ページの先頭です

ページ内を移動するためのリンク
本文(c)へ
グローバルナビゲーション(g)へ
サイドエリア(l)へ
サイトのご利用案内(i)へ
  1. トップ
  2. 行政情報
  3. 新市場建設基本問題検討会
  4. 第9回新市場建設基本問題検討会議事録要旨

第9回新市場建設基本問題検討会議事録要旨

平成15年1月10日(金)
築地市場新市場建設室内会議室

(委員長)
年明け初めての基本問題検討会ですので、一言お話をさせていただきます。
今年は基本構想ができ上がり、その次の基本計画の方に移行していくという、基本計画策定の年です。構想から計画へと移るわけでして、計画具体化進化の年と言い換えてもいいと思います。今までのような、理念的、概念的的な議論では済まなくなってくると思っています。業界同士や業界と行政の意見のぶつかり合いといった場面も多く出てくると思っています。そのぶつかり合いを、皆さんの「移転するんだ」という熱意で乗り越えて行きたいと思います。
これまでの経過を追ってみますと、一昨年の12月に東京都として移転を正式に決定しまして、それを受けて昨年の5月21日に第1回目の新市場建設協議会を開催しました。そこで基本問題検討会を設置するということを確認しまして、6月6日に第1回目の検討会を行いました。
続いて、第2回目の協議会ですが、ここでは、私どもから検討項目の提案をするとともに承認を得ましたので、この検討項目を検討会で検討するということになりました。その時点から検討会において本格的な討議が始まったわけです。実際には第2回目の検討会から中身の討議を始めました。
9月に入りまして、検討会では、専門部会を設置するということにしまして、10月から物流専門部会、交通・環境専門部会、千客万来専門部会、卸・仲卸等専門部会の四つの部会を設置し、各部会ごと4回ずつ、計16回開催いたしました。このそれぞれの部会における検討の内容をそれぞれの部会ごとにまとめましたので、約3ヶ月ぶりの今日、検討会を開催しまして、その検討内容のまとめを皆様に報告させていただくということです。
本日の進行ですが、それぞれの部会ごとに報告を行いまして、その報告ごとに質疑応答を行いたいと思います。しかし、部会は4つありますので、一つの部会にかける時間は30分間程度にしたいと思います。次回の検討会では、専門部会も含めて、今まで検討してきた結果を検討項目ごとに整理したものをお出ししたいと思っています。これは、基本構想の骨子のたたき台という位置づけになるかと思います。それも含めて、次回以降に質疑応答を行いたいと思います。
従いまして、本日は、報告と時間の許す限りでの質疑にしたいと思います。
それでは、最初に卸・仲卸等専門部会から行います。

