが、この点についてはどうでしょうか。

浅倉幹事
計画部会でなされた議論の中で、先ほど福田委員からもありましたけれども、いつの時代でも産業の革新は外からの新規参入があって発生しているといったことでございまして、本報告は、現在の市場のあり方のままでは、市場そのものが時代に遅れをとり、沈んでいってしまうのではないかということを指摘しております。そういった観点から、新規参入や競争原理の一層の導入が必要であるとしているのであり、私どものそれぞれの業者、業界の一層の切磋琢磨により、市場の活性化が図られると考えております。
また、卸、仲卸の数が多いのではというご指摘につきましては、いろいろなところでもそのような指摘を我々聞いており、私どもも同様な受けとめ方をしております。また、数等新規参入の問題、これはなかなか難しい問題ですけれども、経営体質の強化のため、業務提携や統合、大型化を進めるとともに、活力ある市場づくりを目指して新規の参入についても十分な検討を行ってまいりたいと思っています。

藤田委員
今、答弁の後段にもありましたけれども、二十二ページに「卸売市場の再編・統合を進めていくことが必要である」、これは従来になく踏み込んで、ある意味では前段の分析、いろいろな問題提起の総集約、今度の中間報告の総路線的集約点がここかなと思うぐらい、あまりとらわれないで表現しておりますけれども、市場間格差の拡大とか、市場経営、市場関係業者の経営悪化などは、私なども仄聞をいたしますし、承知している事象もかなりあるわけです。
しかし、私はその一方で、経営、大変になったなと考える一方で、いつも抱き合わせで頭の中に置きますのは、経営が悪くなった市場にも、そこで働く労働者がおるし、そこで働く関係業者がおるという事実、これは簡単なことではないですね。
だから、都市計画的な観点からも市場の再整備・統合の必要は強調してもいいし、あるいは市場の体質改善、市場間格差の拡大、市場経営なども含めた経営状況を見据えた上で、ここは強調することは悪くはありませんけれども、しかし、そこで働いている人たちがたくさんいるということは常に頭から離していけない大切な事柄であろうと踏まえております。
ところで、今後具体的な検討が必要である、こういうふうに書いて書きっぱなし。そこで、この際、参考までに伺いますが、今後具体的な検討が必要であるということをおっしゃる、その奥行きに具体的な検討事項としてどんなものをイメージしていらっしゃるんでしょうか。

浅倉幹事
再編・統合の問題は、長期的な取り組みが必要であると思っています。現時点において、どの市場をといった状況にはありません。ご指摘のいろいろな問題については、十分検討してまいります。今後、具体的な検討を行うに当たっては、市場の取扱高の動向、卸、仲卸の経営状況、買参人の地域分布、市場周辺の交通状況、周辺市場との競合関係及び都市計画的見地から総合的な検討を行い調整し、関係する業界や団体とも十分話し合った上で判断していく必要があると考えております。

藤田委員
繰り返し言っておりますように、限られた時間ですし、最終答申の段階で、そこまで日にちがあるかどうかわかりませんが、発言の機会もあろうと思いますので、質問はこれでやめますが、築地問題について、私は後で意見を申し上げるとして、この総論部分で多少気がかりな点、これは意見としてさっと申し上げます。
都の調査では、年間取扱金額が六百億円以下の市場では、中央市場といえども、経営の悪化や集荷力の低下等の問題が生じている、こう言っています。これは出荷団体の統廃合、産地の市場選別、市場内外の競争激化、卸会社の経営悪化等の進行により、市場の集荷力と価格形成機能を十分発揮するためには、年間取扱高が六百億円程度でなければならないという、都の公式文書ではっきりしております。
ところが、農林水産省の卸売業者等経営体質強化検討委員会の報告を見ますと、売上高規模で青果部では二百五十億円を上回ることは経営の健全性を維持していく上での一つの目安である、こう言っている。それから、都の市場業者の経営基盤強化に関する研究会の報告でも、青果の卸売業者について健全経営の水準に達しているのは三百億円以上の層であるという言い方も一方ではしているわけです。
仮に一市場に二つの卸売業者が入ることが望ましいという前提に立てば、あるいはそういうありようをこれからしばらく続けていかざるを得ないだろうという認識の上に立てば、一市場で五百から六百億円程度の取扱高は必要であるということは私は決して無理な言い方ではないと思う。しかし、例えば震災対策などを考えますと、私がいつも行っております豊島市場などは年間二百億でしょうか、あれぐらいの中堅の、しかも、内容的にはかなりいいぐあいに努力をしている市場、それぐらいの粒の市場が、一たん緩急あったときの震災の際の都民に対する生鮮食品の供給の場、あるいは危機管理の際の受け皿ということで点在するということは、あながち悪いことではない。
したがって、この点も含めて検討する必要があるだろうということを六百億、五百億という論理や指摘を通じて、常々緊急の課題になっております震災対策なども合わせ考えますと、そんな気持ちもありますので、そのことも含めて検討する必要があるという一点だけを指摘しておきます。これは意見です。

髙橋会長
ありがとうございました。
ほかの方で、続いてご意見等ございますか。渡辺委員、どうぞ。

渡辺委員
一言申し上げたいと思うんですが、全体で市場の入荷量というか、そういうものが低下してきているという問題があるわけですね。これは、私は、基幹的施設としての市場の役割、そういうことからいって、これがなくなるという話は、そういう立場に立ちませんけれども、しかし、現状放置しておくということになれば、これはかなり、もっともっと全体としての機能の低下というんでしょうか、そういうことにつながりかねない、そういうような状況にもあるということが言えると思うんです。
なぜかというと、一つは、私が思うのは、この市場外取引、この相対取引というのが非常に増えてきているという実態ですね。これは私、いろいろお聞きするんですが、前回の法改正もありまして、それがさらに拍車をかけてきているということに通ずるのかなという感じもしますけれども、いずれにしても、この集荷された、そういうものの、物によっては八割、九割、これが市場外取引ということになっているという状況をよく聞くわけです。このままで行けば、今申し上げたような、市場の役割というのはどうなるのかなという感じをいつも思うんです。
セリがだんだん少なくなるという問題ですね。大阪の市場なんかを調べてみますと、市場外取引、こういうものがお互いに、上から規制するとか何とかというんじゃなくて、お互いの申し合わせというんでしょうか、そういうような上に立って、うまくその辺がコントロールされているという話を聞いておるんです。ですから、大阪市場では、セリが中心になっているということなんですね。そういうことによって全体としての活性化というものがまだあるということをお聞きしているんです。
そういうことで、このまま放置しておくということになると、さらに競争原理ということで強調されていく。こういうことになると、それがさらに拡大して、今度は産地直接契約という方向へどんどんこれは進んでいくわけですよね、いずれにしても。そういうことで、私、この市場外の相対取引、否定はしません。否定はしないけれども、過剰な取引ということになっているのではないかと関係者から聞きますと、いろいろそういう点は伺えるということですから、その辺の問題については大阪に見習うというか、そういうような立場からの助言というか、そういう点での市場としての指導・監督というんでしょうか、そういうものも強化していく必要があるのではないかという点での意見を申し上げておきたいと思います。
以上です。

髙橋会長
答弁は要りませんね。
ほかの先生方、どうでしょうか。どうぞ、岡田委員。

岡田委員
まず、これまで長期間にわたってご審議をいただいて、中間報告をまとめていただいた部会の先生方に対して、厚く御礼を申し上げます。
一見いたしまして、理論的過ぎるなという感じが強くいたしました。私どもは業界の代表でございますので、そういう立場から見ますと、理論的過ぎるなという感じがいたしましたが、ただいま、藤田委員からのご質問による一種の補足みたいなことがございまして、極めて実態に即した貴重なご意見だったと思います。七月でおやめになるというお話をお伺いいたしましたが、市場関係者にとっては、もっと将来まで長くやっていただきたいと思っておりますが、まことに残念に感じております。まあ、それはともかくといたしまして、第一から第四までに限って申し上げます。この導入部といいますか、総論部分につきまして、今申し上げたように、どうかなと異論がないわけではございませんが、大筋として、私はこういう考え方になるのかなという感じがいたしますので、その点を意見として申し上げさせていただきます。

