ページの先頭です

ページ内を移動するためのリンク
本文(c)へ
グローバルナビゲーション(g)へ
サイドエリア(l)へ
サイトのご利用案内(i)へ

江戸川区平井「加藤商店」

旬の味覚を存分に楽しんでほしい。
価値のあるこだわりが並ぶ下町の人情系・八百屋。

「八起(やお)き」の精神で歩いてきた40年

JR総武本線平井駅の南口から歩いてすぐの好立地で青果業を営む加藤俊一さんは、この道40年の大ベテラン。先代である父親は、大八車に野菜を載せてこのあたりを引き売りしていたという。戦後の焼け野原となったこの地に店を構えたのが「加藤商店」のはじまりだ。
「初めは八百屋やだな~って思ってたの。やりたくねぇなぁ~って」
しかし、中途半端が嫌いな性格だけに、やるからにはと修行にも出て多くのことを学んだ。
去年の反省を踏まえて今年の目標を決め、今年の結果から来年の状況を読む。その繰り返しを夢中になって続けているうち、あっという間に40年が過ぎた。
「八起きだね。今まで何回転んだかわからないけど、そのたびに起き上がろうとね」
しみじみ語る加藤さんだが、65歳には見えないほど快活で若い。その秘訣は野菜ですか?と尋ねたところ、
「そう!お客さんにもそう言ってるの。野菜好きだしね、果物大好きだし。そういう意味じゃやっぱり、この商売やってよかったなって」とうれしそうにおっしゃっていた。

画像:駅前の賑やかな通り沿いで、色鮮やかな商品が旬を告げている

駅前の賑やかな通り沿いで、色鮮やかな商品が旬を告げている

こういうときこそ八百屋の出番

収集された需給の情報をもとに価格が決まる市場のシステム。これが何より安心だと加藤さんは話す。
「直取りだと安く買えるんじゃないですか?ってお客さんに言われるんだけど、そんなに単純じゃないですね。農家さんは高く売りたいし、我々は安く買いたい。そのバランスが難しい」
生産者と小売店。この当事者同士による取引ではなく、仲介力のある市場を経由することでよりよい品物が選べ、納得のいく価格で仕入れることができるというわけだ。
品物の安全性についてもうかがった。
「我々としては市場を信頼してますから、市場経由のものは安心ですよ、と説明してます。東京都が責任持ってやってますよ、とね」
だからこそ福島産のトマトも店頭に並んでいる。
「産地表示しないで売ることもできるんだけど、あえてこれで。こういうときこそ、しっかり売るのが八百屋の出番かなという気持ちもあるしね」
ここにも加藤さんがおっしゃるところの"八起き"の精神がある。あきらめずに立ち上がる気持ちの強さが、周囲をも動かしていくのだと信じたい。

画像:店主の加藤さんは、外食しても果物がないとわざわざ買ってきて食べるという無類の果物好き

店主の加藤さんは、外食しても果物がないとわざわざ買ってきて食べるという無類の果物好き

旬のものを味わい尽くすという伝統を残していく

取材にうかがったこの日、職場体験の中学生たちが店内を動き回っていた。同店では毎年受け入れているという。
「旬の野菜や果物にはどういうものがあって、どういう食べ方がおいしいのかを知ってもらうのにいい機会だし、大人になって自分で料理したり、子育てするときに思い出してもらえるんじゃないかなって」
どんな野菜も一年中手に入る時代だからこそ、旬の野菜や果物を前面に出したいと加藤さんは語る。
「旬のものを安く売りたいし、たくさん食べてほしい。お客さんにもよく言うんですけど、昔はお母さんが旬の野菜を使ってどんぶりいっぱいに料理をつくってくれたんです」
今が旬のみかんだって、皮を天日で干してお風呂に入れていた。
「そういう良い伝統は引き継いでいかなきゃいけない」
先人は、季節の恵みをあますところなく味わい、生活の中に活かしてきた。ひいてはエコにもなるこの伝統や習慣を、今の時代だからこそ取り入れてみたい。

画像:明るく奥行きのある店内。通路を進むごとにあれこれ目移りする

明るく奥行きのある店内。通路を進むごとにあれこれ目移りする

画像:「下町でも価値のあるものを売りたい」というこだわりで選ばれたみかんとメロン

「下町でも価値のあるものを売りたい」というこだわりで選ばれたみかんとメロン

データ

加藤商店
〒132-0035 東京都江戸川区平井3-25-12
TEL:03-3681-7782 FAX:03-3681-7754
営業時間:10:00~20:30
休業日:水

ここからサイトのご利用案内です。

サイトのご利用案内ここまでです。