(事務局)
卸・仲卸等専門部会については当初の予定を若干変更しまして、情報と衛生の問題についても当部会で検討を行いました。
資料の見方ですが、右側は提出した主な資料を掲載しています。左側は、どういう提案や説明を行たのか、また、その結果に対する意見等を掲載しています。表記方法ですが、おおむね意見の一致の確認ができたものについては「◎」、提案を補強する意見や留保条件といった意見については「・」で表示しています。
それでは、1ページ目の「衛生基準に適合する卸・仲卸売場(店舗)のあり方等」から説明します。ここでは食品衛生対策について議論を行いました。
市場衛生検査所から、各部門の施設・設備、二次汚染の防止、食品営業施設の許可基準等について三つの条件の提示を受けました。外部からの風雨、塵埃、動物等の侵入を防除した施設であること、食品特性に応じた温度管理のできる閉鎖型施設であること、ドライ・ウェット・準ウェットに区分され、仲卸店舗は固定配置が望ましいことなどです。
これについては、「閉鎖型の建物で業務を行うことは当然と考える。」ということで意見が一致しました。
そのほかの意見として、「店舗配置や位置の固定については、全体の面積、通路配置等を含めて検討を進める。」、「衛生対策施設・設備は、コストとのバランスを考慮する必要がある。」などがありました。
また、「消費者・買出人等の品質へのニーズの高まりから、さらなる品質管理向上を目指し、信頼される市場とすることが必要である。」ということについて、「安全な食材の提供、衛生管理の徹底、情報公開による、食品に対する不信・不安の払拭。」、「安全で衛生的な原材料を使用し、清潔で衛生的な作業環境のもとで衛生的に食品を取り扱い、危害の増幅防止や排除を行うことにより食品安全管理体制を築く。」という意見がありました。
右側の「マグロ(生)セリ場のモデル」図は、このとおりにつくるというわけではありませんが、こういう考え方もあるのではないかということです。
その下の「品目ごとの最適温度帯管理の必要性」は、表示してある品物はこのような温度帯で管理することが望ましいということを表しています。
「衛生基準に適合する仲卸店舗のあり方」に関する資料については、6ページに条例や法令などで定められているものと図面をまとめたものがありますので、そちらで説明したいと思います。
左側に戻りまして、「新市場におけるコールドチェーンの考え方」について検討を行いました。その結果、「衛生・品質管理の観点からコールドチェーンの維持は必須である。」ということで意見が一致しました。
そのほかの意見として、「コールドチェーンを徹底するには、品目ごとに求められる適温まで室温を下げることが望ましいが、それでは作業環境として厳しい。そのため、室温は作業環境を悪化させない程度の定温化にとどめ、商品の保冷装置を併用する方策で対応する。」がありました。
また、「商品は、保冷容器の中にあればよいとの意見があるが、市場内に一定時間滞留し、またセリや見本などで蓋を開け容器から出されるものであるため、低温卸売場の考え方と同様、室温の低温化が必要である。」という指摘がありました。具体的な議論ついては今後進めたいと思います。
続いて、2ページ目の「卸売機能高度化のために関係業者が検討すべき課題」を説明します。検討内容は、「取引・物流の現状と将来に関する見通し」と「市場業務の情報化」の2点です。
「取引・物流の現状と将来に関する見通し」については、各委員に配付したアンケートを回収・取りまとめたものです。
取引については、「新市場でも現物取引が基本になる。しかし、品目によっては見本取引、商物分離は、徐々に増加する可能性がある。」ということで概ね意見が一致しました。
物流については、「24時間の取引、休市日の対応等が課題となっている。」ということで概ね意見が一致しました。
続きまして、「市場業務の情報化」については、「情報化の必要性」と「取引情報の透明化」の2点について意見の集約を行いました。
「情報化への取り組み」については、「情報化は結局ソフトの問題である。システムを利用する側の意識と目的の明確化が重要である。」が一致した意見です。
右側の資料は、情報システムのイメージです。情報、物の流れを一つの絵にまとめたもの。また、そのシステムを使うことによって、入荷量をリアルタイムに表示するシステムのイメージ。移動体通信を利用した車載端末や携帯端末での取引の可能性について表示しています。
続きまして、3ページ目の「卸売機能高度化のために関係業者が検討すべき課題」を説明します。
「鮮魚・冷凍、加工品ごとの最適温度帯と室温設定の考え方」ですが、ここでは室温の設定について右側のような資料を提示し、これに基づいて検討を行いました。室温の設定の考え方と効果につきましては表のとおりです。
その下は、売場全体を作業環境を悪化させない程度まで低温化を行い、搬入エリアには低温荷捌き場、卸売場には低温売場、仲卸売場には取扱品目毎に低温化を行うという考え方と、同じく、作業環境を悪化させない程度まで低温化を行うが、搬出入ゾーンにはクール・ゾーンや一時保管ゾーンというものを設け、温度管理を徹底する。卸売場には低温売場、仲卸売場には取扱品目毎に低温化を行うという考え方のそれぞれについて表示しています。
続いて、「売場面積の考え方について」です。
「卸売場、仲卸売場、買荷保管所等については、農林水産省基準に基づいた試算値と現況面積目安値を比較」しました。これについては表のとおりです。
水産の卸売場面積についてですが、水産の卸業者から築地の特殊性を農林水産省基準に加えて算出すべきであるという意見があり、それを後程提出していただけることになっています。
また、それぞれの意見については左側に記載してあります。
続いて、4ページ目の「仲卸売場の検討課題」に関する資料ですが、「衛生基準を満たす仲卸売場の例」として図面を最後のページに添付してありますので、後程説明したいと思います。
ここでは、「衛生基準への対応と店舗での加工の必要性を考慮して作成した仲卸店舗の平面図」を参考に検討した結果、「衛生面からこれくらいの面積は必要との提案は理解できる。」また、「レイアウト可能な仲卸売場の総面積を決めた上で、ユニット数を検討する考え方もある。」という2点が一致した意見でした。
「加工業務の検討課題」については、右側資料の「市場内で行う調整・加工業務の範囲」のようにそれぞれ、A、B、Cに分類し、これを踏まえて新市場ではどうするかということについて検討しました。
ここでは、店舗で行う少量のサービス加工については、「加工場のイメージ」のような店舗内加工場が必要ではないか、大量加工については、共同加工場を卸売場のなるべく近くに設置して、そこで行うのがよいのではないかというような提案を行いました。
これについては、「加工機能は充実させていく必要がある。」ということで意見が一致しました。
続いて、5ページ目を説明します。
「卸・仲卸間で協議すべき課題」として、「取引終了後の卸売場の有効活用」について、右側の図のような提案をしました。
また、「買出人・出荷者でにぎわう市場づくり」として、卸・仲卸等の本来業務として、にぎわう市場づくりに必要になる候補を右側に記載しました。
続いて、6ページです。
こちらは、先ほど説明しました仲卸店舗に関係する条例や食品衛生法といったものを表にまとめるとともに、それを具体化すると現行基準でもこの程度の面積が必要になるというものを示したものです。業種や取り扱う品目などによって面積や設備は増減しますが、一つの例として作成しました。
網かけの部分は、現行の築地市場における1区画を表しています。
最後に7ページですが、加工スペース別に店舗図面を作成しました。真ん中の図面は6ページの図面と同じものです。左側は、加工スペースが店舗内にないもの。右側は店舗内に大量加工対応の加工スペースがあるものです。
以上で資料の説明は終了しますが、資料のポイント部分を説明します。
衛生対策を強化して売場の低温化を図るとか、情報基盤を整備し、業界間で情報のやりとりが出来る市場をつくるとかといったことについては、皆さん総論としては反対がいないと思います。しかし、これから各論に入っていったときに必要性について異論はないが、コスト的にとてもできないというような相当激しい議論があると予想しています。
東京都としては、最低レベルまで業界で整備するとともに、それに伴うコストは業界で負担していただきたいと思っています。この辺りについては専門部会では検討していませんので、検討会で議論することになると思っています。
また、基本計画を策定するにあたり、まず始めに概算で卸売場、仲卸売場の面積を決めなければならないと思っています。遅くても夏までにはある程度決めなければならないと思います。
資料3ページの右側の表をご覧ください。
この表では、水産卸売場の面積は売場経由量1,782tの場合と3,030tの場合の二種類を出してあります。これは、全ての荷を卸売場に下ろしてから、外へ出すものと中で取り引きするものを分ける場合は、卸売場の面積は45,400・必要になる。そうではなくて、中で取り引きするものだけ卸売場に下ろすのであれば、26,730・あれば、農林水産省基準で見れば大丈夫ということを示しています。
次に、試算値と現況目安値ですが、水産仲卸売場と青果卸売場は試算値と現況面積はほぼ一致しています。しかし、水産卸売場と青果仲卸売場は全然違っています。そうすると、農林水産省基準で考えていいのかということをお聞きしているわけであって、農林水産省基準でつくると言っているわけではありません。
例えば、水産卸売場の場合だと、現在の卸売場の面積は42,200・ですが、農林水産省基準による試算値では26,700・で現在の取扱量を扱えるという結果になります。そうすると、現在の使い方が悪いのか、もしくは農林水産省基準が間違っているのかということになるかと思います。
そのことを踏まえ、業界の立場で必要面積を試算して農林水産省基準と比較した上で提出してくださいとお願いをしています。この数字を提出していただいてから初めて作業が進むと思っていますので、よろしくお願いします。
青果仲卸売場については、農林水産省基準による試算値より現在の仲卸売場面積の方が狭いという結果になっています。現在は、仲卸売場が狭いため、仲卸が買った荷物が仲卸売場に入らない、卸売場に預かり荷として荷物がおいてあって卸売場が相当占用されているというのが実態です。これは築地市場だけでなく青果市場の全てがそうだと思います。
そのことを踏まえ、仲卸売場を農林水産省基準並に広げて、卸売場に仲卸が買った荷物をおくのをやめるのか、それとも、今までと変えないのかということについて卸、仲卸で話し合って、夏までに決めて下さいとお願いしてあります。
水産仲卸売場については、現在の仲卸売場面積と農林水産省による試算値がほぼ一致しています。しかし、問題は、衛生基準に適合する店舗、仲卸売場を考えた場合、最低でも1店舗あたり現在の倍の面積は必要になる。現在の店舗数を変えないで1店舗あたりの面積を倍にすると、現在の倍の仲卸売場が必要になる。そうではなくて、総面積は農林水産省基準による試算値で固定すると、1店舗あたりの面積は倍になるわけですから店舗数は半分になるわけです。これについて組合の中で十分議論をしていただきたいとお願いしています。
以上、3つについてお願いをしてあります。よろしくお願いします。