髙橋会長
ほかに。
川島委員。

川島委員
一消費者という立場で発言するのは、きっと私一人なんではないかと思います。
大変にまとまった、ほんとうに今おっしゃったように、理論的な中間報告というふうに拝見したんですが、ちょっとやっぱり理論的過ぎて、人間不在、都民不在になるのではないかと思って、ちょっとそのあたりがこれからの議論のあり方にかかっているのではないかと感じたわけでございますけれども、やはり一人一人の人間、住んでいる人たち、私ども、地域でございますから、考えますと、やはり高齢化というような問題が、ここのところに来て大変に押し寄せてきております。そういう場合に、高齢者がひとり暮らしで、果たして安全な、そして安価なものをいただいて生活していくことができるかどうかということが、やっぱり一番関心事でございますので、そのあたりも、一人一人顔を思い浮かべながら、これから議論の中身を細かくしていただきたいということが、意見でございますけれども、そういう感じがちょっといたしました。

髙橋会長
ありがとうございました。
ほかの先生方、いかがですか。ございませんか。
ほかにご意見がないということであれば次に進みますが、実は、今日は土屋委員がご欠席でありまして、コメントを預かっております。私から、そのコメントの概要を読み上げさせていただきたいと思いますが。
ちょっと読みます。
「本日、市議会開会中のため、やむなく欠席いたします。事前に配付されました中間報告を拝見し、全体には賛意を表します。しかし、私は、東京都市長会より選出された委員として、次の意見を申し述べます。築地市場の問題でありますが、私は、昭和五十八年以来今日まで十七年間にわたり、本審議会の委員を務めてまいりました。が、この間、常に築地市場の問題についてさまざまな議論が重ねられてきたことは十分承知しております。しかしながら、現在地での再整備が決定されて十年を経過しても、本格工事に入れないということはまことに残念であります。築地市場も、開場以来六十有余年を経過して、老朽化が進んでおり、建て直しが急務であって、このまま放置すると、都民に対する生鮮食料品の安定供給に支障を生じかねないと思います。東京都は、築地市場の整備の問題で、いたずらに時の流れを待つのではなく、市場の開設者として、主体的に責任を持って、一定の方向を示すべき時期に来ていると考えます」と、こういうコメントであります。
それでは、ご意見、ご質問等が出尽くしたということのようでございますので、まとめたいと思いますが、第一から第四までの説明に対するご意見等は終わったということで、中間報告の方向で了承されたものと取りまとめたいと思いますが、よろしゅうございますか。
(「はい」という声あり)

髙橋会長
計画部会の皆さんには、今回のご意見を踏まえまして、最終報告の取りまとめをよろしくお願いしたいと思います。
それでは、これからは、第五「市場別整備方針」についてでございます。ご質問ございますか。
矢田委員、どうぞ。

矢田委員
中央区長の矢田美英でございます。
本日の審議会、大変重要な会議でございまして、注目を集めているわけでございます。本日、会場にも、特に、築地市場の将来がどうなってしまうのかということを心配されて、市場関係者、大勢お見えになっておられます。また、私のもとにも、各方面からさまざまな多数のご意見、ご要望が寄せられてきております。築地市場、現在地再整備を主張する方々からは、先ほど土屋委員のご意見もありましたけれども、現在地の築地でできない理由はないと。東京都ができない、できないと言うのは、やろうという意思がないからである。だから、できないのである。我々、東卸の皆さんは、こうすればできるという再整備案を提案しているのですから、それに沿ってやっても必ずできると。
また、移転により、重厚長大な市場をつくるということは時代おくれであり、この地理的利便性にすぐれた築地で再整備したほうが、都民のためにも、また業界のためにも役立つ、こういうご意見が寄せられました。
また、移転再整備を望む方々からも、強い要望、ご意見をいただきました。このまま現在地で仕事をしながら工事を進めるというローリング方式で整備、建てかえをするということは、工事期間も長く、その間の業界の疲弊も大変である。完成したとしても、我々が望むようなすばらしい市場ができない、できやしない。もっと広い場所に移転したほうがいいのではないか、こういうご意見ですね。
また、現在地再整備を全会一致で決議している中央区議会におきましては、移転ということは地域の存立にかかわる重大な問題である。東京都は、移転、移転と言っているが、ちゃんとした土地は確保しているのかどうか、こういう疑問も、議会では再三にわたり論議されてきたわけです。
こうした私に寄せられた各方面からのご意見、ご要望を踏まえまして審議を進めたい、こういうふうに思うわけでございますが、ただいま報告がありましたとおり、中間報告で、築地市場についての現在地で整備することは困難であり、早急に移転整備について検討する必要があるとの方針が明記されました。しかし、この築地市場についての記述、本文、わずか五行ですか。五行といっても、そのうち一行は一文字ということですから、これは実質三、四行なんでしょうね。文章にしてもツー・センテンスということですね。一貫して東京都が、現在地で再整備するのであるという方針を転換する、その記述しているのは、あまりにも簡潔といえば簡潔ですけれども、説明不足、不十分過ぎるのではないかな、こういうふうに私、今日、ただいま感じるところでございまして、これでは、先ほど紹介したような、私に寄せられたご意見、ご要望にも、寄せられた方々も納得できないんじゃないかな、そういうふうに思うわけでございました。
そこで、何点か、これをつくられた計画部会の皆様方にちょっと意見を聞いてみたい、こういうふうに思うわけでございます。
計画部会の皆様方、役目上、ほんとうにご労苦が多々あったと思うわけでございます。そこで、大森さんは東京都のOBでもありますし、もう聞かなくても大体──というか、もう完全にわかりますから、それぞれ、もうしょっちゅう会っていますし、上原さんと鴇田さん、それから福田さんの、これをつくられた先生方、移転整備を検討すべきであるということでございますが、この移転整備、その移転先ですね。ここはどこに確保されるのか、それを述べていただきたいと思います。
また、困難であるということでございますけれども、ほんとうに困難なのかどうか、その点も、これではほんとうに抽象的過ぎるわけでございまして、具体的に説明いただければ大変ありがたいと思うわけでございます。それぞれご答弁、お願いいたします。

上原委員
先ほど、レポートが極めて理論的だというお話がありましたので、私も、具体的なことではなくて、理論的にお答えしようと、そういうふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
まず、移転先につきましては、私は、どこというよりも、私たちが考えていたのは、少なくとも現在の築地市場では、面積的、それから、今後の再開発の方向から見て、新しい卸売市場には適応していけないだろう、そういうふうにして判断しております。ですから、規模的にも大きいものが必要ですし、もう一つ開発していくとき、いろんな設備をつくっていくときの柔軟性が保証されていないとだめである。しかも、それはスピーディーに建築できるものじゃなければ。そうしますと、今のローリング方式でやりますと、かなり時間がかかるんじゃないか。
それで、実は、私たち、この報告を書いているときに感じたんですけれども、なるべく早くこの方向に市場が変わっていかないと、これは大きな流通再編成の中で、僕は、後から、もしくはあと十年ぐらいたってから、あの時ああいうことをしておかなければという後悔が出てくるんじゃないか、これを、私は基本的に思います。
それを踏まえまして、もう少し補足させていただきますけれども、卸売市場は大きく分けて二つの機能があるんですね、これは歴史的に見ても。原則的に言うと、これは中間流通機能ですね。これは、生産と消費との間の。
もう一つは、卸売市場は場外という形で、最終消費者との接点という機能も持ってきたわけです。おそらく、文化とかそういうところを言うのは、そちらの方面を強調しているきらいがあるんです。ですけれども、築地というのは、ほんとうに機能として生かしていくためには、中間流通機能なんですね。
一つは、やや小売的な、地域の住民に対応していくもの。
もう一つは、やはり機能から見ますと、全国流通の拠点であるし、首都圏の拠点である。この機能が、今のところにいますと、これは、量販店とか、いろんなところが新しい流通システムをつくってこようとしますから、それにもし、このままで負けてもいいというのであれば、私は移転しなくてもいい。ですけれども、今までの蓄積した資産をやっぱり生かしていかなければだめなんですね。これを生かしていくという方向を考えたら、やはり今よりももっと設備の充実ができるような柔軟性のあるところと、規模の大きなところに移転しない限り、衛生面から見ても、物流機能面から見ても。特に新しい流通では徹底した物流機能が重要視されると思うんですね、流通センター的な位置づけが。ですから、その辺を見たら、私はもう移転せざるを得ないだろうと判断しております。
簡単ですが、以上です。

