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豊島区東池袋「やまかね」

新たな活路で繁盛店

つぶれそうでつぶれない?

東京池袋の繁華街も程近い、その名も日出優良商店街。かつては鮮魚店、精肉店、乾物店、洋裁店と、最盛期は100軒以上のお店が立ち並び、買い物時ともなれば真っ直ぐ歩けないほどの賑わいを見せていた。しかし都心の真ん中というもともとの立地から早々に商業地開発の荒波に呑まれ、周囲は大型スーパーや商業ビルが立ち並び、今では30軒足らずのお店を残すのみとなった。
そんな中に店を構える青果店「やまかね」。創業150年で、現店長は3代目。海軍出身の先代は、夏ともなれば赤い海水パンツで軽快な口上とともに大量のスイカを道行く人々にふるまっていたという。微笑ましい光景が目に浮かぶが、今ではこの商店街自体がそうであるようにお店も閑散としている...ように見える。以前「つぶれそうでつぶれないお店」という主旨のテレビ番組の取材を受けたこともある。一見お店にとっては不名誉な企画のようにも思えるが、実際このお店、番組の真の主旨通りに、つぶれないどころか、大そう繁盛しているのである。

画像:店舗のすぐ裏は、都電が走っている

店舗のすぐ裏は、都電が走っている

功を奏した方針転換

今から25年ほど前、まだかつての賑わいを十分見せていた日出優良商店街であったが、現店長の會田和良さんに先見の明があり方針を変えた。そのころ既に近くにスーパーが出始め、商店街もいずれ衰えるだろうと、早々と近隣の飲食店への納入などの「納め」に方針転換した。これが大いに当たった。今では売上の95%が納めだ。「とにかくお客さまを大事に、いい品物をできるだけ安く」という小売専門だったころのモットーは変えない。その堅実な商売から信用が広がり、今では遠く関西空港からの注文も定期的に入るようになった。それだけ東京の市場はモノが集まりやすいことを裏付けているという。
やまかねでは、数量が少なく市場には流通しづらい「鎌倉野菜」など特定産地のものや特殊なハーブ類などは直接生産者から買い付けてはいるが、やはり仕入れは多品目の野菜が集められる市場仕入れが中心である。大量の品数を安定して納めるためには、市場は欠かせないのだ。

画像:4代目社長の奥様、手前はお店を任されている専務の押田さん

4代目社長の奥様、手前はお店を任されている専務の押田さん

商店街に恩返し

95%が納めで残りの5%が対面での販売。いっそ対面はやめてしまうという選択肢もあるはずだが、「そのつもりはありません。この商店街に育ててもらいましたから、ずっと恩返ししていきたいのです」とご主人の奥様のみどりさん。今でも長い付き合いのお客さんはやってくる。また、飲食店などプロへの納めを中心にやっていると、スーパーでは一般にあまり目にしないような品物、例えば生食用のかぼちゃやゴーヤなども扱う。「種類ではスーパーには負けませんよ」と専務の押田行雄さん。昔ながらの店先に昔ながら商店の温かさと商人気質が伺える。

画像:野菜の隣に柿や梨が並び、都会の中に季節を感じさせてくれる

野菜の隣に柿や梨が並び、都会の中に季節を感じさせてくれる

画像:「商店街に恩返ししていきたい」と奥様

「商店街に恩返ししていきたい」と奥様

データ

やまかね
〒170-0013 東京都豊島区東池袋5丁目11番8号
TEL:03-3971-6250 FAX:03-3981-1594
営業時間:10:00~19:00
休業日:日曜日、水曜日、祝日

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