(委員長)
卸・仲卸等専門部会の報告は以上です。
なお、質疑に入る前に申し上げますが、意見が一致したという表記がありますが、これはこのように決定したという意味ではありませんので注意してください。

(委員)
先ほどの説明の確認ですが、最低の基準は守ってほしい、ただし、その費用は業者が負担するということですか。

(事務局)
そういう意味ではなく、21世紀を担う新市場であるためにはという一定の考え方を持って低温化や情報化などの設備を整備しなければならない。この考え方が設備を整備するに当たっての最低レベルというつもりで資料を作成しています。
しかし、この考え方に基づいて設備を整備した場合、業界側の費用負担は開設者が持つ部分があったとしても、ランニングコストやイニシャルコストを含めて増える部分があります。そのときに金がないからできないという考え方では済まないのではないかという意味です。開設者は一切費用負担はしないので、全額業界負担であるとか、開設者はここまで費用を負担するので残りは業界で負担してくださいといった具体的なことをいっているわけではありません。
21世紀を担う新市場を運営するには費用はかかりますが、費用がないからといって必要な設備を整備しなければ、その市場を新市場といえるかという意味です。

(委員)
農林水産省基準はあくまでも全国市場の平均値であって、その基準値が新市場をつくるに当たって先行するものではないと理解しています。
これから業界で市場取扱量や衛生基準を検討して、業界が必要とする面積を計算して東京都に提出するということでよろしいですね。

(事務局)
基本的にはそのようにお願いします。
しかし、農林水産省基準は大都市、中都市、小都市の市場という3つに分かれており、大都市の基準値は大阪、福岡、札幌、名古屋、東京といった市場の平均値ですので、あまり基準値と離れている場合はどういう理由があるのかということになると思います。
ただし、農林水産省基準のとおりでないと市場をつくることはできないという意味ではありません。それぞれの市場の特殊性に応じてつくることはできます。
しかし、農林水産省基準で1・あたり100kgおけるところを、50kgで設計した場合、面積は倍になるわけです。そうなると基準値で計算された部分については補助金は出るが、それを超えた部分については補助金はでません。そうなると業界の負担額は増えます。
また、使う面積が増えれば結果的に業界の負担も増えます。
以上のことを十分ご理解した上で、農林水産省基準では足りない、これだけは必要になるというものがあるのであれば提出していただきたいと思います。
後は、その数値に基づいてレイアウトしたときに入るかという問題があります。

(委員)
闇雲に広さを求めるわけではありませんが、これからの衛生基準を満たした店舗をつくるとなると最低限必要な面積があり、それは現在の店舗面積より広くなると思います。それなのに、現在狭い中で苦労してやっていて、その面積が基準値なってしまう。必要なものは店舗に揃えなければならない、しかし、補助金が出るように基準値の範囲内に納めてくれというのはちょっと納得がいきませんが。

(事務局)
東京都としては、補助金の範囲内でしかつくらないとは言っていません。
実際に必要になるのであれば東京都独自の基準を作成し、その基準に沿ってつくらざるを得ない。しかし、それをした場合は農林水産省基準を超えた部分については補助金は来ませんので、結果として単価にはね返えざるを得ません。
農林水産省に対して東京都独自基準を満たしているので補助金を認めるようにという努力はしますが、それは別として、業界としても努力をしていただきたい。

(委員)
3ページの「売場面積試算値の比較」について教えてください。

(事務局)
これは面積を算出する計算式がありまして、水産の場合、平均取扱量2,300tのうち、冷蔵庫の中で名変をするなどした結果、実際に卸売場に並ぶのは1,782tです。これが卸売場経由量です。農林水産省基準では、卸売場には1・あたり100kgの荷物をおけることになっていますので、卸売場経由量を100kgで割り返した数字が荷物を置く面積です。その面積の5割は通路としますので、荷物を置く面積に1.5を乗じた数字が、農林水産省基準から試算した卸売場面積です。
仲卸売場面積については、卸売場経由量1,782tのうち、仲卸業者が買い受けて実際に仲卸売場に並ぶものは1,044tです。これが仲卸売場経由量です。先ほどと同じく、仲卸売場には1・あたり65kgの荷物をおけることになっていますので、65kgで割り返して、通路率の2を乗じた数字が仲卸売場面積です。
こういう計算で算出された面積を表としてまとめています。

