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台東区谷中「冨じ家(ふじや)」

美味しいお魚を食べてもらいたくて
料理屋まで開店した鮮魚店

戦前から谷中で商う、三代続くお店

JR日暮里駅から谷中銀座へ。谷中銀座の中ほどに、鮮魚店「冨じ家(ふじや)」がある。戦前からこの場所で商売をされ、現在三代目のご主人、畔田一遂さんにお話を伺った。
「店を始めて70~80年。古くからのお客様が多いので、おいでいただくお客様の年齢層は、若干高めになってきましたかね。だいたい半径5~600メートルが商圏なんじゃないでしょうか。近くには落語家さんが多くお住まいで、何人かの方にひいきにしていただいています。
屋号は初代がつけました。がんばって富士山に近づきたい思いで、あえて一画足りない『冨』を使って。あとは、皆様に親しんでご来店いただけるよう『家』の字を使ったと聞いています。今は父と母と、私の3人で店を切り盛りしています」
伺ったときは2代目の貞雄さんは休憩中。なんでも10代目金原亭馬生さんとこのお店は古いお付き合いで、馬生さんが亡くなった日も、2代目の貞雄さんが刺身をお届けしたそうである。

画像:谷中銀座のちょうど真ん中辺りにある

谷中銀座のちょうど真ん中辺りにある

美味しい魚を食べて欲しくて、料理屋も開店

「今日は、煮魚はカレイか鰆(さわら)」
「白身はタイよ」
お母様の声が響く。取材中も、ひっきりなしにお客様が来店。お母様とご主人とでお相手をしながら売っていく。
「夏は刺身がメインになってしまいますね。さんまがやっと出始めましたけど、まだ小さいです。少ししてサバが出始めたら、焼きサバも扱いますよ」
ご主人は、魚をさばく手を動かしながら応対してくれる。
仕入れで気を配ることは何か、と聞いてみた。
「自分が見て美味しそうなもの、食べたいものを仕入れます。あとは父の代から付き合いのある仲卸さんがいまして、ウチの好みを知っていてくれるので助かっています」
平成26年に、谷中銀座の通りを抜けたところで、「魚料理屋冨じ家」も開店した。ご主人が続ける。
「午前中は私が料理屋にかかりますので、その間は父と母がこちらの店を回します。料理屋は始めてまだ二年目ですが、谷中銀座の観光にきたお客様が半分、あとは、ウチの魚が美味しいといってくれる地元のお客様が半分といった入りで、おかげさまで忙しくさせてもらってます。お刺身や焼き魚、フライなども織り交ぜて提供していますよ」

画像:料理しやすい切り身が多く並ぶショーケース

料理しやすい切り身が多く並ぶショーケース

画像:先代から始めて、人気商品となった銀だらの谷中西京漬

先代から始めて、人気商品となった銀だらの谷中西京漬

魚の美味しさを伝えていきたい

店頭の目立つところに、銀だらの味噌漬けらしきものがあった。
「父の代から始めたのですが、銀だらの谷中西京漬といいます。脂ののったやわらかい身の銀だらを、谷中しょうがの汁をいれた西京味噌に漬けるんです。これはみなさんによろこんでいただいていますよ」
平日の下町らしく、お客様はほとんどが女性のお客様。出がけに頼んでいたものを取りにこられるお客様もいる。接客に出たお母様の呼び声に、ご主人が応えてそのお客様の品を差し出すのが、幾度か見えた。
「人気の街になったので、若いお客様や外人のお客様も増えました。お客様の『美味しかったよ』の一言が一番うれしいですね。
あと、料理屋を始めてみて分かったのですが、若いお客様も、お魚の食べ方がとても上手なんです。箸をキレイに使って食べておられる。魚離れなんて言われていますが、そんなことはないのです。できる人はできるし、魚好きな人には食べていただけている。それが分かったのが、なんだかうれしいですね。鮮魚店と料理屋の二つのお店を通して、魚の美味しさを伝えていければと思います」
谷中の街に三代続く鮮魚店。ご主人たちは、魚の美味しさを教えてくれる伝道師なのかもしれない。

画像:忙しい中、魚をさばきながらお話をしてくれた三代目

忙しい中、魚をさばきながらお話をしてくれた三代目

データ

冨じ家(ふじや)
〒110-0001 東京都台東区谷中3-11-10
TEL:03-3821-5722 FAX:03-3828-5343
営業時間:10:30~18:30
休業日:日曜日・祝日

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