鴇田委員
鴇田ですが、移転先をどこにするのかというふうな、そういう問題は、我々の計画部会ではほとんど問題にはなりませんで、むしろ現在地での再整備が可能かどうかというふうなことについては、かなりの時間をかけまして審議しました。実は私は、この計画部会の前に、平成七年から八年にかけて、市場使用料を検討する研究会というのがありまして、そこの座長をやっておったわけですけれども、そのときには、都市計画の専門家を含めて、何人かの専門家がやはり一年近くかけて議論したわけですけれども、私どもの結論としては、現在の市場使用料というのは、いわゆる周辺の相場と比べて非常に安くなっていると。確かに市場での公共性は持っているけれども、それだからといって、ほかと比べて極端に安価にするということは、その分都民に対してしわ寄せをしているということになる。そういう点で、当時、業者の方々は、とてもそんな高い使用料を払えないというようなことでしたけれども、築地のように銀座に隣接していて、しかも、使用料というのは、全都的な中央市場の、プールして決めているわけですから、極端に格安になっているわけです。それですら支払えないということで、私どもの委員会の結論としては、それであるならば、土地の利用というような観点から考えても、より適切なところに移転すべきではないかというようなことを、既に平成八年の段階で私どもは強調しまして、それは残念ながら、ほとんど市場審議会には結果を報告されなかったと思うんですけれども、今回このような議論がまた繰り返されまして、私としては、ほんとうに築地を基幹的な、日本の中心的な市場として再生するには、現在地ではあまりにも狭過ぎるし、それから、現在地の再整備というのは非常にコスト的にも、既にこれまでのところ、四百億円近い資金を投入されたと聞いていますけれども、それを償っても余りあるほどに高価につくと私は考えております。
そういう点で、ここでもう繰り返しませんけれども、新たな基幹的な市場としての再生を図るには、いずれ物流の拠点としての機能は、どんなふうに将来の市場のあり方が変わっても残るはずなんですね。さらに、総合的な市場というような必要性も残るはずなんです。そういう観点を考えると、現在地での再整備というのは非常に困難であろう。そのコストを、結局都民に負わせることになるだろう、そういうような観点で、私はこの提案に賛成したわけであります。
以上です。

福田委員
二つのご質問だったと思うんですが、まず移転先を考えているかどうかと。それは、私たちの部会ではちょっと役割を逸脱しているのかなという気がいたしまして、お二人の委員がおっしゃったように、現在地での再整備が可能かどうかというところをまず審議をして、それで、やはりそれは無理だという決定が出た段階で、それがこちらの意見として出せれば、ほんとうはきちんとした移転先についての交渉が行われるんだと思うんです。でも、決定がなされる前に、先に交渉するわけにもいかない、移転先を決めるわけにも、私たちはいかないという役割の部分が一つあるというのを申し上げておきます。
それから、現在地での再整備は困難なのかというのは、もうお二人がおっしゃったとおりで、いずれにしてもローリング方式というのは、時間とコストを考えると、非常に長期にわたって、それからコストもかかるだろう。少なくとも、ITと言わないまでも、情報化を考えて、これから情報化がなくなるということはあり得ないということを考えると、相当なインフラ整備をしなくちゃいけない。それには、ローリング的なものではなくて、部分的なものでも難しいだろうと。全面的に、やはりインフラをきちんと整備しなきゃいけないだろうと思いますと、ちょっとローリング方式は、時間とコストの面で現実的ではないだろう。
それからもう一つ、現実的でないと思うのは、これは食品を扱うところである。工事をしながら、ばい菌とは言いませんが、どのような粉塵が出たりというようなことを考えると、あまり衛生面でも適当とは思えないと思いますので、やはり現在地での再整備は、よっぽど画期的な案が出れば別ですけれども、現状ではちょっと無理じゃないかなというのが、これは私の意見でございます。

髙橋会長
矢田委員、どうぞ。

矢田委員
それぞれご答弁、ほんとうにありがとうございます。感謝申し上げます。
今、それぞれご答弁いただいたとおり、現在地での再整備、これは困難であるということは十分に審議されたということでございますけれども、移転先、これは全く問題にならなかったということですね。論議するのは僣越であるというようなことで、タッチされていない。これで果たして、移転、移転と言われるけれども、移転先が確保されるのかどうか。これは、千二百万人の都民の台所と言われる、毎日の日々の生活を守る、この皆様方がもうほんとうに不安じゃないでしょうかね。こういう安易な方法で、これまでの現在地で再整備という方針を転換して移転整備を検討するというのは、ちょっと私自身、納得できない。行政の長としても、また、地域の立場からも。
また、今日、移転を望む方々も大勢おられるわけですけれども、移転を希望する方々だって、ほんとうに移転先というのは確保されるのかどうか、これ、不安を持っているんですよね。こういうことで、果たしてどうなのか。先日の市場長の答弁でも、七月でしたかね、あれ。土地交渉、六月ですか。六月にあったこの審議会でも、まだ豊洲の東京ガスとの交渉、うまくいっていないんだという──うまくいってないとは言ってないですか、進めていると。ただ、その経過については述べられない、交渉中であるから述べられないということでございますけれども、やはりこういう重大な決定をするからには、ちゃんと土地なり何なりを担保して決定すべきである、そういうふうに私は思うところでございまして、今日、これからどうなるかわかりませんけれど、時間の制約もありますし、他の委員もご質問したいということでございますから、やめますけれども、私としては、この移転先も明確でないまま、また全然論議しないままで移転整備ということを打ち出したということ、これは納得できません。
以上でございます。

髙橋会長
ちゃんと軌道を戻してやりたいと思いますが、第五は、「市場別整備方針」ということでございますが、矢田委員からせっかく築地の問題が出ましたので、ですから、まず築地問題を中心にご議論、あるいはご質問等をいただきたいと思います。

比留間委員
築地が先ですか。

髙橋会長
築地だけまずやりましょう。

大山委員
今、矢田委員のほうからもお話がありましたが、築地市場の再整備の項目は、大変短い文章で書かれております。私は、これは、将来のあり方として検討していくというのは、これはこれでそうしなければいけないんだなと思っております。また、都市計画的にもいろんな問題がありますから、それはそれでもってありますけれども、しかし、今、矢田委員からもあった移転先、そして移転の時期、おおよその目標、それを定めてあげないと、少なくともあの築地市場で今、お仕事をしている人たち、生活をしている人たち、この人たちが、じゃあ、我々は何を目標にすればいいんだという目標もできないと大変だと思います。それにつけて、この築地市場の今後の問題については、その点をきちんと触れておくべきではないかなと思っております。おおむね何年必要ならば、その間の業者の方たちが働きやすい環境をどうつくっていくんだろう。ある程度のことに触れないと、答申としてまとめるにはちょっと欠けるのではないかなと思いますから、その点だけ触れておきます。
以上です。

髙橋会長
はい、わかりました。
ほかに、築地問題についてご発言ありますか。はい、どうぞ。

川島委員
今おっしゃったことにも関連いたしますけれども、消費者の立場として、築地の問題、移転、それから現在地ということはまだ先のことになると思いまして、ちょっとここでは意見として申し上げることもできない状況でございますけれども、やはり一日一日が大事だと思います。毎日毎日食べて暮らしているわけですから、やはりその面で、例えば現在の築地の市場を整備しながらやらなければならないという状況は必ずあると思いますので、その意味からも、衛生面、ごみの問題、リサイクルの問題、たくさんの問題があると思います。そういう面は、やはりそのまま放置して先へ進むことはとても私は承服できないと思いますので、やっぱり安心して、安くて、そしておいしいものを食べていけるという状況は、一日一日大事につくっていっていただきたいと思いますので、大変難しい問題だと思いますけれども、その点、再整備なり、それからローリング方式なり、どういうふうになさるのかわかりませんけれども、やはり安全なものをぜひとも安定して供給していただくという形は、ぜひとも一番大事に、最優先にしていただきたいと思っております。