(委員)
青果の売買参加者が取り扱う数字は、どこに載っていますか。

(事務局)
青果の場合は、売買参加者=買出人ということになりますので、水産の売買参加者のように卸取扱量の何割も買い受ける人はあまりいないであろうという前提で計算をしています。青果の流通形態が変化し、水産のように青果の卸と仲卸の取り扱う量が同一でないということがかなりはっきりしてきた場合は、問題になるとは思いますが、今の段階ではこれでいいと思います。

(委員)
既存の売場を進化させて、囲いをつくり、低温化、コールドチェーン化をするわけですが、それに係る部分も基準でいうところの面積にはいるわけですね。

(事務局)
要は荷物を置く場所が常温下か、そうでないかの違いだけです。

(委員)
現在は常温下に荷物を置いているから卸売場に仲卸の荷物を置いておくことができるけど、コールドチェーン化した場合にそれができるかできないかと言うことを今後検討するということですか。

(事務局)
そういうことです。

(委員長)
農林水産省の基準の中には面積算定の方法はこれしかないということです。基準が従来から変わっていません。その後いろいろな新しいものが加わりましたので、別建てで面積を計算してもいいのではないかという考え方もあるわけですが、現在のところは新しく加わったものは、従来の基準で算出された面積の中で全部消化しなさいということになっているということです。
それでは、物流専門部会の検討結果を報告します。

(事務局)
それでは、1ページ目右上のフロー図をご覧ください。
このフロー図は「新市場の物流システムの課題と対策の方向性」を表したもので、左側に、課題として「コールドチェーン」、「衛生管理」、「コスト削減」。右側に、対策として「駐車場で荷積みをしない」、「施設内で作業を完結」、「一貫流通」と書いてあります。これは、「駐車場で荷積みをしない」については、専用の搬入・搬出バースを利用し、駐車場で荷積みをしない。あるいは温度管理された施設内で作業を完結する。「一貫流通」については、荷の搬入から仕分け、搬出までのトータルな物流のシステムを検討するというものをまとめたものです。
その検討の方向をフローにしたものが、その下の「新市場の物流フロー」です。
搬入されて、荷おろしされて、そこから卸売場、仲卸売場、荷積みというように流れていきます。施設内では自動搬送装置や電動ターレによる荷の移動があると思います。卸・仲卸売場から荷積み場所のところまではキャリーコンテナ等の利用も想定されるということを表してあります。搬入バースのところにドックシェルターあるいはプラットホーム等を利用するということを表しています。
それでは「検討内容」をご覧ください。
「物流システムの改善に向けた考え方」についてですが、「コールドチェーン維持、衛生的な取扱いのための搬出入について」については、「物流は、施設内で完結するシステムを構築する。」。また、「搬出入は、専用バースを通じて行い、駐車場での荷積み、荷捌きはしない。」ということで概ね意見が一致しました。
このことに対する意見としては、「バースの形式はドックシェルター、プラットホーム形式が望ましい。「バース数の設定、待機駐車場とバースのスムーズな誘導方法に課題がある。」。また、「小口の買荷の仕分けと搬出方法の検討が別途必要である。」というものがありました。
次に「場内物流のコスト削減」については、「物流システムの業者形態の見直し、事業の共同化、一元化に取り組む。これにより物流のスピードアップも図れる。」ということで概ね意見が一致しました。
このことに対する意見としては、場内の「中継ぎ輸送が高コストを招いている。」「買荷保管所は十分機能している。」。「買出人車両への個別配達が費用の負担になっている。」というものがありました。
水産卸にお願いしましたが、状況として物流コストが高いということは把握していますが、具体的なことについては把握していませんので、それに関する資料を後日出していただけることになっています。
次に「場内搬送車両」については、「使用範囲を建物内に限定し、台数は最小限にとどめ車種については、電動車とする。」ということで意見が一致しましたが、「電動車の場合、通路の勾配等に問題が出てくる」という意見もありました。
右側の写真は、ドックシェルターやプラットホームの例示です。
続いて、次のページの「物流施設」については「「効率的な場内物流のためには、搬出に重点を置いて施設整備を検討すべきである。」ということで意見が一致しました。これは、搬入、搬出の両方があるが、荷受けよりも搬出の場合の方が、車の台数も多く、バースも必要なので、その辺の荷さばき等について非常に難しい面が出てくるので、重点的な計画が必要であるという意味です。
これについては、「仕分け(ピッキング)や包装(パッキング)のための施設整備が必要である。」という意見がありました。
次に「自動搬送装置」については、「自動化は必要であるが、導入の範囲、機種等については十分検討すべきである。」ということで意見が一致しましたが、「マグロなどの高価な品目は、機械に任せられない。」という意見がありました。
右側には、「自動搬送装置の例」ということで、写真を載せています。
ちなみに、一番上の写真はドックシェルターを内側から見た写真です。
「共同配送」については、「潜在需要はある。」ということを記載しています。
次のページの「物流の動向」についてですが、混載貨物については、「出荷ロットは小型化してきており、混載貨物の搬入は今後も増える傾向にある。」ということで意見が一致しました。通過物貨物については、「混載貨物の増加に対応した、荷捌き施設を整備する必要はある。」ということで意見が一致しました。
また、「通過貨物量を把握する仕組みを構築すべき」という意見がありました。
搬出入車両については、「高速道路における大型車の速度規制が導入されるため、入場する車両の時間帯や車種帯が変化する可能性がある。」。また、「青果物はウイング車にパレット積みが主流であるが、水産ではパレット利用は少ない。」。さらに、「水産においてもウイング車が増加してきているが、車両購入費や保冷機能の面から、今後は箱車が増える可能性がある。」という意見がありました。
次に「桟橋の利用」についてですが、当初、桟橋のイメージが東京都と業界とのあいだでずれを生じていましたので、「桟橋のイメージ図」を示すことでそのずれの修正を行いました。
これについては、「モーダルシフトの推進や輸送コスト削減のため、桟橋利用の可能性や整備規模を検討していく必要がある。」ということを確認しました。また、「活漁船による桟橋利用が、継続される可能性が高い。」とか、「桟橋の整備は災害時の物資輸送拠点としても意義がある。」といった意見がありました。
桟橋の大きさですが、最大300m×20mを計画しています。市場と桟橋の高さの差は2.5mありまして、市場と桟橋間の輸送方法についてはいろいろ考えられますが、トラックで輸送する方法が一番いいと考えています。
冷蔵・冷凍庫、製氷機能の整備についてですが、冷蔵・冷凍庫については、「冷蔵・冷凍庫の整備手法は、民間整備を基本として今後検討を進める。」ということを確認しました。これは、東京都は整備は行わないということです。
意見としては、「冷蔵・冷凍庫の需要の見込みは、今後、業界で検討していく。」。また、「物流に配慮した整備を検討する。」。「場内物流と一体化した整備をする。」といったものがありました。
製氷機能については、「仲卸店舗への供給が製氷需要の約8割を占めているため、各店舗に製氷機が配置された場合、製氷業務の大幅な見直しが必要がある。」という意見がありました。
次のページは、専門部会の最終回で提出した新市場の物流イメージ図です。
中心の絵は概念図になっており、卸売場から仲卸売場への流れを黄色の矢印で、搬出・搬入バースのスペースについては点線で表しています。
「卸売場への搬出入イメージ(外部)」は市場の外側にあるドックシェルターやウイング車から荷物を下ろすプラットホームのイメージを書いてあります。
「卸売場への搬出入イメージ(内部)」はドックシェルターの内側のイメージです。搬送機器を利用したイメージになっています。
「卸売場から仲卸売場への搬送イメージ」は、仲卸売場の通路内にステーションを設け、卸売場からの荷物は搬送機器を使用した場合のイメージです。これについては検討する要素であるとの意見がありました。
「仲卸売場からの買出人の搬出イメージ」は、プラットホームに小型トラックの後ろ側を着けて、荷物を搬出するイメージです。外と中はシャッターで区切られていまして、中は温度管理されています。
以上で説明は終了します。

