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中野区新井「鈴テツ」

「秋野菜のバーニャカウダ」を勧める青果店。
仕入れひとつにも、三代目の工夫が光る。

対面販売ならではのコミュニケーション

JR中野駅から10分少々。西武新宿線の野方駅や新井薬師駅との、ほぼ中間に、お店はあった。ご主人の鈴木則昭さんにお話をうかがった。
「祖父が市場関係の仕事をしてまして、戦後まもなくの昭和23年に開業しました。初代の名前が鉄五郎だったので、屋号は鈴テツ。私は三代目で、店に出るようになってもう23年です」
お店の前の通りは、以前はいろいろな店の並ぶ商店街だったが、後継者がいなくなり、だんだんと閉店が続く。お向かいのお魚屋さんが週末だけ開店するが、お店らしいお店は、いまは鈴テツさんだけになったそうだ。
「周りにスーパーや百貨店が続々建ってきましたから、これは仕方のないことでしょう。昔からのお客様は出歩かなくなりましたし、いまは中間層のお客様、30~50代のお客様が中心ですかね。それでも、納品している居酒屋さんに聞いた料理のコツをお教えするとか、テレビで見た調理法をお伝えするとかして、コミュニケーションしながら、お得意様を増やすようにしています」

画像:お店の前は細い通りだが、駅に向かう道なので人通りは多い

お店の前は細い通りだが、駅に向かう道なので人通りは多い

クチコミ以外に、メールを上手に使った集客も

お話をうかがっている時に来店した女性のお客様が、ご主人に携帯電話を見せながら何かを話している。何を話していたのか尋ねてみた。
「実は、お買得情報を、携帯メールに一斉配信しているんです。専門にやっている業者さんに『ひと月いくら』で委託しているんですが、何回メールを送っても一定料金なので、チラシを作るより手軽なんですよ」
現在、登録している会員は400名以上。効果はバツグンのようだが、お買得情報として配信するからには、仕入れる商品に気を使わなくてはならない。でも、それが楽しいそうだ。
「今日の目玉は、新潟・長岡産の八石(はちこく)ナス。実がしまってずっしりしてますよ。煮てもくずれないし、炒めても美味しい」

画像:三代目の鈴木則昭さん

三代目の鈴木則昭さん

お客様が喜ぶ顔をみることが楽しい

お店の青果物は、新鮮なものを淀橋市場から仕入れている。改めて店内を見回すと珍しいものが多い。それに、野菜や果物に混じって、乾物、調味料、カップラーメンまで置いてある。
「たとえば、この舞茸。ふつうは菌床栽培ですけど、こちらは土耕栽培だから土がついてます。そういうところで差別化しているから、仕入れには気を使いますよ。市場を通して買っているから、いろんな品に出会えるのです。
これからの季節は、焼き芋ですね。うちでは、『紅はるか』という品種のさつまいもを焼くんです。蜜が濃くて、芋ようかんみたいにねっとりとなって、冷めてもとっても美味しい。焼き芋を売ることを考えると、早く冬が来ればいいと考えちゃいますね。
乾物なんかが多いのは、あれはないの?これはないの?と聞かれて、『ない』っていうのがくやしいでしょう?それで、自然に扱う品物が増えたんです」
さらに見回すと、アンチョビの缶詰まで置いてある。これはいったい...。
「秋野菜のバーニャカウダをお勧めするんですよ。そうすると、それはどうやるの?ソースはどうするの?と聞かれる。オリーブオイルやにんにくは家にあっても、アンチョビはあまり家にないでしょう?こうして置いておけば、お勧めしやすいじゃないですか。もちろん野菜も買ってもらえるし、美味しく食べたお客様にも喜んでもらえる。それを見るのがいちばん嬉しいし楽しい。仕事は楽しまないと。そうじゃないですか?」
なるほど、鈴テツ三代目は、仕事をめいっぱい楽しんでおられるようだ。それがお客様にも伝わるから、美味しかったよ、とまた来てくれる。そしてますます三代目の仕入れに磨きがかかる。楽しむからこその相乗効果なのだ。

画像:野菜、果物はもちろん、カップラーメンや調味料まで並ぶ

野菜、果物はもちろん、カップラーメンや調味料まで並ぶ

画像:「秋野菜のバーニャカウダ」をお勧めするため、アンチョビまで用意

「秋野菜のバーニャカウダ」をお勧めするため、アンチョビまで用意

データ

鈴テツ
〒165-0026 東京都中野区新井2-43-2
TEL:03-3386-3080 FAX:03-3386-3080
営業時間:10:00~20:00
休業日:日曜・祝日

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