髙橋会長
はい。
それでは、ほかに。関本委員。

関本委員
築地市場の代表といたしまして、関本でございます。
再三同じようなことを申し上げておりますので、重複する点も多々あるだろうと思いますし、また、今日は皆様の研究成果もこのようにしてご披露いただいて、私どもも大変感謝いたしておるわけでございます。
大筋においては、委員の方々のご意見と申しますか、中間報告に載っております部分において賛成をいたすわけでございますが、最後にまた申し上げるんですけれども、二十三ページの、これは基本方針ですね。それから、中間報告の三ページにもございますように、築地市場の部分において述べられておるような移転という問題も出ておりますけれども、私としては、「移転を検討」でなく、「移転」ということで、ひとつご報告願いたい、かように思っておるわけでございます。
それでは、結論が先になりましたけれども、意見を一言申し上げたいと思います。今、市場内の再整備に対する内情に触れまして、私も審議会の一人としてご意見を申し述べなければならないという立場でありますので、これから申し上げたいと思います。私の意見が、委員の各位のお話になった点と重複する点も多々あるだろうと思いますけれども、ひとつご容赦のほどを願いたい、かように思います。
ご存じのとおり、築地市場の再整備につきましては、業態別に六団体でそれぞれ検討をされておるわけでございます。すなわち、水産の卸売業者、買参業者、青果業者、関連業者の四団体は移転整備を主張いたしております。また、水産の仲卸業者、買出人の二団体は、現在地再整備を主張しておられます。先日も、私のところに、前出の東京魚市場卸協同組合並びに東京都中央卸売市場買出人団体連合会の二団体から、理由としては、交通至便で地域と調和し、かつ災害時の食料等供給地としての機能を十分に発揮できる現在地こそ、市場用地として唯一適切である。なるがゆえに、現在地の再整備を要望している旨を伝えてほしいとの要請がございました。
しかし、一方で、移転推進を望む四団体からは、本審議会で、ぜひとも移転の方針を明確にしてほしいという要請もありました。いろいろそういうご意見もあるわけでありますけれど、私も審議会の委員として、私の意見を申し上げさせていただきますと、私は移転を望みますということを申し上げたいと、はっきり申し上げておきます。
築地市場の現状を打開し、新しい流通に対応した市場を実現するためには、広大な豊洲地区への移転以外には方策はないと思っております。現在地で営業を続けながら、長期にわたって工事を行うことは、市場業界への影響もさることながら、狭隘の解決策にはならないばかりか、市場機能そのものを麻痺させることになり、都民の台所並びに首都圏の基幹市場としての役割を果たせなくなることは必定であり、豊洲地区への移転整備を要望するものであります。
現在の築地市場は、石原都知事がたびたび発言をなさっていますように、「狭い」「古い」「危ない」と、こういう言葉で表現されるような市場でありまして、何としても抜本的整備が不可欠と言われているとおりでありまして、平成二年度から再整備工事が着手されまして、取引を続ける中で、仮設卸売場、駐車場の建設が長年にわたって行われておりまして、当初の計画では、平成十五年には完成する予定の再整備が、現在もまだ基幹施設の建設にすら入っていないというような状態であります。現在地にこだわっていると、いつまでたっても整備ができず、市場業者の営業の状況は極めて厳しく、長期間のローリング工事は経営の悪化を助長し、市場の活力を衰退させるわけでございまして、今、武蔵野市長のほうのご伝言にもよく表現されておるだろうと私は思っておりました。
一方、バブル経済崩壊後、消費と流通は大きく変化してきております。小売業態の変化や、インターネット時代への対応、とても市場の中で、今のままで、インターネットには対応できません。新しい流通に適した基幹市場をつくれるかということこそ重要となってきており、新天地で新しい市場を建設し、流通コストの削減と衛生環境対策の充実を実現することこそ、全国の出荷者や全都民、消費者の期待にこたえる道と考えております。
来年の四月の本会議の報告では、「移転を検討する」という報告ではなく、「移転すべきである」と報告していただきたいと存じますが、ただいま、いろいろ議論にも上っております用地交渉の真っただ中でありますので、今日の段階では、部会の中間報告の原案を支持するものであります。
なお、つけ加えさせていただきますと、現在、移転までの間、築地市場の基幹市場としての機能を維持していくのにもう精いっぱいなところへ来ています。流通の変化に対応できるように、ぜひとも適切な整備をしていただくことをあわせて要望いたすわけでございます。
先ほどからいろいろ出ておりますけれども、実情をおわかりにならない方は、悠々と、毎日毎日を大事にして整備をなさってくださいというようなお話もあるわけでありますが、まことに恐縮でございますが、そんなゆっくりしているような状態でないということを、私は申し上げなければなりません。
まず第一に、場内に冷蔵庫がたくさんございますが、その冷蔵庫の中で、今、具体的に申し上げますと、新聞記者の方もおられますので、ちょっと差しさわりもありますから申し上げられませんが、今年に入って、三件ばかり、いろいろ大きな事故が起きております。そういう問題は、結局建物の機能、今まで使っていた冷凍機能が、もう今ではそれが現状に合っていないというものもあるわけで、何とかひとつ、限界を通り越している状態でありますので、これを直さなければいけない。しかし、どっちに傾くのかわからないのに、何千万、何億という金をそこへ投じるわけにはいかないというのが業者の今の現状であると、かように思っております。
それから、青果部の駐車場の不足というものが、これは深刻でありまして、歩道側の公道にはみ出して、朝晩非常に支障を来しており、いつも築地警察署から文句が来ていると、こういうようなことで、まことに残念でありますが、これらの解消にも早く手をつけなければならないだろう、かように思っております。
また、場内の動線の確保という問題、それから、出荷者が、出荷時に、自分が思うところに出荷物を着地させるという問題。こういう問題が非常に困難になってきています。特に今朝などはもう大騒ぎで、どうなるかなと、こう思って、中には、おろさないで帰ってしまった車もあるような状態を呈しております。そういう意味から、それから、中へおろしてからの搬入、搬出、このコストが非常に高くついておりまして、卸売会社のほうは、消費者にはご迷惑をかけないつもりでおりますけれども、中間業者、また小売業者の方々は、コストの上積みにもつながってくるということは、残念ながら、消費者へ対しましても、そのはね返りが行くのではないかな、かように思っているような状態でありますので、一々細かいことを申し上げて恐縮でございましたけれども、一日も早い再整備の決定というか、していただいて、それに基づいて、関係業者が一致団結して、現在の商売も、営業も十分にやっていかれるような対策をとれるようにしていただきたい、かように思うのが私の意見でございますので、しばらくの間は、私どもも限界を超えておりますけれども、我慢には我慢をして、自分の商売でござい ますから、やってまいります。そして、全都民の期待にこたえられるような生鮮食料品の安定供給に今後とも努めてまいる所存でございますので、何分ひとつ、都当局並びに当審議会におかれましても、実情をご賢察の上、私が申し上げます先ほどの、ぜひとも移転の方針を明確にしていただきたいということを再度申し上げまして、私の意見とさせていただきます。

橋本委員
計画部会の先生方、大変ご苦労さまでございました。心から敬意を表します。
最終答申に向かっての中間報告の意見ということでございますので、ぜひ最終答申に向かっては、財政論がないわけでございまして、再整備にしろ、移転にしろ、私は、今、市場の会計も非常に厳しいし、神田市場も売って、また一般会計に貸しちゃっているなんていうこともありますし、そういうことから考えますと、やはりしっかりとした建設に向かっての、再整備に向かっての何か基金みたいなものが必要になるのではないかなと思っております。
例えば東京都庁、シティ・ホール等建設基金というのがございました。宝くじの益金を入れたりとか、信託方式の益金を入れたりして、そういう財政の基盤をつくったわけでございまして、ただ単に移転をされたら、今の建設費の十分の一で済むという問題ではなくて、移転をしたということになれば、交通アクセスや接点が必要でございますし、その建設費というのは大変なものがあろうと思います。そういう意味で、ぜひその辺も十分ご論議をしていただきたいなと思っております。
そして、今、私どものテーブルの上には、中央区さんの報告書が出ているわけでございまして、中央区は中央区としての企画部の報告書を出しているわけでございますから、これも十分にご検討の中に入れていただいて、最終答申に向かって、ほんとうにコンセンサスを得られるような最終報告を出していただきたいなと思っております。
さらに、僕は、いつも市場整備に当たって思っておりますけれども、例えば淀橋市場でございますが、今、スロープができてと言っておられますけれども、道路を隔てた真ん前に都営住宅があったわけでございまして、その都営住宅を建て替えるというときに、私は、事務所棟だけは向こうに、合築で移して、そこを広くして、地下トンネルでもいいから、つくってやったらどうでしょうかという意見を申し上げたわけでございますが、依然としてそのまま整備をしていて、今報告でも、「狭隘で」というふうになっているわけでございます。
したがって、私は、整備をするとき、中央卸売市場の職員の担当者だけではなくて、都市計画の専門家やいろんな方の意見を入れるようなプロジェクトのチームをつくって市場の整備をしていったら、もっといい知恵が出て、もっといい案が出てくるのではないかと思っている一人でございますので、その点も含めて、先生方、最終報告に向かってお願いをしたいなと思っております。
以上、二点だけ申し上げさせていただきました。