(委員長)
先ほど説明しました卸・仲卸等専門部会、ただ今説明しました物流専門部会のそれぞれに置いて、業界の皆様方に資料の提出をお願いしましたので、よろしくお願いしたいと思います。
また、ここの検討事項に関する委員からの意見については、今後、検討を進める中で皆さんからの意見をお聞きするという意味もありますので、そういう意味も含めて資料をお読みください。

(委員)
先ほどの説明の中で「概ね意見が一致した」というものがありましたが、なかには、東京都から提案があって、それに対する質疑を行っている途中で終了してしまったものがありましたので、それについては「意見が一致した」ではなくて「提案があったが議論の最中である」程度の表記にしていただきたいと思います。

(事務局)
確かに議論と時間が足りなかったという点はありますが、専門部会における検討結果は決定事項ではありませんので、このような形で報告を行いました。報告の形は東京都に一任ということで委員にはお願いをしてあります。

(委員長)
確かにある検討項目については、提案の内容は理解できるがここまできちっとされると困るという意見があったのは承知しています。

(委員)
原則論は分かりますが、実際に市場ができあがって見たときに、時間がないとかの理由で原則通りに行かないこともあるかと思います。そういう例外的な方法をどうするかということについて議論を行っていないといいたいわけです。

(委員長)
その辺も含めて今後の検討会の中で議論をしていきたいと思います。

(委員)
「冷蔵・冷凍庫、製氷機能の整備」についてお聞きしますが、この中に、意見が一致したということで、「冷蔵・冷凍庫の整備手法は、民間整備を基本として今後検討を進める。」とあります。現在の築地の状況は、民間の冷蔵庫は水産物を扱う業者が附属して所有している形だと思います。しかし、一般の民間の冷蔵庫を利用することになると、水産物だけでは利益が出ないのでそのほかのものが入る恐れがあります。そういうことを踏まえてこういう結論になったのですか。

(事務局)
専門部会では、そこまで議論が及びませんでした。ただ、東京都は冷蔵庫の設置は行わない。そうした場合に、冷蔵庫業者として新市場ではどうしますかということをお聞きしているということです。
これについては、別途、冷蔵庫業界と新市場では東京都は冷蔵庫は整備しない、皆さんで必要量を整備して欲しいということについて話し合いを行いました。また、冷蔵庫業を廃業する方がいた場合などで、必要量の整備ができない場合は、その分について外部の冷蔵庫業者を入れるしかないということについても話しました。その上で基本的には冷蔵庫業界から了承は得ています。
そのほかには、仲卸売場などにそれぞれ小規模の冷蔵庫を整備する方法もあると思います。その場合、専門の冷蔵庫と仲卸売場の冷蔵庫との配分をどうするかということ業界同士で話し合っていただきたいというお願いをしてあります。そういったことをお話した上で了承を得ましたのでこのようにしました。

(委員)
今までの検討のまとめを見ると、流通センターみたいなものができるような気がします。そうなると、仲卸業者で移転する人が減るような気がします。
業界内で聞かれることは、コスト負担増が相当あるのではないかということです。搬出・搬入用の自動搬送機を導入することは、我々も次の時代の姿ということで想像はしていましたが、東京都が提案するものが相当すごいものなので、現在、500万や1,000万の経費がかかっている人が、また3割増えるとか4割増えるとかということになると、いくら移転を推進しようと呼びかけても聞いてくれないと思います。そのあたりのことも踏まえてよろしくお願いします。

