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豊島区巣鴨「魚武」

プロがさばいたフグをお手軽に

先生になるはずが...

お年寄りの原宿と言われる巣鴨。そのお年寄りたちがちょうど高度経済成長を現役で支えていた昭和35年に鮮魚店「魚武」はこの街で創業した。当時は日本中が活気に沸き、店の前も混雑時には人々が縫うようにして歩いた活気ある商店街だった。魚武もかつては小売ながら創業者の小坂井武司さん夫婦のほかにも数人の従業員をかかえる繁盛店だった。しかし、10年くらい前から世代交代や近隣住民のライフスタイルの変化で廃業する店が増え始め、商店街はかつての賑わいも鳴りを静めた。そんななかでも、魚武は店を守り抜いている。
現在主に店を切り盛りするのは武司さんの息子の武彦さん。もともとは中学の理科教員志望で教員免許も取ったが募集枠の空きがなく、ちょうど店で魚の配達要員に窮していたこともあって実家を継ぐことにした。以来30年余り。両親と妻、そして三代目となる長男と家族総出で店を守っている。

画像:商店街の移り変わりをずっと見てきた店舗

商店街の移り変わりをずっと見てきた店舗

魚へのこだわり

品物へのこだわりは強い。さしみ用のマグロは生しか売らず冷凍物は扱わない。冷凍と違い仕入れ後の管理も手間がかかるため、いいマグロを扱えば扱うほど儲けは少なくなる。でもやはり、品物へのこだわりの方が勝ってしまう。「安物とは食べ比べれば分かりますから」と武彦さん。たまたまこのお店で売られる魚の味を知り、それ以来毎週小岩から車で買いに来る一般客もいる。惣菜やお弁当も人気だ。武彦さんの母親美智子さんが毎朝4時から仕込む。添加物や保存料を使わない家庭料理そのままの味だ。近くの保育園にも品物を納めているため、園児の母親も安心して買っていく。中にはこっそり自分の手料理のカモフラージュ用に買っていく若い母親もいる。

画像:プロのフグが家庭で手軽に

プロのフグが家庭で手軽に

仕事に対するひたむきさ

武彦さんはふぐ調理師免許を取得している。仕入れで早朝に起床する生活の中で、毎晩深夜まで練習用に購入したフグを使って勉強し試験に備えた。努力が実り見事合格。プロの手によるフグがリーズナブルな値段で購入できる街の魚屋さんとして噂が広がり、思いもかけない遠方から注文が入ったこともあった。
そうしたプロの厳しい目にかなう品物も市場なら揃う。「市場を通せば安心」といわれるが、まずは提供する側である自分が安心できることが大切だと武彦さんはいう。今も父親の武司さんと築地市場に毎日通う。武司さんの同年代の仲間の多くは引退し寂しくなったというが、市場に行けばいろいろ買いたくなり、結局毎日通ってしまう。そんな仕事に対する一途さが認められて武司さんは食品流通構造改善促進機構から優良経営食料品小売店会長賞を受賞した。「ただ真面目にコツコツやってきただけ」と武司さん。仕事へのひたむきさを引き継いだ息子と、今日もまた築地に向う。

画像:フグ免許所有者の小坂井さん

フグ免許所有者の小坂井さん

画像:ヒレ酒用に干されるフグのヒレ

ヒレ酒用に干されるフグのヒレ

データ

魚武
〒170-0002 東京都豊島区巣鴨1-44-4
TEL:03-3941-9707 FAX:03-3946-2044
営業時間:8:00~19:00
休業日:日曜日、祝日

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