髙橋会長
はい、どうぞ、藤田委員。

藤田委員
前回だったでしょうか、築地問題の議論が交わされた際に、会長から、「藤田委員、意見はありませんか」と、こういうふうに名誉ある名指しがございましたんですが、「今日はありません」ということで申し上げなかったわけですが、繰り返しこんなことを言って大変恐れ入りますけれども、来年の七月までに、もう一回市場審議会がやられれば別ですけれども、うるさいやつは発言させるなという大矢市場長の思惑で、とぼけられちゃいますと、場合によっては今日がラストチャンスかなという気がしないでもございませんので、矢田さんの顔色を見々でございますが、築地に関する私の意見を、簡潔にこの際述べておきます。
先ほども、どなたかから引用されましたけれども、去る十二月七日の都議会本会議で、都議会第一党で、勢力からすれば私の五十倍もある自由民主党の代表質問で、「二十年という歳月と莫大な経費をかけて、現在地で再整備を継続することは現実的でない。今後の東京の将来を考え、候補地は別として、築地市場は移転整備すべきと考えるがいかがか」という、かなり踏み込んだ代表質問がございました。これに対して、石原知事は、先ほどもご紹介がありましたけれども、「築地市場は狭くて、古くて、危なくて、再整備が喫緊の課題となっている。築地市場の現況を考えると、現在地での再整備はとても困難である」。かなりはっきり答弁をされたわけです。
この知事答弁をどう受けとめるかということは、これからの都議会の論議の責任でございますけれども、私は、おそらくラストチャンスになるのではないかということも覚悟をしながら申し上げますが、この知事の考え方には賛成でございます。申し上げるまでもなく、築地再整備の問題を論議するときには、いろんな観点、いろんな切り口、あるいはそれぞれ置かれている立場によって、温度差や思いは違いましょうけれども、私は、特に昭和六十年以来、当審議会の委員を務めて、この間、五期二十年の任期のほとんどを市場問題に費やして、築地市場の財政問題について、市場機能の面から、財政的な面から意見を申し上げてまいりました。この総括の上に立って、簡単に、以下意見を申し上げたいのであります。
築地の再整備を振り返りますと、昭和六十一年の第四次整備計画の答申で、現在地再整備を明確にして以来、現在に至るまで十五年間、その方針が継続しております。しかし、流通の形態は、今日の中間報告にも総論的に触れられておりますように、大きく変化し、都民の消費の形態も大きく変化をしております。
一方、再整備事業の現状を見ると、仮設工事だけでも、当初計画から数倍の期間を費やし、本格的工事に至っては、勝どき門駐車場のみで、基幹的な設備である卸売場、仲卸売場については手つかずの状況にあります。
また、第六次整備計画の際には、今日の議論の原型とも言うべき議論が行われ、私などは、「築地問題だけで市場審議会は終わったんですか」という、ある意味での批判もいただきながら、長い論議を進めて、再整備基本計画の見直しがされました。しかし、その後の計画見直しでは、いろいろな検討はされたものの、市場当局と関係業界の努力とは裏腹に、再整備のあり方について、業界との調整がつかず、山に登った状況すら見られるのであります。
ここから先は私の主観でございますが、このままでは、現在地再整備の旗を維持することは、築地の灯を結果として消すだけでなく、東京都民に日々の糧を供給するという使命の遂行をわきに置いた状況で、とめどない論議をさらにさらに続けることになるであろうということを実は懸念をし、危惧する一人であります。時代の変化を求める市場の機能面から見ますと、先ほども、業界代表からの強い意見はございましたが、「築地市場は移転すべき」とするところを、「移転を検討すべき」とされた計画部会の報告は一つの配慮だと思います。
したがって、私は、計画部会のこの中間報告を了といたしますが、日本社会のあらゆる分野で構造変化が進む今日、私は、出口のない現在地再整備の旗はもうおろして、二十一世紀にふさわしい基幹市場を移転の旗のもとに目指すことが、とるべき道であり、正しい方向であると確信をいたしますので、あえてその意見を申し添えます。

渡辺委員
最初に質問をさせていただいて、かといって、議会の委員会じゃないですから、用件だけに一応まとめながら質問をさせていただいて、それで、さらに後で意見を述べさせていただくということでお願いをしたいんです。
先ほど、矢田委員からもお話というか、質問がありましたけれども、その中で、この本文の中間報告、この中にあります築地の移転の問題については、ほんとうにわずか四、五行しか書いていないということなんですね。それで、現実に豊洲に移転するという方向で、もう当事者というか、関係者がそれでもって大きな問題になっちゃっているわけですよね。そういうことを考えたときに、この四、五行、これでいいのかどうかという問題も、私、ちょっと考えるんですよ。やはり事務方として、中央市場がこの問題についてどういうふうに認識しているのか、ほんとうに中央市場はもう既にはっきりしているわけだけれども、市場長も、協議会では豊洲なんだということで出しているわけだから。ですから、そういう点では、豊洲へなぜ行かなければならないのか。なぜ豊洲なのかという問題は、やっぱりきちっと明確にして、そして、審議に耐え得るような中身にしていかなければ、私は、中間の報告ということには値しないと思うんですよ。これは、もう何にもなくて、ただ今後こうしたいというようなことであれば、それはこういう形になるかもしれない。しかし、そうじゃないですから、現実は。そ ういうことで、一言やはり、これ、私は事務方の問題として、やはり指摘をしておきたいと思います。それはその点で。
それで、この築地の再整備ということについては十年以上経過しておるわけですね。一番最近では、平成八年、第六次東京都卸売市場整備計画、こういうことで、現在地での再整備というのが基本方針として決定されているわけですね。ずっとこの問題が来まして、そして、つい昨年、ちょっと前ですよね、急に再整備そのものを見直しをして、しかも豊洲のほうに移るというような話が出てきたのは。
そこで、ちょっとお尋ねなんですが、これまで現在地でやれるということで十数年推移してきた。既に駐車場等の問題を含めて、三百八十八億円、これを超える事業費も費やしてきた。ところが、ここへ来て一変して、移転ということでの方針変更、これは一体何なのかと。昨年の十一月、築地市場再整備推進協議会の場で、土地の手当もない、それから、計画内容も明らかでないままに、移転の方向が望ましい。しかも豊洲ということで、市場長はそういうふうに取りまとめたわけです。市場長のそういう発言というか、取りまとめ、一体何がそうさせたのかということで、そこからちょっとお聞きしたいんです。

小栗幹事
築地市場再整備担当部長の小栗です。
平成八年の四月に、当市場審議会におきまして、現在地再整備を継続すると。ただし、これまでの立体配置を平面配置に切りかえるということで方針を決めていただいたわけでございます。それに基づきまして、平成九年十月に推進協議会を開きまして、それに合った案をお示しをしたわけでございますが、残念ながら合意に至らなかった。この際に、例えば冷蔵庫の一部を外に出すとか、あるいは計画規模を縮小する、あるいは性格については一部施設を継続使用しよう、そういうような案を出したわけです。そういった議論がありまして、部会の中でもいろいろ検討したわけですけれど、それが日の目を見なかったという経過がございます。
その間、平成十年になりまして、市場業界の六団体の連名で、「移転の可能性がないのか」という問い合わせがございました。それに対しまして、六月に、東京都としては、全体の意見の一致があれば考えることもあるだろうということがありまして、平成十年の十二月に、その六団体から回答があったわけでございますけれど、四対二に分かれたという経過がございます。そうしたことで、現在地の再整備について改めて検討しようということで、十一年二月から審議会を開きまして、いろいろな案について検討いたしました。東京都がA案からE案までといいますので五案。それから、東卸の修正案等々がありまして、それらをいろいろ検討したわけですけれど、その実現性について、どうしても行き詰まりが出てきた。そうしたことから、平成十一年七月から、その移転整備についても視野に入れて検討しようということで推進協議会の中で話し合われ、先ほどの十一月のまとめになったという経過でございます。

渡辺委員
何がそうさせたかということについての直接の内容はなかったと思いますけれども、質疑をどんどんやっていくと、時間のことがありますから、ですから、一応今日は質問しながら意見を出すということにしたいと思います。
いずれにしても、土地の問題なんです。この土地の手当というのが、これは前の審議会もそうだったですけれども、これはあれからたっているわけですけれど、この解決はしたんですか。

小栗幹事
豊洲の最大の地権者が東京ガスでございまして、豊洲とまだ決定をしたわけではございませんけれど、その可能性について、現在、東京ガスと交渉いたしております。昨年の十一月九日に推進協議会で意見の取りまとめをいたしまして、その後、種々のやりとりをする中で、東京ガスから六月二日に質問状が出てまいりました。それに対しまして、六月二十八日に東京都としての回答をさせていただいております。現在、具体的にオーケーというまで行っておりませんけれど、市場が移転した場合の、従来の東京ガスの開発計画がございまして、それとの調整を行っているという段階でございます。

渡辺委員
そうすると、その土地の問題については、開発の調整を行っているということなんだけれども、それは解決できるという、そういう方向なんですか。

小栗幹事
私どもとしては、それを合意できるように最大限の努力をしているところでございますし、できないという考えではおりません。必ずやできるものということで対応しております。