(委員長)
それでは、交通・環境専門部会の報告を行います。

(事務局)
交通・環境専門部会は要点を中心に報告したいと思います。
1ページ目の「車両・動線計画、駐車場の管理運用システム」についてですが、「車両動線」については、「場内の車両移動においては、一般道路を利用せず、街区間連絡通路の利用を原則とする。」。「連絡通路は5-7街区間と6-7街区間に整備される。」。「ターレ、フォーク等の施設外の走行は禁止する。」といったことの提案を行いました。
「路上駐車問題」については、「市場内外の道路における路上駐車は禁止とする。」ということについて概ね意見が一致し、これを補完する意見として「厳しい罰則等の導入も含めた検討が必要」というものがありました。
「駐車場のあり方」については、「路上駐車を発生させないため、必要な駐車容量を確保する。」。「荷の積み下ろしは、卸・仲卸売場外周の搬出入バースで行い、駐車場では行わない。」。といったことについて概ね意見が一致しました。また、意見としては「車種別、目的別に適した駐車場の設置場所、形式の検討が必要である。」。「敷地の有効活用や買出し動線に配慮し、立体駐車場や卸売場の上部への駐車場整備を検討していく必要がある。」というものがありました。
「車両の管理と誘導」については、「車両の円滑な誘導のためには、ETCといったITなどを活用した誘導システムの検討が必要である。」ということを確認し、また、「防犯対策や駐車場の権利化防止策としても車両の個体管理をする必要がある。」という意見がありました。
「車両登録制度」についてですが、「買出人車両」については、「車両登録制度を充実させ、入退場管理の機械化等により円滑な入退場対策をはかる。」ということで意見は一致しました。意見として「その中でも不定期に発生する未登録車両への対策を別途検討する必要がある。」というものがありました。
「出荷車両」については、卸業者から出た意見ですが、「出荷車両数の把握、バースへの円滑な誘導など、搬出入の効率化を図るためには必要であることについては認識されたが、産地の車が場内に入って荷を下ろして出ていく、そういう荷下ろしのみの車両等については一部例外措置を設けるなど、今後検討する必要がある。」というものがありました。
また、青果卸業者から出た意見ですが、「事前登録手続が発生することから出荷者・団体から出荷を敬遠されて、新市場以外に行くという懸念がある。」。「荷下ろしをした後の空車に搬出物品の積み込み輸送を行う車両については登録の必要がある。」というものがありました。
3ページ、4ページは「環境に配慮した市場づくり」です。
始めに「排気ガス・騒音対策」については、今年の10月より排ガス規制不適合車の都内の走行が禁止されますので、排気ガス・騒音対策を強化していく必要性があることを念頭に置いて、議論を行いました。
ここでは、「待機車両においても、アイドリング・ストップを実施する。」ということを確認し、「そのためには待機中の冷凍・冷蔵庫用の外部電源、ドライバーの待合室の整備等が必要である。」という意見がありました。
「ターレ等の利用」については、ターレ等の電動化の必要性を認識し、「ターレ等の使用は、施設内に限る。」。「施設内で物流を完結することからも、ターレ等の電動化を進め、環境に配慮する必要がある。」ということを確認しました。
「廃棄物対策」については、廃棄物処理に関して、法規制、築地市場の現状を踏まえた上で、「分別収集の徹底、生ごみの再資源化、不燃物のリサイクル化を進め、ごみの発生を抑制する。」ということを確認しました。具体的な方法については資料に書いてあるとおりです。
「水環境対策」のため、「雨水等を利用した省資源化対策」を図ります。
「景観対策」については、夜間の照明対策、緑化対策等についての事例を紹介し、共通認識を図りました。特に宅地内緑地については、都民や地域住民が憩い、散策できる空間として整備するということ、市場業務のために使う場所ではないということを確認しました。
以上で説明を終了します。

(委員)
先ほど、「ターレ等の仕様は、施設内に限る。」という説明がありましたが、ここで言う敷地内というのは、建物内と敷地内のどちらの意味ですか。

(事務局)
建物内という意味です。
専門部会では、築地の現状について議論を行った結果、本来は車両が円滑に動く幹線道路であるにもかかわらず、ターレ等が輻輳しており、車両が動けない状況になっているため、新市場では、そういったことを解消する必要があるということを確認しました。具体的な解消方法は、幹線通路での荷捌きの禁止。ターレ等は建物内から出さないということです。また、建物内なので、ターレ等は電動車でないと建物内の空気を汚してしまうということです。

(委員)
仲卸売場内を円滑にターレが走るための方法について何か議論はありましたか。

(事務局)
建物内の物の流れについては、自動搬送機の導入の是非も含めて、物流専門部会で検討を行いました。
交通・環境専門部会では、車両を如何に円滑に処理するかということについて検討を行いました。

(委員)
現在のターレの使い方は、物を外から中へ、中から外へ動かすために使っていると思います。そうすると、ターレの使用を建物内に限定するのは現実的でないような気がします。

(事務局)
買出人等が買った荷物を駐車場にそれぞれがターレを使って運ぶということをしているから、車両とターレが輻輳して動けなくなるのです。それは解消しなければならない。それと、もう一つは、衛生管理、品質管理の面からも、物の移動は温度管理された建物内で完結する必要があるということです。そうしたことからターレ等の仕様は建物内に限るということにしました。

