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江東区木場「魚松」

粋な江戸の下町で、100年続く魚屋さん

戦災でゼロからのスタート

江東区木場。江戸の下町情緒を残すこの街は、その名が示すとおり、かつて江戸の貯木場として発展した。そんな街中に「魚松」はある。創業は明治40年。100年以上この街で人々の胃袋を満たしてきた。現在は3代目の古畑力雄さん夫婦と息子の公平さん夫婦で店を守る。この一帯は江戸時代からの流れで材木商が多く、戦前は100人もの住み込みの職人をかかえるところもあった。そういった材木商が得意先となり、魚松も大いに繁盛した。しかし戦争で周囲一帯は焼け野原になる。魚松も例外ではなかった。そして終戦を迎え、古畑さんは疎開先から帰った。両親は当初鮮魚店を再開するつもりはなかったが、思案の末自分たちにできるのは魚屋だけだと、お店を再び立ち上げる。まさにゼロからのスタートだった。
高度経済成長を迎え、鉄筋コンクリート造の建物が増えたことなどにより材木の需要は減少し、周囲の材木商も減ってしまった。しかし、景気はよく、多くの近隣の方がこのお店に訪れ、魚松には当時12~13人の従業員がいた。

画像:永代通りに面した店舗

永代通りに面した店舗

値引きはしない

その後近隣にスーパーができ、売上が半分になったこともあった。さらに食生活の変化、特に人々が魚を料理して食べなくなったこと、加えて食事をコンビニで済ますといったライフスタイルの変化も少なからず影響した。
しかし、品の良さでは負けないし、品に絶対の自信があるから、値引きはしない。とはいっても決して高くはなく、いい品を適正な価格で提供しているだけと古畑さんは言う。この頑固さが100年以上お店を守り続けた秘訣かもしれない。

画像:吟味に吟味を重ねて仕入れた品が並ぶ

吟味に吟味を重ねて仕入れた品が並ぶ

基本的なことを大切に

毎朝公平さんとトラックで築地市場に出向く。あらゆる種類の海産物があるのは言わずもがなだが、加えてそこで行き交う人々といろいろな情報を交換できるのも市場のメリットだという。長年の仕入れで培った信頼関係でさまざまな融通も利く。そうして仕入れた新鮮な魚を、店頭では、おろしてくれといわれれば丁寧におろし、すぐ食べられる魚が欲しいといわれれば焼き魚をおすすめする等、対面販売で応える。基本的なことを大事にという3代目の精神を4代目が受け継いでいく。いつもは近隣の店で済ませても、休みの日には美味しいものをと、魚松の味を求めて遠方から車でやってくるお客さんもいる。これもお店の真摯な商売に対する姿勢の賜物だ。
お店の近くには隅田川や東京湾を遊覧する船宿がある。魚松はそこで出される刺身の舟盛りも担当している。屋形船に揺られて楽しむ風情と美味。ちょっとぜいたくなひと時には、このお店の品と腕が一役買っているのだ。

画像:屋形船で使う船盛用の器

屋形船で使う船盛用の器

画像:3代目の古畑力雄さん(左)と息子さんの公平さん

3代目の古畑力雄さん(左)と息子さんの公平さん

データ

魚松
〒135-0042 東京都江東区木場5-2-8
TEL:03-3641-7245 FAX:03-5245-2670
営業時間:11:00~19:00
休業日:日曜日、祝日

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