渡辺委員
そうしたら、そういう方向だということでちょっと考えますと、一つは、その中で、東京ガスからの質問状がありますね。これはなかなか出さなかったという問題がありますけれど、マスコミで公表されておりますから、はっきりしているわけですけれども、その中に、芝浦工業大学との合意という問題がありますね。これについては、どういう考え方で今おられるんですか。

小栗幹事
芝浦工大ともお話を申し上げておりますが、芝浦工大としては、市場が近くに移動するのなら、改めて検討したいというお話をいただいております。

渡辺委員
そうすると、芝浦工大も、そういう点で、東京ガスが一応オーケーということになったら、それでオーケーということなのか、それが一つ。
それからもう一つは、東京都がこだわっていた豊洲の先端部分ということについて、この辺についてはどうなるんですか。

小栗幹事
具体的に内容は申し上げられないわけでございますが、今、渡辺委員のお話にもありましたように、できる限り、例えば立地をする場合に適した場所を私どもが確保するという前提でお話し合いをしているということでございます。

渡辺委員
芝浦工大の問題、それから、先般のいろいろな問題、私は大きな問題だと思うからご質問しているんですけれども、それからもう一つは、六省庁との合意というのがありますね。そうすると、あそこのフレーム、いわゆる豊洲の土地利用のフレーム、これは全面的に改定するということになるんでしょうか。これは平成八年に見直しをしたばかりなんだけど、そういうことも前提として考えてよろしいんですか。

小栗幹事
市場が行くことによって、豊洲晴海計画の一部見直しが出てくるだろうと思っております。ただ、基幹的な部分であり、例えば道路の計画であるとか、あるいはモノレール、「ゆりかもめ」敷設の、そういった基幹的な、基本的な部分については、それほど大きな変更がないという理解をしています。

渡辺委員
基本的な変更がないということにはならないと思いますよ。あそこのところに全体で百五ヘクタールでしょう。それも、全体としては、豊洲の護岸工事ということで、十四ヘクタールを新たに埋め立てをして、それで百五ヘクタールですよ、実際ね。その中で、例えば東京ガスは持っているのが五十ヘクタール。今、区画整理をやっているから減歩率が二八%。幾つになるか、三十五、六ヘクタールになるんですよ、減歩率二八%を引いたら。そういうことはどういうふうになっているのか、この辺もちょっと聞かせてください。

髙橋会長
移転先を特定しての議論ですけれども、今日の議題の中身というのは、今後どうするかということの方向づけですから、だから、移転先まで特定するようなところは、まだですね。

渡辺委員
そういうことをおっしゃいますけど、前提として先ほど私、一番最初に言いましたけど、ここのところで、例えば、再整備であそこでは難しいと、だから、ほかに移転すべきだと、こういうようなことで結論を出そうという話なんですけれども、実際はですよ。ところが、現実には、市場長が豊洲移転という方向が明確に打ち出されているという問題があるから、市場の中での関係者の中にはほんとうに混乱が起きているわけですよ。そういう問題をはっきりさせるということにしないと、じゃ、豊洲なのか、豊洲は全く関係ないよということでほかに移るのか、そういうことも含めて、関係者がその辺は知りたがっているところですよ。豊洲だということだから賛成しましょう、豊洲じゃなくて、どこかの幹線道路のふちに移る、あるいはまた海もあるから、そういうふうに簡単にいかないけど、どこに移るって場所が違えばまた違ってくる。そういう問題もあるわけです。だから、私は、そこで今日は、豊洲という問題が中心になって、市場の中では動いているわけですから、そういうことから、私は今、大きな問題として市場に伺っておるわけですよ。

髙橋会長
市場当局は、それはいろいろ研究しておるんでしょう。だけど、あくまでこれは内部的な話でありまして、今日は審議会の場でありますから、審議会として、この問題にどういう方向づけをするかということを今日は決めていただいて、具体的には、さらに計画部会でそれを取り上げてもらってまとめてもらうと、こういう段取りだと思いますけどね。だから、特定してしまいますと、踏み込んで先の話になっちゃいますから、事務局もあまり答えられる立場じゃないでしょう。

大矢幹事
今の渡辺委員からの質問は、詳細がいろいろなご質問でございまして、これは前回申し上げましたけど、豊洲というのは、一つの最有力候補地、相手があることでございますから、今交渉中でございます。そういうことで、都として豊洲とはっきり決めたということではございません、そこは誤解のないように。一応、最有力候補地ということです。ただ、先ほど部長が答弁をいたしましたように、豊洲に対して、いろいろうちのほうから回答を申し上げ、最大の努力をしておりまして、必ずやご理解いただけるものと確信をしております。先ほど減歩率であるとか、あるいは六省庁協議とか、あるいはほかの豊洲晴海計画の修正の問題、これらについては、現在ここで申し上げるような状況になってはございません。ご理解いただきたいと思います。

渡辺委員
私は、そういうことについては、知事もマスコミも大体そろって、そういうことで「最有力候補」なんていう記事なんか出てませんよ、そんなのは。だって、市場長の答弁というのは、協議会で答えたというのは明確に豊洲なんだから。だから、そういうことからいったら、今の話というのは全然違いますよ。あえて私は、これ以上、皆さんがそういうことをやれば、細かいことというか、基本的なことでも、豊洲という問題についてはここでは言いませんけれども、いずれにしても、考え方としては、そういう方向で進んでいることだけは間違いないんだから。そうでしょう。だから、私はそういう点で、これ以上の問題については、じゃ、どうするこうするということは後でまたしかるべきところで意見を述べますよ、あるいはまた質問しますよね。
まあ、それはそれとしてやりますけれども、じゃ、もう一つ、豊洲ということじゃなくて、市場の中でのいわゆる全体の合意、この問題について、最後に一言だけお聞きしておきたいと思うんですが、先ほど関本委員さんから、各団体のそれぞれの立場というものが報告されましたけど、私は、団体の数でもって判断すべきじゃないと思うんですよ。例えば、先ほどお話があったけど、買出人、市場外というんですか、そういうところとか、あるいは中央区で言えば、中央区の区民の皆さんが、一気に十万以上の署名を集めて陳情するとかいう話がありましたね。中央区にとってみれば、私も、あそこは地場産業ということで言えば、大事な市場だと思います。だから、中央区からあれがなくなったら中央区はどうなるのか、中央区の中での築地、築地と言えば中央区、こういうことになっているわけです。そういうことで私思うんですけど、あそこから行くか行かないかというのは別として、とにかく関係者の合意というものを取りつけられる、そういう自信があるのかどうなのかという問題だと思います。これは前からもお話があったけど、あの市場もそういう立場ですけれども、ほんとうに六団体が一致できるならばというのがあったわけだけど、それが今や崩されて、何か数でもって強行していくと私は受けとめているんですけれども、そういうことはないようにしてほしいと思うんですけれども、その辺はどうなんでしょうか。この現状のままで行っちゃうんですか。

髙橋会長
大矢幹事。

大矢幹事
全団体の一致という、かつてそういう表現を東京都がしたことは承知をしております。そういう経過がございましたけれども、現在地での再整備等いろいろ進めている中で、いろいろ案を出して検討した結果、再整備推進協議会ですけれども、ここでは無理だという結論に全体としてなってきたわけですね。したがいまして、全員が賛成するのは、ほんとうにそれはありがたいことなんですけど、それを得るのはいろいろな手続をするにも至難の業でございます。そういう状況の中で、かといって、反対を無視するとか、あるいは反対を俎上にのせないとかということではございません。いろいろ議論を徹底的にやって、それが昨年の十一月九日に意見集約をされたわけでございます。それを踏まえまして、今も反対をされている方にも、説明の機会を設け、あるいはこちらから行って説明をして、最後は理解をいただけるという努力を最後までしていきたいな、こういうふうに思っております。

髙橋会長
よろしいですか。

渡辺委員
囲いをしない質問だからということでさっき限定しましたから、じゃ、後で意見は申し上げます。

髙橋会長
どうぞ、岡田委員。

岡田委員
簡単に言います。青果関係の業界代表で審議会委員をやらせていただいております関係から申し上げます。結論から申し上げまして、話を中間報告に戻しまして、ここに限定して申し上げますが、中間報告に書かれている移転整備について今後検討する必要があるという考え方に賛成でございます。中央機関の移転か現在地整備かということでやってまいりました、もう待てません。先ほど関本会長から言われたように、業界としては、ああいう状態で仕事を続けられません、ほかの市場との格差ができます、それに新宿の問題がちょっと出ましたけれども、新宿も大変な問題を抱えております。築地が進まないと新宿はやれないわけでございますから、その点からいたしましても、新宿だけではございませんが、ここでこういう方向づけをしていただきたいと強くお願いをいたします。
それから、単なる審議会委員として申し上げますが、私のところにも、水産の仲卸業者の方からお手紙が参ります、現在地整備をやってくれ。そういう方にも申しておりますけれども、私は二十五年前に、昭和五十年ですが、農林水産省で市場課長をやりました。先代の課長からその前の課長から、大井の埋立地に土地を確保してくれたんです。そこに築地と神田両方が移ってくれるようにといって、東京都や業界の方々に強くお願いをいたしましたが、けんもほろろでございました。その当時からその意見は変わっておりません。中立的な立場からいたしましても、私は移転賛成でございます。以上でございます。