(委員)
バースについてですが、夜10時以降は大型車両が非常に輻輳しています。新市場では搬入バースをドックシェルター方式にするということですので、荷物を下ろす時間が限定されることになると思います。ドライバーは荷物を下ろす、積むという順番を非常に気にしますので、特別に夜間対応のバースを整備して、1つのバースに1台ずつ着けるようにしないといけないと思います。
荷物が少ないときは大丈夫ですが、年末や連休明けは混雑すると思いますので、そういうときにも対応できるバースを整備する必要があると思います。搬入車両の荷の下ろし方はいろいろあります。それを分けて考える必要もあると思います。

(事務局)
現状は、搬入車両の並んでいる順番に荷を下ろしているようですが、新市場では、場内に待機場所を整備し、荷を下ろせる状況になった時点で搬入車両を搬入バースに呼ぶ。ドライバーは待合室で待機できる、というような労働環境の向上を含めた仕組みを検討したいと考えています。

(委員)
青果搬入バースには、瞬間的に何台入れることを想定していますか。

(事務局)
必要バース数については、大型車、中型車、2t未満の普通乗用車別に行った交通量調査の結果から精査、検討したいと思います。

(委員)
理想は分かりますが、実際は築地に荷物がないから他の市場から急いで持ってきてもらい、それをすぐに別の場所にトラックで運ぶ。荷物を持ってきたトラックはすぐに戻って自分の店で仕事をする。こういうことを行っているわけです。ですから、荷を下ろす順番を待つ間に、ドライバーは待機室でのんびりしてくださいというのはかなり難しいと思います。
バースにはバースを利用する量や対応方法があります。バースを利用しないと荷物を動かせないというのは現実的ではありませんので、小口買出人は駐車場などで荷物を積んで帰れる方法も検討して欲しいと思います。

(委員長)
そのあたりを念頭に置いて検討していきたいと思います。それでは、千客万来専門部会の報告を行いたいと思います。

(事務局)
千客万来専門部会は、いろいろな問題について多角的に絡めて検討しなければならないので、十分検討されていない部分があると思います。そのあたりについては、検討会で改めて議論していただきたいと思います。
それでは、どういう議論があったのかということについて説明します。
1ページをご覧ください。
最初に新市場の立地条件、周辺地区の概要について説明を行いました。
続いて、「千客万来の市場づくりの考え方」について説明を行いました。
千客万来は、豊洲のまちづくりから見た場合と、江東区の基本構想から見た場合のそれぞれから求められているということ。また、市場から見た場合に、市場を取り巻く現状及び消費者のニーズ、市場業者にとっての意義という三つの観点から見ても千客万来の必要性はあるという説明を行いました。
これについては、買出人、都民、地域住民、見学者などでにぎわう「千客万来ゾーン」を設けるという結論を提示しました。
3ページの「千客万来の市場づくりと買出人、出荷者でにぎわう市場づくりの考え方の整理」では、千客万来の必要性を示すために、左側を「千客万来のための市場づくり」、右側を「買出人、出荷者でにぎわう市場づくり」というふうに分けて整理しています。
「にぎわう市場づくりの具体策」として、アンテナショップの設置やワンストップショッピングの設置などを提案していますが、こういう施設を千客万来ゾーンに配置することでよりにぎわいが創出できるということを提案をしています。
以上のことから、「豊洲・晴海開発整備計画 再改定(豊洲)案に規定されているにぎわい軸に沿って千客万来ゾーンを整備する。」。「マーケティングなどの観点から、消費者と市場業者が交流するための施設が必要である。」ということについて確認を行いました。
次に、千客万来ゾーンの「コンセプト」について説明を行います。
「千客万来ゾーン」は、「『食』をコア・コンセプトとした、オープンスペースを兼ね備える、複合的な賑わい施設」であるべきだと考えておりまして、これをコンセプトととして提案し、概ね了承をされました。
千客万来ゾーンを構成する施設や機能の候補は、右側に記載してあります。これは、広域型集客施設として最大限に開発した場合ですので、整備手法や開発者によって変化すると思います。
これについては、委員から私たちの提案を補完するような意見がありました。
次に「市場の消費者・見学者対応の考え方」についてですが、「消費者・見学者への市場施設の開放のあり方」については、サービス提供方法モデルの比較、また、各ゾーニング案に千客万来ゾーンを当てはめた資料の提示を行いました。
6ページをご覧ください。
「消費者へのサービス提供方法モデルの比較」ですが、融合型は、市場を一般開放した場合です。この場合、消費者は関連店舗や仲卸店舗まで入ってきます。この場合の管理運営主体は東京都及び市場業者になります。資料館、見学者コーナーなどの施設規模は、1ha未満になるというふうに考えています。
完全分離型は、消費者を仲卸売場内には入れないで、千客万来ゾーンの中だけで飲食及び物販のサービスを行うというケースです。この場合、民間事業者が開発を行いますので、どういう施設構成になるのかはディベロッパー次第の部分が出てきます。また、施設規模もかなり大きくなるというふうに考えています。
7ページをご覧ください。
これは、各ゾーニング案に千客万来ゾーンの融合型を当てはめた場合です。
この場合は、全てにぎわい軸と消費者の買廻り動線がずれてしまいます。
次のページは、同じく各ゾーニング案に完全分離型を当てはめた場合です。
完全分離型は、市場本体機能とは別に整備しますので、全てにぎわい軸と消費者の買廻り動線が一致します。
この3ページでは、以上のことについて提案を行いました。
それでは、戻りましてもう一度5ページをご覧ください。
右側にサービス提供者の整理、利用者と提供者の関係及び時間帯を整理した資料を載せています。
これらについては、「小口仲卸、関連事業者店舗、千客万来ゾーンは互いに協力・連携が必要である。」ということの確認を行いました。また、意見としては、「仲卸売場を大口、小口に分けることは難しい」というものと、「大口、小口に分けられる」という相反するものなどがありました。これらに関しては、今後議論が必要であると考えています。
最後に11ページをご覧ください。
「千客万来ゾーンのイメージ」ですが、このイメージは、広域集客施設として、最大限に開発した場合の一例です。こういうものを整備するとか、こういうふうに決まったという意味ではありませんのでご了承いただきたいと思います。
検討内容の報告は以上ですが、ポイントについて申し上げます。
2ページをご覧ください。
「千客万来の市場づくりの必要性」について、都から提案し、概ね了承を得たものが二つありますが、その下に、「千客万来ゾーンを設けることは理解できるが、そちらを重視し過ぎるのは本末転倒ではないか。」という相反する意見があります。専門部会では、この立場の違いを整理し切れていないと思っています。
この原因ですが、一つは、マスコミ等が、東京都は一言も言っていないのに、新市場にテーマパークをつくるというような紹介をするからだと思います。新市場の移転方針は、あくまでも流通の変化に対応する市場にするためです。水産、青果の基幹市場としての中央卸売市場を再生するために豊洲に移転するのです。しかし、一部消費ニーズだとか、消費者に対するマーケティングを市場としても考えていく時代に入っているので、新市場には千客万来的な要素を入れると言うと、そこだけがクローズアップされてしまう。だから皆さんからすると、本末転倒だという意見が出てくるのだと思います。
もう一つは、我々は、必要性のところをまちづくりの観点からと市場から見た観点からという二つで位置づけをしています。しかし、皆さんからすれば、整備方針などから地域貢献的なものをつくらざるを得ないというのなら、地域が納得する程度のものを小規模に整備すればいいのではないか。何も、市場から見た必要性を強調しなくてもいいのではないかという意見だと思います。
我々は、そうではないと思っています。市場を整備するに当たっての基本的な考え方は、3ページにあります「買出人・出荷者でにぎわう市場づくり」の資料のとおり、本体で効率的な物流や、豊富な品ぞろえを実現して、お客様と出荷者に喜んでもらうというのがメインになるわけです。しかし、そうはいっても、品物は大量に動いているのに余り人はにぎわっていない。そうなってはおしまいだと思います。だから、日々新しいものが発見できるとか、買出人に来てもらうような仕掛けが必要ではありませんかと言っているのです。その場合、資料に書いてあるようなことをやるように考えざるを得ない。だったらこれを千客万来ゾーンの中に入れて、一緒にやった方がよりメリットが出ると思っています。
なお、最後のページのイメージですが、作成が間に合いませんでしたので専門部会には提出していません。都の責任において作成した上で検討会に提出しますと言うことを専門部会で説明し、ご理解をいただきました。
そのときに申し上げたことは、まちづくりの関係から、5街区と6街区の道路沿いに建物を建てて、市場敷地内から発生する騒音などを遮蔽し、複合市街地の方に影響が出ないようにして欲しいと言うことを、地元や都市計画の観点から要請されています。そのため、最大で道路から50mの幅の間、面積で言うと3.5haに建物を連続して配置することを考えています。建物の中身ですが、皆さんが使うオフィスや駐車場になると思います。こういう配置にすることによって、卸売場や冷蔵庫が表から見えなくなると思いますし、もし表から見えてしまうのならば、相当きれいなものにして欲しいと言うことも要請されています。
もし、このスペースを広域的集客施設として整備する場合は、3.5ha全部を民間開発して、こういう建物を配置してもらうという選択肢も全くないわけではありません。そうではなくて、そのうちの一部ということになると、6街区に「商業施設等」と書いてありますが、この部分の面積がちょうど1haです。上の5、7街区には、オフィスや、駐車場、一部商業施設と書いてありますが、基本的には市場業者のオフィスや駐車場にしたいと考えています。

