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杉並区松ノ木「和泉青果商店」

'地元の店'であり続けること

かつての商店街の賑わいに思いを馳せながら

杉並区新高円寺駅から徒歩10分ほどの位置に店を構える和泉青果商店。かつてお店の周りは生鮮三品を中心に多くの商店が軒を連ねる商店街だった。しかし、スーパーの台頭や高齢化、食生活の変化などで一軒また一軒と店を閉じる。そうした中で40年にわたって和泉青果商店は地域に根付いてきた。現在店を取り仕切るのは二代目の関澤健さんだ。
この街で生まれ育ち、ずっと人々の行き交いを見てきた。かつての商店街の賑わいも知っている。商店街を歩けば肉、魚、野菜に乾物と「何でも揃った」。しかし、一つ店が閉じるとその分利便性が減少し、商店街の機能を果たさなくなったと関澤さんは考えている。しかしそんな中でも扱う品物へのこだわりは強く、むしろ小売店として、「専門性」では絶対に負けない自負がある。

画像:角地に立ち、入りやすい店舗

角地に立ち、入りやすい店舗

「市場は品に関わる人々の思いを測るバロメーター」

毎日新宿区の淀橋市場と世田谷市場の両方に仕入れに出かける。和泉青果商店では産直品もわずかながら扱うことがある。規格外で安値で扱われる品を、生産者が直接売り込みに来ることがある。プロの目から見ても鮮度もいいし味もよい。ただ、そういった品は、常時一定量を仕入れるには限界がある。そうするとやはりいろいろな品物が集まる市場の存在が不可欠となる。「市場は一つ一つの品に関わる人々の思いを知るバロメーターのようなものだと思います」と関澤さんは話す。値段はもちろん、品物の梱包の丁寧さなどをとっても品に対する姿勢が見られるという。
そうした中からベストの品を選び、売る。「僕たち小売店は、『今の時期ならどこどこの産地のレタスが柔らかくて美味しいからこの値段で売る』、といった具合に店を運営する。何でも自分で考えて行動できるのが小売の魅力ですね」。そう話す関澤さんの前を小学生の女の子が「ただいま~」と言って通り過ぎた。聞けば最近この街に移り住み、よく店を訪れるようになったお母さんとお店へ買い物にくるのだそうだ。こんな光景も小売店の魅力だろう。

画像:お客さんとの語らいも対面販売の魅力。野菜談義に花が咲く

お客さんとの語らいも対面販売の魅力。野菜談義に花が咲く

画像:店頭を彩る新鮮フルーツ

店頭を彩る新鮮フルーツ

地元を守るという意識

「やっぱり値段ありきではなく自分が食べて美味しいと思うものを売っていきたいですね」。美味しいものにはそれなりの値段がつく。あらためてそう思ってから、安易にスーパーと競争するような安売りはやめた。いい品を求める客はいる。店を訪れたベテラン主婦に話を聞いてみた。「ここにくればお野菜のことやお料理のこともいろいろ教えてくれるんです。スーパーではそういうことないですからね。このお店がないと困ります」。
だが、街の小売店が厳しい状況にいることも確かだ。和泉青果商店では学校への納品という新たな活路を見出した。知り合いの栄養士から打診されたのがきっかけで現在30件以上の学校や施設に「納め」を行っている。かつて納めと対面販売の比率が1対9だったのが逆転し、今では9対1だ。杉並区の地元の業者を使うという方針もあって業績もかつてを上回る。安全・安心の品物を地元に届けることで地域への貢献にもなる。「地元を守らないようでは周りに守ってもらえないから」。この街で生まれ育っただけに関澤さんの思いが詰まった言葉だ。

画像:地元愛あふれる店主の関澤さん

地元愛あふれる店主の関澤さん

データ

和泉青果商店
〒166-0014 東京都杉並区松ノ木3-16-15
TEL:03-3312-1038 FAX:03-03-3316-8588
営業時間:平日 9:00~20:00
休業日:日曜日、祝日

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