比留間委員
はい。

髙橋会長
はい、どうぞ。ちょっと待ってください、築地を......。

比留間委員
築地です。私は、この委員会、初めてでありますし、三多摩のものですから、発言を控えようと思っておりましたけれども、いろいろな皆さん方のご意見を伺いますと、この中間報告のように、現在地で再整備が無理だということであれば、移転整備について検討する必要がある、この案に了といたします。

髙橋会長
築地問題については、この程度でよろしゅうございますか。

渡辺委員
質問はしましたけれども、意見を。

髙橋会長
ああ、そうですか。簡潔にお願いします。

渡辺委員
意見はきちっとそろえてきたんですよ。だけど、皆さんが、そういうことで簡潔に、簡潔にと言うから、私は、決して違ったことを質問しているとは思っていませんから。これからの部会でいろいろとご議論していただく、そこに反映させていただくということで、こういう具体的な基本的な問題も私は私の立場から申し上げているつもりですから、ひとつその辺はよろしくお願いしたいと思います。
意見についてもちょっとまとめてきましたけど、簡単にします。私は、現在地の再整備ということで、いろいろ時間がかかる、あるいはまたお金がかかるというような問題が出されておりますけれども、この問題については、十数年来、ずっとやはりあそこでやるべきだという、そういうことでここの市場の審議会の中でも一致してきたことがあるわけです。情勢の変化ということはあるにしても、あそこで決してできないということではないと私は思うんです。市場を運営しながらやっていくという点では、確かに大変だという問題はあります。これは大阪市場の経験もございます。そういう点で、市場そのものが、ほんとうにやろうということの決意が固まれば、私は決して不可能なことではない。そして、みんなの合意を取りつけるということも決してできないことではないと私は思うんですよ。今、そういう点で、どちらかというと、関係者団体の中で、移転促進ということの数のほうが多いという状況がありますから、そういう点では、そういう方向で市場が動いているんだろうと思いますけれども、しかし、団体の数でなくて、関係者の数で見ると、私は、そういう点では現在地の再整備という点での人たちのほうが多いのではないかという感じもしないわけではないということですね。そういう点で、財政的な問題についてもちょっと申し上げておきますが、財政的な問題については、お金がないということで言えば今もない。
しかし、東京都に対しての貸し付け二千四百億円はあるわけですね。どうしても今すぐ必要なんだと言ったら返してもらうということだって、これは立場として言えるわけですよ。だから、そういう点でお金がないわけじゃないと。私は、さっきもちょっと言いましたけれども、三百八十八億円という金を、まず駐車場からということで取り組んできたわけでしょう。それが実際、何で本体の基本のところの再整備というところで十何年、放置してきたのかという問題だって、これは大きな問題だと私は思うんですよ。それは市場がほんとうに取り組もうという決意がなかったから、そういうふうになったんじゃないかという感じもしないわけじゃないと思っております。
それから、先ほどもちょっと申しましたけれども、豊洲の問題との関連で一言だけ、もう一回申し上げさせてもらうと、いわゆる、あそこの土地利用の関係ね。この辺の問題がどうなっているかということで、私わからなかったからお聞きして、それに対して意見を述べようと思ったんですけど、簡潔にということだから、こちらからその辺は要望だけしておきますけれども、土地利用の問題。
それからもう一つは、先ほど言った芝浦工大、いろいろな問題がありますね。こういう問題がどういうふうに解決されるのかという問題が非常に大きな問題としてありますので、私は、そういう点でこれはほんとうに、お上じゃないけど、上から決まったことは白紙に戻させて、そして強引に行くなんていうことにならないようにしなくちゃいけないから、そういう点ではここでちょっと申し上げておきたいと思います。
それから、東京ガスの質問状ですね。この東京ガスの質問状をちょっと読ませてもらうと、市場長だってグッと胸に突き刺さるような、そういう質問が多いと思うんですよ。だから、私はほんとうに的を得た質問だなと思っておるんです。それに対して、一つ一つ丁寧に答えたということになっているのかどうか、その答弁書というのはもらって読ませてもらってないからわかりませんけれども、その点では、誠意を持って答えられる、実際にそういうものにしていかなきゃならないと思うんです。これは今日はここで結論は出しません、どういう答弁が出されているのかわからないから、それは後でまた議論をさせていただくということにさせてもらいます。
最後になりますけれども、私は、いわゆる築地の再整備という問題は、もう一つ政治的にも大きな問題が絡み合っていると思います。それは臨海の開発の問題です。あそこに環状二号線というのが真ん中を通るわけですけれども、ここの問題、これは平成二十七年度完成ということになっているわけですね。しかも、今度の知事の基本構想の中に「ベイエリア21」というものが出されまして、その中では、臨海だけじゃなくて、臨海部というところまで拡大をして、そして推進をしようということになっています。それに合わせて、この問題が一日も早くあそこに移転をするということになると、道路そのもの、アクセスそのものが今ないわけですから、それは一日も早く促進させるということにつながっていくわけですね。そういう意味で、これだけじゃありませんけれども、あと、三十四号線もそうですけれども、こういう問題が絡んで、そして築地から豊洲、豊洲がまたさらに臨海開発ということにも連動して発展していくと思わざるを得ないと思っております。
そういう意味で、いろいろな角度から考えてみても、私は、一番最初に申し上げたように、合意を大前提にしてやるべきだと思いますけれども、そういう合意が得られないような状況のもとでは、現在地での再整備というもので貫いていく必要があるということで、そして、多くの人たちが現在地での再整備というのを、ほんとうにあそこの関係者が知恵を出し合うということであれば、決して不可能なことではない。このことを私は申し上げて、今日の意見とさせていただきます。

髙橋会長
それじゃ、これはご意見として承ることでよろしいですね。ありがとうございました。
ほかにございませんね。まず、築地問題を、いろいろご意見等承りましたけれども、出尽くしたようでございますので、移転計画につきましては反対のご意見もあるようでございますけれども、大方のご意見としましては、中間報告を出してもらった方向で了承されたものと私は受けとめます。そういうことで、今日は中間報告了承ということで取りまとめたいと思いますが、よろしゅうございますね。

渡辺委員
反対者もいますよ。

髙橋会長
いましたけれども、大方は賛成ということで。大方はそういう方向のようですから。そうしまして、この問題は、これから計画部会にもう一遍、この意見を踏まえまして最終的な報告を出してもらうということになりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
築地以外の問題について、ご質疑ありますか。はい、どうぞ。

比留間委員
市場整備の方針の中で、三多摩青果卸売市場のところで、新たに中央市場については長期的課題とし、第七次整備計画では整備を凍結すると中間報告では載っているんですけれども、長期的課題、凍結ということは、これまでと随分異なった報告ではないかなと思っておりまして、二十三区は、ただいまの築地はじめ、青果市場が八カ所あって、品揃えも豊富でありまして、買い出しをされる方も大変便利であると。一方、多摩には三百八十万都民の生活を支えております民営市場が中心で、中央卸売市場と比較をして設備も整っておりません。特に保冷設備は整備されていませんし、これが多摩格差であろうと思っておりまして、多摩の小売の人たちが買い出ししやすい場所で、設備のそろった中央卸売市場の整備をずっと求めてきておりました。そのような要望を無視して、これまでも都でいろいろ努力をしていただきましたけれども、怠慢ではなかったかなというところもあるようであります。そのような状況が続いている中で、長年の悲願でありました多摩地域においての中央卸売市場整備を凍結するというのは納得できませんので、幾つか質問をさせていただきたいと思います。まず一つ目は、第六次の整備計画を策定したその後、都はどのように対応してきたのか、特に関係団体合意等につきましてどういうふうに努力をしたのか、まずお伺いをいたしたいと思います。