(委員長)
以上で千客万来専門部会の報告は終わりました。
時間の都合もありますので、ここでは言葉の使い方や、意味合いといったことに関する質疑だけにさせていただきまして、中身に関する質疑については次回以降にしたいと思いますのでよろしくお願いします。

(委員)
今回、イメージ図が出されたので具体的なイメージを持つことができました。

(事務局)
このイメージは、地元からイメージを見せてもらいたいという要望があったので作成しました。ですから、市場本体機能に関することは特に書いていません。
この部分は、消費者、都民、見学者に来てもらえる場所にするとともに、皆さんのビジネスや東京都の公設市場として、消費ニーズに応えるとか、都民に支持してもらえる市場というのを理解してもらえるように整備したいと考えています。

(委員長)
それでは、中身についての議論は次回以降にさせていただくことにしまして、今日はここまでにさせていただきます。
次回は、既にお渡しした検討事項を並べて検討の方向性を示した資料と、今までの検討結果を整理して、対応させたものを皆さんにお渡しして、今日の報告資料と合わせて議論を行いたいと考えていますので、今日お渡しした資料をよくお読みいただきまして、質問や意見をまとめていただきたいと思います。

(委員)
確認ですが、ゾーニングや売場面積、業者数は今年度中に決めるつもりですか。

(委員長)
基本構想に書き込む事項については、今後議論したいと思っています。
必ずしも売場面積や業者数が書いてないと基本構想ではないとは考えていません。基本構想は、市場づくりのための基礎概念といったものをまとめたものだと理解しています。議論に時間をかけなければいけない仲卸業者数といったものについては基本計画を策定するときに検討したいと思います。

(委員)
資料の中にある「外部からテナントを募集する」という言葉ですが、これは文字どおり、状況によっては外部からテナントを募集するという意味ですか。

(事務局)
だれが消費者に対して生鮮食料品を販売し、飲食を提供するのかということです。例えば仲卸業者が販売したいということも考えられますし、当然関連事業者もいるわけです。そうなって施設が全部埋まれば外部からテナントを呼ぶ必要はないし、誰も入ってくれなければテナントが入りますという意味です。

(委員長)
それではこれで終了とします。

ここからサイトのご利用案内です。

サイトのご利用案内ここまでです。