髙橋会長
はい、どうぞ、浅倉幹事。

浅倉幹事
多摩地域の青果卸売市場につきましては、六次整備計画に基づきまして、平成九年度、平成十年度に整備に関する調査を行い、課題について検討してまいりました。その結果、四ブロックすべてに流通拠点にふさわしい集荷力のある市場を建設することは困難であるという結論が出ました。それを受けまして、従来より候補地とされてきました五つの地区につきまして比較検討し、候補地の絞り込みを図った結果、国立地方卸売市場が多摩地域の円滑な青果物流通の受け皿拠点として最も有望であるという結論を得た次第でございます。
この間、多摩地域の青果業界で構成される多摩地域青果卸売市場整備推進協議会というのがございます、推進協と言っていますが、精力的な協議を進めてきたところであります。昨年十二月には、中部ブロックの候補地が特定されていないので、それを明確にすることを最優先課題としてほしいという要望を受けました。それを受けまして、十一月に、先ほど申しました調査結果に基づきまして、地方卸売市場を中央卸売市場化するのが現実的であるといったところを青果業界に提示したところ、国立市場の開設者から反対の意向が示され、候補地の特定ができなかったという経緯がございます。また、今年七月には、推進協から多摩地区の中心に位置し、買い出しの便利な場所に市場を設置してほしい、今、委員のご指摘のあったそういう要望が出されました。また、現在、候補地が特定されていない事情等から、第七次整備期間中には市場を設置することは困難と思われます。そこで、当面、地方卸売市場に対する施設整備補助金の増額と補助率の引き上げを求める、そういった要望書が市場あてに提出され、現在に至ったということでございます。

比留間委員
時間もないですから、なるべくまとめて質問させていただきます。次に、東久留米市場については、都議会のほうで議論がなされたようですが、どのようになったのか。それとあわせまして、長期的課題と凍結というのがあるんですが、これはいわば中止、これからはつくらないと考えられるのでしょうか、その辺についてご質問をいたします。

髙橋会長
どうぞ、浅倉幹事。

浅倉幹事
平成十二年二月四日に開催されました平成十年度の公営企業会計決算特別委員会におきまして、東久留米市場につきましてご質問がありました。質問といたしまして、東久留米市場の中央卸売市場化にどのような問題があるかというご質問がありまして、当方から、統合を予定していた他市場の卸売業者が東久留米市場への入場に消極的な意向が示されている。現在の東久留米市場の面積は二・一ヘクタール程度であり、また、周辺の用地確保にも限界があるため、中央卸売市場にふさわしい広さの土地を確保することは難しい状況にある。東久留米市場は、多摩地域の青果物流通の拠点になる中央卸売市場としての条件としては欠けている、そうお答えした次第でございます。
また、次の凍結ということでございますが、出荷団体の大型化や産地の市場選別等によりまして、卸売市場には大型化や機能の充実が求められています。このような中、多摩地域三百八十万都民の期待にこたえる市場をつくるためには、十分な集荷力を持つ拠点としての市場が必要であります。これまでそういった形から適地選定を進めておりましたけれども、これまでの経緯からすると、現在は困難な状況にあり、現時点では中央卸売市場化については、報告のとおり、長期的課題とすることが適当であると当方としても考えております。今後、流通環境の変化や適地選定あるいは入場業者の意向等の条件が大きく変われば、改めて準備について検討していく必要があると受けとめております。

髙橋会長
はい、どうぞ。

比留間委員
市場というのは、大変いろいろと問題もありまして、進め方というのは大変難しいかと思っておりますけれども、当面、中央卸売市場ができるまでの間、地方卸売市場のレベルアップを図るために、今までの補助金、それから補助率のアップを図るべきではないかなと思うんですけど、その辺はいかがでしょうか。

浅倉幹事
補助金は、地方卸売市場の開設者等の整備計画及び要望に基づいて対処しているところでございます。現在の地方卸売市場施設整備補助金は一般会計を財源としており、現在の厳しい都財政の状況では制約もございますけれども、地方卸売市場の機能を高めるため、保冷庫など温度管理に係る施設への補助を優先的に考え、適切に対処し、今後とも努力してまいりたいと思います。

比留間委員
さっきも言いましたように、多摩三百八十万人の住民の要望でありまして、多摩地域の青果の安定供給を実現するため、都にこれ以上の努力をお願い申し上げまして、要望といたします。

髙橋会長
ありがとうございました。ほかにございませんか。はい、どうぞ。

岡田委員
たびたび申しわけございません。立場上、簡単に発言させていただきます。ただいまのご質問、それから都側の答弁をお伺いいたしまして、凍結というのは、私どもといたしましては、まことに残念ではございますが、まあ、致し方ないと考えます。しかし、多摩の方々は長期間待たされておったわけでございますから、こういった方々のために、今もお話がございましたような、助成の面で特別のご配慮をぜひお願いをいたしたいと思います。以上でございます。

髙橋会長
ありがとうございました。ほかにはございませんか。(「なし」の声あり)
それでは、先ほど土屋委員からコメントがきておりますので、それを間違いなく読ませていただきます。「多摩地域は二十三区の二倍の一千平方キロに及ぶ面積に四百万人近くの都民が住んでおり、仮に多摩地域を一つの県と見れば、全国で十番目の位置に匹敵するような地域であります。このような消費人口を抱える地域において、生鮮食料品の供給を大田や築地といった都心部の中央卸売市場に頼らざるを得ないような状況が永年続いております。現在、圏央道などの道路整備が進みつつあり、交通の利便性が向上することが見込まれます。したがって、将来的には多摩地域においてさまざまな都市施設の整備を行うことによって、都心部への流入車両を抑制することができると確信しております。このことは交通渋滞を解消するなど、経済面だけではなく、環境面の配慮からも必要なことであると感じております。そのためには、多摩地域内の買い出しの便利な場所に中央卸売市場を設置することが合理的であると考えます。したがって、中間報告の二十四ページで示された『第七次整備計画では、整備を凍結することが適当である』という表現には甚だ疑問があります。『当面は整備を見送らざるを得ない』等の表現が妥当であると思われます。しかしながら、現実には、中央卸売市場を設置するために適当な場所を確保するには時間がかかったり、また膨大な予算もかかることから、当面、整備を見送ることはやむを得ず、そのかわりに地方卸売市場の整備について大幅な支援を行うべきであると考えます」。以上であります。以上でありますが、総体的に何かこの際ぜひともというお話はありますか。

渡辺委員
今のは何か決をやっぱりとる、大方どうだこうだというんですか。今、多摩の問題についても、私は意見があるんです。凍結じゃなくて、一言、土屋市長が言いましたね、そういう点でどうしてもそこがだめならば、きちっとした補助をするとか何らかの形で、多摩の人たちの立場に立って考慮すべきだと。意見です。

髙橋会長
それは記録できますか、今のことは。それじゃ、ご意見いただいたことにします。あとはよろしいですね。(「なし」の声あり)
それでは、いろいろご意見もありましたけれども、その他の市場につきましても、方向性はおおむね了承するということで取りまとめたいと思います。なお、いただきましたご意見等を踏まえて、最終報告を部会にお願いしたいと思います。
大変貴重なご意見を承ってまいりましたが、全体を通して何かご意見はないということでよろしいですね。
今後の予定について申し上げます。審議会を終了させていただきたいと思いますが、最後に最終報告に向けた今後の予定について確認しておきたいと思います。今後、計画部会におきまして、今日のご議論の上で頂戴しました各委員のご意見をもとに再度検討していただき、来年四月を目途に最終報告という形でまとめていただきたいと思います。いずれにせよ、これから計画部会の委員の皆様には、またいろいろご苦労をかけることになろうかと思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。

四、閉会

髙橋会長
最後に、大矢市場長からごあいさつがあります。

大矢幹事
中央卸売市場長として一言ごあいさつを申し上げます。計画部会の委員の先生方におかれましては、大変お忙しい中を十一回にもわたり集中的にご検討いただきまして、まことにありがとうございます。また、先生方には、これからも最終報告に向けてご議論いただくことになりますが、よろしくお願い申し上げます。また、本日は、審議会の委員の皆さん方には、大変長時間にわたり、ご議論、活発なご意見をちょうだいいたしまして、厚く御礼を申し上げます。私も、東京都といたしましては、来年四月を目途にいただく予定となっております基本方針に基づきまして、来年の秋に向けた整備計画の策定に当たりたいと考えておりますので、今後とも何とぞご指導のほどをよろしくお願い申し上げます。ほんとうにありがとうございました。

髙橋会長
どうもありがとうございました。
本日は、委員の皆様方には長時間にわたって活発なご議論をいただきました。ありがとうございました。貴重なご意見等をいただいたわけでございますけれども、これをもって本日の審議会は終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
午後十二時四十四分 閉会

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